月替わりポスターを楽しむ。
壁掛けカレンダーは大きめと小さめの2つを買うことにしている。
小さめのは台所で使う。
六曜、二十四節気、月の満ち欠けなどが書いてあり、月曜始まりのものがよい。
もちろん、家族のちょっとした用事などを書き込んだりする。
実用品だから写真やイラストのないタイプでもかまわないが、それはやはり寂しい。
台所はただでさえ実用に傾く場所なのだから、せめてカレンダーくらいは気分のあがるものが欲しい。
新婚の頃は若い奥様向けの雑誌をよく買っていたから、年末になるとおあつらえ向きのカレンダーが付録で手に入った。
たいていは花か雑貨の写真で、それは私の趣味に合うもののことが多かったので、付録カレンダーは重宝した。
なんだかんだで十年近く、付録カレンダーで乗りきってしまった。
さて結婚して十年経つと、さすがに若い奥様向けの雑誌を買う必要がなくなる。
たいていの記事は以前にも読んだ覚えがあるし、たいていの小技(おばあちゃんの知恵?)は会得済みだからだ。
最後の数年はそもそもカレンダーが付録になる年末にしか買っていなかった。
そしてとうとう付録カレンダーから卒業するときがきた。
世間には素敵なカレンダーが山ほど売られていることに、結婚11年目にして気づいたのだ。
すごく遅い気づきだけど、生きてる間に気づいたからよかった。
いろいろ間に合ったよね、きっと。
付録カレンダー卒業後の最初の年は、生協のカタログから選んだ。
素敵な花束の写真が月替わりで載っている。
翌年からしばらくのあいだ、私は花か雑貨のカレンダーを購入した。
しかしこれでは付録カレンダーと同じだ。
なんなら付録カレンダーのほうが、雑誌付きであっても安い。
どっちがメインか分からなくなるけれども。
私はもっと新鮮なカレンダーを求めた。
そして大型書店のカレンダー売り場にたどりついた。
なんということでしょう!
これでもか!と言わんばかりの圧倒的な数のカレンダーたち。
ジャンルごとによりどりみどりで、全部を見るには相当な時間がかかる。
カレンダーでカルチャーショック。
こんなにあったんだ…。
写真、イラスト、カレンダーのみのもの。
風景、花、キャラクター、雑貨、野生動物、鳥、ペット、名言集、雑学系…。
時間をかけて売り場をまわった私は、脳内でウンウンうなりながらジャンルを「世界の風景」に決めた。
しかしその中からまた選別しなければならない。
世界の風景といってもいろいろあるのだ。
世界遺産、海、山、建物、自然…。
悩みまくったすえに「世界の可愛い街角」的なコンセプトのものを選んだ。
けれども最終候補に残ったものが2つあって決めきれない。
結局、売り場のおじさんも呆れてるだろうなあ…と思いながら、2つとも買って帰った。
それが大きめのと小さめの2つだ。
小さめのほうは毎年恒例の使い方でいいとして、大きめのほうはどうしよう。
大きめのほうを広げてみると、ものすごく大きい。
広げたら倍の面積になることを忘れてた。
我が家はあまり大きな面積の壁がない。
仕方ないので、下のほうの4分の1はパソコンのディスプレイで隠れてもいいことにした。
下のほうが隠れるのはカレンダーとして致命的だ。
なんのためのカレンダーか!
しかしそこは割りきった。
カレンダーを使いたいのは台所で、そこには既に小さめカレンダーを用意できた。
それなら大きめカレンダーはカレンダーであることを捨て去ってもかまわない。
つまり月替わりのポスターという扱いだ。
かくして我が家のパソコンの脇には、世界の可愛い街角の月替わりポスターが貼られることとなった。
そしてこの月替わりポスターは存外良かったので、以後ずっと続くことになった。
あまりにも気に入った写真は、年末にキレイに切り取って他の部屋に(カレンダーのない本物の)ポスターとして貼ったこともある。
ずっと続けているから「世界の可愛い街角」以外にもいろいろ楽しんできた。
「南の島の海」「天体」「花いっぱいの庭」「フクロウ」「パンダ」「世界遺産」。
来年用のカレンダーはもちろん用意済み。
久しぶりに「世界の可愛い街角」でいくことにした。
来年の我が家は、カラフルでおしゃれな街角に癒されながら過ごすのだ。
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