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いえごもり読書日記

新型コロナウィルスが世界中の日常を支配しているなか、
週末は、家事・散歩・スマホ・動画といったルーティーンになる。
そんな週末も段々と飽きてくると、
本を手に取るのは、やや本好きの部類に属する、私だけだろうか。

家にある積ん読本、amazonのKindle本、徒歩で行ける範囲にある本屋で買い足した本。
コロナウィルスを言い訳に、新しい本を手に入れるのは何とも嬉しい。

本を選ぶときは、どうしてもその時々で頭の中を占めていることに、
本の内容が現れてしまう。

今、私の頭の中を占めていることは、「仕事ができるとは何か?」「自分が社会人として足りないものは何か?」ということ、
「コロナの閉塞感や不安感を和らげてくれるものは?」ということ。

1. 仕事ができるとは何か、のヒントとなる本


医師のつくった「頭のよさ」テスト 
ー認知特性から見た6つのパターン  本田 真美

「意識の量」を増やせ  齋藤 孝

この2冊は、後ろの席にいる30代になったばかり、
「君は勉強はできるけど、仕事はできない。」
と言われ続けている後輩と、部下の成長に悩んでいる上司に向けて、
何か掛ける言葉はないだろうか、と考えていた中で手に取った。


まず、1冊目。
この本は、後輩と上司の会話が噛み合っていない原因を、
伝えたいと考え、「認知特性」に注目して選んだ1冊。
後輩と私(とくに20代の頃)は、思考回路=認知特性が似ている。
30代後半の私は、上司の考えていることも、経験により理解はできるが、
自分の頭の中とは、全然違う景色が見えている人だなあ、と感じる。

それを説明するのが、6種類の「認知特性」。
詳しくは割愛するが、後輩「視覚優位者」VS上司「言語優位者」が、
うまくコミュニケーションをとる方法は何か?

後輩と上司の会話で、認知特性の違いが象徴的だったできごと。

上司 「在宅勤務をもっと推進するように、という会社方針が出たんけど、
    家にパソコンとインターネット環境はありますか?」
後輩 「家にパソコンはありません。インターネット環境はあります。」
上司 「んっ??? パソコンないのに、インターネット環境がある??
    インターネット回線は何に使っているの?」
後輩 「ええっと・・・。妻が使っているパソコンはありますが・・・」
上司、周りの人たち
   「パソコンあるじゃん!!今は、非常時だから、パソコンがあるか
    ないかを聞いてるんじゃん。
    なんで、背景を読んだ受け答えができないの・・・
    いつもながら、そういうところ、ずれてるなあ。」
 「いえ、妻は、フリーランスで仕事をしており、パソコンがないと 
    できない仕事なんです。いつも締め切りに追われており、
    パソコンを自分が使うと、仕事が成立しません。」
上司 「そういうことだったんだね。。。それは、あなたが在宅勤務を
   するのは難しいね。でも、なぜ最初にパソコンがないと答えたの?」
後輩 「パソコンがあるかないか、の次の質問を想像すると、
   安易にパソコンがあると答えると、在宅勤務を強制されるという、
   都合の悪い立場に置かれるのではないかと想像したので・・・」

視覚優位者の私や彼は、頭の中のイメージを、的確に言葉に変換して取り出すのに、少し時間がかかる。トラブルが起きたり動揺すると、余計にうまく言葉が選べなくなる。言語優位者にとっては、言語で浮かんでいることを、そのまま言語で取り出すのだから、スムーズに話すことは難しくない。
だから、この後輩の頭の中のイメージをそのまま取り出しちゃったら、
思わず、「パソコンがない」と答えてしまった、
という状況を私は苦笑しながらも、よく理解できる。

この本では、情報処理の特徴を、以下のように述べている。
・視覚優位者=感覚的思考者。同時処理により情報を処理する。
・言語優位者=論理的思考者。継次処理が得意。

上の会話で特徴的なのは、
上司は、自分の想定した質問のフローに沿って回答を求めている一方で、
後輩は、上司の質問の回答をすっ飛ばして、
「在宅勤務ができるか否か」というテーマの自分の回答である、
「パソコン自体はあるけれど、自分が日中時間帯に仕事に使える
 パソコンはない。即ち在宅勤務はできない。」と答えている。
質問と答えが噛み合っていない上に、上司は、簡単な質問に正しく回答できない部下の会話能力を疑ってしまう。

なぜ、こんな具合になるかということが、「同時処理の人」と「継次処理の人」という認知特性で説明ができる。
この特徴を理解していれば、上司は部下が無能な訳ではない(ちょっとビジネスのルールからは外れているけれど)と思えるし、部下は、上司の思考のルールは継次処理だから、きちんと論理的に説明すれば、自分の主張に理解を示してくれる、と安心して回答ができるのではないだろうか。


さて、2冊名。「意識の量」を増やせ  齋藤 孝

「仕事ができるとは何か?」という定義をしっかり理解すれば、
変われるはず、という思考回路がすでに頭でっかちではあるが、
何ごとも定義を理解することは、基本だろう。
この本では、「できる人」=「意識の量が多い人」、
「社会力」=「意識の量」と定義づけて、
意識の増やす方法を解説している。

私も後輩も、よく言えばマイペースで、人への関心が薄いところがある。
それが、気遣いが致命的に下手くそなことに間接的につながっている。
しかし、働く場において、大多数の平凡な能力の人が、価値観や世代が
全くことなる人たちと共に、利益を生み出すという1つの目標に向かって、
協力して業務にあたるには、専門スキルよりも何より、「意識の量」が
大事だ、ということを、この本は説いている。
刻一刻と変わる状況や相手の立場を、「気配りできる意識」、多くの仕事を同時進行するために「目的をもつ意識」、「優先順位をつける意識」、「成功体験から得たコツを言語化し蓄積する意識」など・・・仕事ができる人は、こんなことを意識しているのか、と新しい思考回路をインストールような読書体験であった。来週、後輩に紹介してみよう。


3冊目。これは、仕事で求められている役割が、プレイヤーからマネージャーへ変わろうとしている私が、自分の意識を変えるために選んだ一冊だ。

女性リーダーが生まれるとき「一皮むけた経験」に学ぶキャリア形成
野村 浩子


プレイヤーはできて当たり前。マネンジメントができて初めて評価される、
という今までとは異なるフェーズに立っていると実感する最近。
女性の先人たちは、何を考えて部下や同僚を率いたり、モチベーションを保ち続けながら仕事に取り組んだのか、その転機になるようなエピソードが書かれている。
女性リーダーにとって、「一皮むけた経験」は、人それぞれではあるが、
皆、順風満帆という訳ではないことは共通している。
むしろ、苦しんだり失敗した経験から、その後の仕事で活きる重要な教訓を学び、胆力をつけ、1つ上のステップ上がっている。
現在の私も正にその試練の時。苦しみながら、何かを必死で掴み取る覚悟で苦手なことから逃げずに、次のステップへ進みたい、
と前向きな気分にしてくれた。

2. コロナの閉塞感・不安感を和らげてくれる本

1が長くなったので、このジャンルについては、また明日。。。。

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