あなたは、何に引かれてここまで来てくれたのでしょう。 今はおでかけ先ですか、お家でしょうか。 リラックスできていますか、片手間ですか。 書き手の私には分かりようのないこと。読んでくださるあなたへすべて放りなげて、私はこんなふうに自分が遊んで並べた文字をここに置いています。 ひとつ、試しに記事を書いてみて。正直、なるほど、と。なんだか悶々としました。 あんまりしんどい言葉を並べるのは自分が苦しいなぁと思いつつ、けれど結局触れてゆくのはそれら『痛み』を伴う事柄に
※全体にわたって「食べる」ことについて書きます。不安を感じた時には、引き返してくださいね… 料理を愛する人を、尊敬して止みません。 あなたは、…食べることはお好きですか。 この問い自体が、ある種の暴力性を持っていることを知っています。なのであまり無邪気には問いかけられないのですが、けれど。 ただ、問うことを恐れすぎずに書いてみます。 食べることは、お好きですか。 食べることはつらいです、そういう答えも返ってくるはずでしょう。 しんどさの代名詞でもあ
本当はきっとずっと泣きたかった。 台所で、ひどい嗚咽がこぼれ出して、居間を挟んだむこうの応接間でゲームに興じていた彼が異常を察して駆け寄って来てくれて。 相手の分厚い胸に顔を埋めて泣いた。 本当はずっとこうして泣きたかった。 一人で台所に立つのが辛いのだ、怖いのだ、と…そんな滅茶苦茶な状態に自分があることを自覚した、二十四歳の春。 理解のある彼君。 彼はそう呼ばれるのに相応しい人物だった。性的虐待被害を自覚し、もう家には居られない、けれど行くあてがない。そ
※虐待体験に関わる描写がちょびっとございます。いやだなと思ったら無理はなさらず。 ちょっと先生について、書いてみよう。 ちょっと先生について、書いてみようと思う。 私がこの世界に根をおろす土台になってくれた、大切な人について。 彼は一体、私の何なのだろう? シンプルに言えば、中学三年生の時の担任だった。以降も現在に至るまで、折につけささやかな交流をさせてくださる恩師。 けれどこういうふうにまとめると、彼について何にも書いていないことになる。 書きたいの
花の名前のなかに、あのひとをみる。 雨あがり、鈍色に光る車道脇、白く光るあれは。 「ぁ、車輪梅がきれい」 呟いてから、気づく。 今の一言はいつか、あのひとが呟いた言葉。 運転席の呟きを、助手席で聞いた。 花の図鑑を真面目に開いたことはない。だから私の知る花の名前は、その多くが、つまり、あのひとから教わったものだ。きっと教えるつもりもなく、ただ無邪気に、あのひとが傍で呟き続けた感嘆と、その花の色。 シャリンバイ。フヨウ、コデマリ、イジュ、…チガヤ。 「母
もう。いいんだよ。 解離が始まるなあ、という前兆、なにかお持ちでしょうか。 それが分かっているとちょっと楽ですよね、あー、「楽」ていうのは語弊があるかしら、「マシ」? 私は…最近は逆によく分からなくなってきました。気がついたら、「お、ちょっと…離れてるな」と思う。怪我しないように、変な事しないように、安心安全にさせなきゃな。と思ってちょっと小さく過ごします。 不安なんだね、何がいやだったんかなぁ。そう呟いて、とりあえず自分で自分をひとりぼっちにしないようにする…
猫の日に、犬を拾った。仕事帰りの通勤路で。 その背に触れた、ただその一瞬で、棄てられたのではと想像させる犬だった。 脂で固くなった体毛、ムーンストーンのように白く光る瞳。首輪はない。けれど首輪のあったあとを示すように、首回りだけは毛が短い。 ケアが足りていない容貌。けれど雑草や泥などの汚れは一切ないその様子から…長く放浪してきたわけではないことが察せられた。そして、歩きながらよろめく後脚、音にも光にも匂いにも鈍い反応…これから長い放浪も不可能だろうという事も、予想
他人の『自己紹介』の紹介から、始めようと思います。きっと、とてもわかりやすいから。 敬愛するタレントさんで、「自己紹介お願いします」と言われたら、ホワイトボードに十字路を描いて、「えーとまず車Aがココから直進です。でそしたら対向車線のこの、車Bがね、右折するんですねエエ…」って事故の紹介を始める…本当に愛らしい方がいます。 彼のユーモア、話術、しなやかさ、知性、その全てが伝わってしまう、自己紹介。 (この先、彼の『事故紹介』に何処かで立ち会える方がいないとも限りませ