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パン屋をやるなら?

知人がパン屋をやりたいらしく、ここ数日私もパンやパン屋のことを調べている。

確かに美味しかったし、シンプルに経営する側として興味がわいた。
いつか施設or店舗運営をして、併設で飲食も取り入れたいなと思っている。

色々見たところ、
米の消費量は減ってるいけどパンは伸びていて(市場としては最近は横ばい)、特に男女ともに60-70代がパン屋に通う率が高いらしい。

一人暮らしになったり、孤食が増えて、米だと食べるまでにタイムラグがある、そんな時に時間のあるシニアがパン屋に行く姿は想像できる。

一方、パン屋の閉業もコロナ禍前後でニュースになるぐらい、簡単でなさそう。業務用オーブンなどほかの飲食に比べて初期の設備投資がかさむこと(1,000万も珍しくない)、低単価の多売で長時間の体力勝負であること、そのため高齢化してくると運営が難しいこと。

パン屋として成功している店舗は、多品目かつ焼き菓子の併売や法人向け、ECなど経営としての技術もフル活用しているらしい。

単価と体力と設備投資、ビジネスとしてのハードルは低くないようにみえた。


パン屋側の本を見ていると、とにかく「粉」にこだわっているパン屋や、経営者としての工夫を綴ったものもある。
パン論か、経営論か。


知人は最近焼き始めた人なので、私はそもそもプロへ転向するのはどのタイミングなんだろうと考えていた。

粉物系は家で作る人も多いし、趣味や副業でもかなりレベルの高いものも多い。

道具や設備が全く違うので、仕上がりが違う。原価計算が必要。衛生的な知識/責任。季節を問わない再現性(水分量や見た目、食感)、大量に作っても均質なレベルを保てるか。などなど

そしてその道のりは、専門学校へ通うか、パン屋で修行か、独学。

例えば私が営業をしていた頃、本や知識を参考にしないという意味では体当たりだった。
ただ優秀な上司や先輩がいて、数百社/数千人と会うという量質転化があって、最高にプレッシャーのかかる環境があって、歯応えのある取引先に恵まれた。

ようは環境だ。
知人の事情的には学校や修行に通うことができない。となると、いかに代替する環境を自分で用意するか。

厳しい師匠かお客さん代わり、何を目指すのかというビジョンや自分で自分を評価する仕組み。
高すぎる質の目標。

パン屋のなかには、昔ながらの家庭っぽいパンもあるけど(周辺地域に受け入れられれば良い)、勝手にそこは日本トップレベルを目指して欲しいと思っている(笑)
なぜなら、それが彼を自由にするはずだから。

そんな感じで、つられて私もパン屋/パンのことばかりを考えていて、今日スーパーで他人さまのカゴを見て感じたこと。

ほとんどの人は、自炊が面倒なんだと思った。

この辺の人は自炊率が高い(飲食店が高いから)。
だけど、必ずしも料理をしているわけではないではなさそう。
スーパーのお弁当、パック野菜、加工品の数々。

そして、ねぎやにんじんなどベーシック野菜をたくさんいれているところを見ると、決まった品をルーティーンとして回している様子が見えた。

特に中年以降の人たちは、料理や食卓を楽しむといより多少の義務感でやっている、という生活風景が見えた。

だから惣菜パンというのは、外食や自炊の代わりで、「食事の用意が面倒」という課題を解決している。のかも

なるほどなるほど。

私は一人でも自炊大好き人間で、
大げさでなく、1日3回の食事がまぁまぁ楽しくておいしければそんなに不幸にならないと思っている。
むしろ結構ハッピー。

自分が経営するなら、そんな食卓を楽しくするもの、いつもの和食のそばにあって美味しいパンがいいなと思った。
でもおそらく単体は大変なので、小売や店舗運営とセットで、作る側も食べる側も良いペースで続けられたら良い。

ここまでくるとパン屋は町のインフラにも見えてきた。

新しいことを考えるのは楽しい。
いつか知人が実現することを夢みて。






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