奏多

創作が好き!音楽と文字書きが好き!積みゲーも消化せんと…! 音楽素材サイトも運営して…

奏多

創作が好き!音楽と文字書きが好き!積みゲーも消化せんと…! 音楽素材サイトも運営しています。 良ければ聴いてみて下さい! kanata-sounds.com よろしくお願いします。

マガジン

  • 掌編小説

    掌編小説を纏めました! サクッと読めるので、ちょっとした時間に(*´-`)

  • 忘れ者

    現在連載中の小説「忘れ者」です! 少年は遊ぼうと誘ってくる。 見つけたいのに、見失ってしまう。 信じたいのに、疑ってしまう。 思い出したいのに、忘れてしまう。 少年は遊びに誘う。 「あなたのいらないものと、僕の持っているあなたの欲しいもの。奪い合いをしますか?」 現代ファンタジーミステリーです。

  • 音楽

    音楽関連を纏めました♪ゆったりとちょっと一呼吸に♪

最近の記事

初めまして!

【写真で掌編小説】 「初めまして!」 僕は君の友達だ。 君が生まれて間もなく、君の隣で眠る。 ギュッと抱きしめて、話を聞いて、また一緒に眠る。 君が大きくなるにつれて、抱きしめてくれる回数は減ったけど、その代わりにいっぱい話しかけてくれる。 僕はその話が大好きなんだ。 君の友達でいられる事が嬉しいんだ。 そして、君は大人になっていく。 恋人が出来て、家族が出来て、君は新しい宝ものに出会う。 君は僕のほつれた身体を綺麗にしてくれた。 そして、僕の友達は増え

    • もっと優しいものを作りたいな!

      • 私はあなたが……

        【写真で掌編小説】 「私はあなたが……」 私はあなたが嫌いだった。 あなたはいつも暗い顔で、悩み事や辛い事に苛まれているように見えるから。 言葉で繕うばかりで努力もしない。 そんなあなたはきっと誰にも好かれない。 だから、私はあなたが嫌いだ。 会社に向かう途中、新しくオープンした美容室が目に入る。 宣伝なのか技術を磨くためなのか、店先でカットモデルを募集していた。 若い美容師が声をかけてくる。 何となく躊躇う気持ちと、一歩踏み出してみたい気持ちに揺らぐ。

        • 空の色

          【写真で掌編小説】 「空の色」 私はいつもピンクのポーチを持って歩いている。 子供の頃からずっと大好きなピンク色。 お財布も筆箱も、お気に入りのものは全部ピンク色をしている。 今日もお気に入り色を持って学校へ行く。 美術の授業は教室を移動する。 お気に入りのポーチを持って教室を出る。 入り口で君とぶつかった。 私の落としたピンクのポーチを君は拾い上げる。 君は苦そうに笑いながら、謝った。 私も君の青色の筆箱を拾って手渡した。 君はにっこりと笑いながら、

        初めまして!

        マガジン

        • 掌編小説
          16本
        • 忘れ者
          37本
        • 音楽
          1本

        記事

          期間が空いてしまいましたが、 また復帰したいと思います! まだまだチャレンジしたいことや、興味のあるものもあるので、 これからもよろしくお願いします♪

          期間が空いてしまいましたが、 また復帰したいと思います! まだまだチャレンジしたいことや、興味のあるものもあるので、 これからもよろしくお願いします♪

          マガジンとまとめが大変だった。「忘れ者」完結しました!→ https://note.mu/ashiya87249/n/n57a6028cca30よろしくお願いします!

          マガジンとまとめが大変だった。「忘れ者」完結しました!→ https://note.mu/ashiya87249/n/n57a6028cca30よろしくお願いします!

          居場所

           学校の帰り道は恵美と一緒だった。 「藍子は彼とは仲良くしてるの?」 「えー、そういうのは言いたくないなー」  恵美は私の脇腹を突いてくる。 「いいじゃん。聞かせなよー。私のおかげで付き合ってるんでしょー」 「それはそうなんだけど……」 「でしょー。和志の奴の浮気が見つからなきゃ付き合えなかったんだから。感謝しなさい」 「でも和志君は浮気してないんでしょ?」 「そう言い訳してるけど、どうなんだかね」  恵美はずいぶん腹を立てている。でも、本当にそうだ。  

          居場所

          暇つぶし

          「あいつら見つけちゃったなー。久しぶりに負けちゃったや。あーらら」  けらけらと笑う。 「忘れて欲しいって思うくせに。矛盾ばっかだよなー。ま、そのおかげで暇なんだけどな」 「またボール蹴りでもしてきたら?」  ばあちゃんが言う。 「あれはボール蹴りじゃなくてサッカーって言うんだよ」 「私には暇つぶしのように見えましたよ」 「ま、それは正解なんだけどね」  少年は鏡を覗き込む。 「また、暇つぶしできないかなー。あーらら」 「おや? 早速暇つぶしが出来そうです

          暇つぶし

          鬼ごっこ-10 プレイヤー藍子 時間切れ

           鬼ごっこ警察署の近くには、防弾チョッキを求める人で溢れていた。 「このままだと、弘樹君が……」 『犯行声明』のアプリで見ると、弘樹君の花は残り一輪だけだった。  もう時間もわずかしか残されていない。 「大丈夫」  弘樹君はどこか確信を持ってそう言っているようだった。その確信がどこにあるのかはわからない。  弘樹君は人で溢れている鬼ごっこ警察署に向かい歩き出した。 「弘樹君……! 見つかっちゃうよ?」 「大丈夫だよ。いるんだろ?」  弘樹君の呼びかけに応える

          鬼ごっこ-10 プレイヤー藍子 時間切れ

          鬼ごっこ-9 プレイヤー弘樹 タイムリミット

           まさか、本当に裏切り者がいるなんて……。  僕と藍子さんは鬼ごっこ警察署に向かった。  これは僕の提案だった。  藍子さんは事情がよくわからない、という表情をしている。  行けば、おそらくわかるだろう。  そんな直感的なものだった。 「弘樹君は、本当に裏切り者がいるって思うの?」  藍子さんは不安そうに言う。 「多分……」  僕は確定として言う事が出来なかった。藍子さんの気持ちを考えると、絶対に、とは言えない。  大通りを歩くと、人の往来が多い。右から左

          鬼ごっこ-9 プレイヤー弘樹 タイムリミット

          鬼ごっこ-8 プレイヤー藍子 遮り

           この世界はどんな世界なのだろう。  本物とか偽物とか、そういうのばかりでわからない。  弘樹君は目の前に立っている男性に怯えている。  やっぱりこの男性はあの男性なんだ。 「いい加減にしろよ。俺は忙しいんだ」  男性は威圧的な態度を見せてきた。弘樹君は視線を斜め下に落としている。 「あ、いえ、えっと、すみません。人違いでした」 「んだよ……。だったら話しかけんな。ちっ」  男性は人込みに紛れて消えていった。弘樹君も呼吸を整えている。 「大丈夫?」  声を

          鬼ごっこ-8 プレイヤー藍子 遮り

          鬼ごっこ-7 プレイヤー恵美 二人

           どこにいてもダメ!  誰といても安心できない。  急いで逃げないと。  遠くへ。遠くへ逃げないと。  私の足は自然と街から遠ざかっていった。  細い路地の隙間を縫うように、街の中心を避けていく。  誰から逃げているのかも、なんで逃げているのかもわからない。  だけど、みんなが私を裏切り者だと思ってるし、この世界にいる人はみんな私を捕まえようとする。  そんなの逃げるしかないじゃない。  弘樹君も藍子も……。みんな疑ってる。和志だって、私の事なんて気にもして

          鬼ごっこ-7 プレイヤー恵美 二人

          鬼ごっこ-6 プレイヤー弘樹 デジャヴ

           残り三時間か……。  時間に余裕はない。 『犯行声明』のアプリが伝えてくるのは、焦りと疑いだ。僕たちから余裕という安心を奪っていく。  安心が奪われ続けると、疑心暗鬼に駆られてしまう。それこそ、今のこの状況が当てはまっているのだと思う。 「弘樹君。大丈夫?」  隣を走る藍子さんが心配そうな目をしている。 「僕は大丈夫。ただ、恵美さんが……」 「そうだよね……。なんでこんな風にばらばらになっちゃったんだろう」 「それは……」  言いかけて止めた。その先に出て

          鬼ごっこ-6 プレイヤー弘樹 デジャヴ

          鬼ごっこ-5 プレイヤー藍子 いないのかな?

           このままだと私は七時間後に敗北者になる。  でも、それ以上に深刻なのは、恵美の方だった。  恵美は、あと四時間で敗北者になる。  私たちに与えられた情報では、敗北者になると何かいらないものを失い元の世界に戻る、というものだけだった。そのいらないものが、何なんのかは何もわからない。その事が、焦りだけを生み出していった。 「どうしよう……。また一時間が経っちゃう……」  恵美が呟いた。赤い時計は反時計回りに回り、三十分を差している。  三十分後にはまた花を失う。その

          鬼ごっこ-5 プレイヤー藍子 いないのかな?

          鬼ごっこ-4 プレイヤー和志 開始

           なーんでこんなおいしくもない展開になっているんだか。  弘樹が俺の肩を壁に押し付けてくる。 「弘樹ー。痛ぇんだけど……」  言うと弘樹の力がさらに強くなった。 「なんで、お前がここにいるんだよ」 「なんで、って言われても……。お前たちと同じように勝ち上がってきただけだろ?」 「嘘を吐くな。僕まで騙せると思うなよ」 「って事は、後の二人は騙せるって事かよ。それって酷くねぇ?」  けらけらと笑う俺の両肩を壁に押し当てた。 「そういう問題じゃないだろう! お前は

          鬼ごっこ-4 プレイヤー和志 開始

          鬼ごっこ-3 プレイヤー恵美 犯行声明

           学校で話していた時とはまるで違う。  ふざけながら、「私たち親友だよねー」とか言ってたのが嘘のようだった。  藍子も私も言葉や態度で取り繕う事も無く、これが本当の親友になれたような気がした。 『親友』って言葉を使っていた時よりも、そんな括りを付けない今の方がよっぽど親友だと思える。あの頃に信じていたものが何もかも変わっていくようだ。  恵美の事も、和志の事も。  藍子はスマホを取り出して、何かを確認している。 「新しいアプリはあるのかな……。あれ? 『読書感想文

          鬼ごっこ-3 プレイヤー恵美 犯行声明