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読書感想文*オリーブ・キタリッジの生活

オリーブ・キタリッジという名の女性が住む町の、一見普通に見えるが少しずつ毒のある人々を描いた短編集。

街の住人は他人の不幸な噂話に飢えており、誰かに秘密が漏れれば立ちどころに町中に広がる。

町の住民も悲喜交々だが、家族の関係性の話でもある。

私の母は、オリーブ・キタリッジのような人だ。
ネガティブ思考で皮肉屋。場の空気を悪くする達人。
そんな私もそうかもしれない。

作品全編を通してオリーブという女性が中年から老齢になり、老いと孤独といったテーマもある。
最後には「これでいいのだ」という感謝と「これでいいのか」という不安がありながらも、「まだこの世を去ろうとは思わない」という気持ちになるオリーブに、一筋の光が射すようでホッとさせられる。

人生ってそんなものなのかもしれない。


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