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デジタル後進国と言われる日本でも躍進している企業はある

デジタル後進国とグローバルで言われている日本において、様々なアプローチで多くの企業がチャレンジしている。

ごく一部の抜粋だが、既存産業の大変革だけでなく昨今の新興市場におけるトライも多い。日本は2010年から続くソーシャルトレンド、SaaSトレンドにおいてグローバルでなかなか存在感を出せていなかった。そんな日本にがデジタル先進国に返り咲くには何が必要なのか。

  1. 既存大産業のデジタル推進

  2. 新興市場におけるスタートアップの創出

まずはこの2つに大別される。

1. 既存大産業のデジタル推進

1つ目は、世界ブランドランキング5位というユニクロのような市場を獲得している大企業が「既存産業を活かしながらデジタルを上手く練り込んでいく」ことだ。新サービス・新事業である必要はない。これまで長きにわたり積み上げてきた既存事業があるのだから、それをベースにデジタル戦略を考える。これは間違いなく最適解であろう。まず既存事業である以上、既にそこには大量の消費者・ファンが存在している。使われないデジタルはなんの意味もないのだから、既に消費者がついているところでデジタルを活用するのは間違いなくセオリーだと感じる。その既存事業にデジタルを付帯することで「より便利で使われる=LTV向上」「より接触してもらう=ファン深度の向上」「より事業が長持ちする=スイッチ防止」これを目指す。

より便利で使われる=LTV向上

タクシー配車サービスのGOなどは正に好例だろう。
アプリの利便性が非常に高く、これまでは路上でタクシーを探すところからスタートせねばならなかった市場において「アプリで呼んでおく」という圧倒的な手軽さから利用頻度は上がったものだろう。
加えて社内でのキャッシュレス決済や事前の目的地設定などの充実もそれを支えている。現金を携帯しなくなった世代も増えてきており、そんなユーザーのケアも出来ている。

より接触してもらう=ファン深度の向上

日経電子版の存在は大きい。これまでの朝刊夕刊を通じて物理的に接触していたメディアに対してデジタルの活用により接触頻度は格段に上がった。
人は普段からこまめに接触しているものに対して好意的な印象を持つ傾向がある。日経というブランド・ファン・消費者を維持しながらもデジタルの活用でファン深度を向上させた。

より事業が長持ちする=スイッチ防止

無印の会員設計などは参考になる。
誕生日クーポンやポイント、会員ランク、ネット注文、店舗受け取り、商品検索など網羅的にユーザーの行動をカバーしている。これにより他の店舗ではなく無印に行く動機をしっかり創出し、デジタル上にポイントやランクという形で積み上げさせている。人は積み重なっているものを捨てることに抵抗を感じるため、こういった施策が消費者が他社へスイッチすることを防いでいる。

2. 新興市場におけるスタートアップの創出

正直、既存産業の中ではグローバル企業が既に根を張っている領域も多い。特に日頃の業務環境などは海外サービスが圧倒的に優位である。SlackやZoom、Teams、Notionなど業務上で利用しているサービスに目をやるとその多くが海外サービスであることに気づくだろう。ここに国産サービスが取って代わるのは相当ハードルが高い。業務上のサービスは1人で使うものではなく、組織で使うものが多いためスイッチするハードルがあまりに高い。仮に革新的なサービスを生み出しても他社もそれを導入していないと100%の効用を得ることが出来ない。ネットワーク外部性とは正にこのことである。
一方で会計や採用などドメスティックな特徴の強い領域はまだ可能性を秘めているとも思う。
そんな中で昨今の新興市場の盛り上がりは多くのプレイヤーにおいて数年越しの機会と感じる。各国がゼロからスタートするので、市場獲得の機会が大きい。

上で紹介したNOT A HOTELなどは正に新興市場において生み出された日本初のスタートアップであろう。一過性のブームとされるNFT市場だが、同社のNFTへの向き合い方は極めて本質的に感じる。唯一性というキーワードだけで画像を売り買いするNFTとは異なり、不動産の分割所有という権利に紐付けたもの。このような新興市場への取り組みは以前のAirbnbを彷彿とさせる。まずは日本から、そして世界市場への躍進も可能な事業に感じる。法律という国独自の制約は存在するだろうが、それをケアできればどの地域においても実現可能なものに感じる。数年後に日本を代表する一企業としてグローバルで躍進してほしい。

個人的にも応援しているCROOZ Blockchain Lab社のPROJECT XENO。
スタートアップというには大企業すぎるが、Labを作り立ち上げたという意味ではスタートアップ的意味合いを持っていると感じる。
ブロックチェーンゲーム(以下BCG)という過去にAxie Infinity(https://axieinfinity.com/)というゲームが話題になった市場だ。
Play to Earnという今はあまり耳にしなくなったものだが、ゲームのプレイを通じて金銭的価値を得ることが出来るというもの。まだリリースして1年経たないが、ゲームだけでなくDiscordやLINEオープンチャットを用いたファンコミュニティを極めて上手に作り上げている。このような取り組みは海外では多く見られるが国内では中々目にすることがなく、素晴らしいもの。
このような新興市場での新たな立ち上げは市場の動向に左右されるため中々手を出しにくい心理が働くが市場が伸びた場合には必ずグローバル企業が押し寄せてくる。そのためには将来性を信じてコミットするプレイヤーが今から生まれていないと10年前の二の舞いになってしまう。

さいごに

私は日本がデジタルの世界で世界と戦ってほしいと本当に強く願っているし、自分もその中に身を置きたいと思っている。大企業の躍進なのか新興市場へのトライなのかは問わない。
これらの取り組みが年々増え続ければ日本は数年後に世界で戦っているのではないだろうか。

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