β-501 AC 2021 その2

ここではACジャパンの2021・2022年度の地域キャンペーンについて見ていきたいと思います。

地域キャンペーンは2017年度から2年に1回刷新されるようになりました。

そのため、2年かけて訴えていくべき内容を地域の特性も照らし合わせながら展開していくものが多いというような感じになってます。

ちなみに、2019・2020年度の地域キャンペーンは以下に感想を記載いたしました、アーカイブと交えて併せてご覧いただければと。

既に検索をかけて絞っております。

さて、新たに作られたキャンペーンですが、著名人の起用が多くなってまいりました。

全国キャンペーンや支援キャンペーンなどほかの箇所では、起用される例が多発しておりますが、地域キャンペーンまでも今回は数多くの方々が起用されております。

そのことも踏まえて、各地方をそれぞれ。

北海道・わたしは、アイヌ。

あんまり詳しくない私でも、迂闊に話せない案件がいきなり。

つい最近も、炎上していたような。。

正しく理解することは大切で、でもどの文献資料やネットに氾濫する情報のどれが真実かを自身の目と頭でしっかりと吸収し、正解を残していくにはとても難しい案件なのは確か、資料館が白老町にできたことも存じているし、そこで展示している内容は、実際に伺ってみないとわからないけれど、この資料館に関してもしっかり正しく伝えているのか、意義はどんなものか、完成した時期に流れたCMは、どこの誰があのような形で仕立て上げたのか、というような要素がてんこ盛りで・・・、不可解なことはあれど、大切でだけどデリケートな話題ではあります。

1997年に施行されたアイヌ文化振興法が2019年にアイヌ施策推進法になったこと、それに合わせて、ウポポイというアイヌ語で歌うことを意味した国立のアイヌ民族博物館をはじめとした施設が完成したことを踏まえて、次の北海道地域キャンペーンに選定されたのかなと感じております。

正式名称は「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」となっており、その前の1997年の「アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律」と比較しても、パッと見てもどこが異なるかがわからなかったというのが正直な感想。

1997年では文化を重点に普及させるためだけであり、アイヌの方々の"らしさ"まではカバーできなかったものを、2019年は法律上では少なくともカバーしていけるように、力を入れてまでもより多くの方にフラットに知っていただけるようにという意図があったのかなというものを感じました。

決め手となったのは国連において「先住民族の権利宣言」が2007年に採択されたからなのだけれど。

これより以前は1899年に施行された法律がありました、19世紀のころの法律がほんの25年位前までそのまま続いてたのだから、驚きは隠せない。

"アイヌ"ということばはなく、表向きは保護していても、実際には同化させていくというような法律だったのだなという認識でおります。

実際少なくとも21世紀になるまでは、ルーツがアイヌだからという理由でさまざま不当なことがあったというお話は伝聞ですが聞いたことはありますね。

国際的にも先住民族の権利を尊重するような風潮は出てくるようになりましたが、実際にはまだまだ裏にいろんな問題が介在していたり、個々の意識や偏見を正常化することがとても難しかったりで、意図していた通りになるのはまだまだ時間がかかるかと思われますし、意図そのものがその方向性で正しいのかといわれると不透明な部分もありますので、まだ議論の余地があるようには思えます。

出典はいろいろ見ましたが、なかでもこちらを。

さて、CMそのものに重点を置くと致しましょう。

アイヌをはじめとした多様性の理解・共有というのが主だったテーマではありますが、過去のこともあるので、実際にルーツはあっても、公開することを忌避する方々も依然としていらっしゃいます。

出自に対するイメージはどのように教育されたかはそれぞれ違うと思いますが、誰しもが気になって、それがわかったときにほっとするのか、揺らがないのか、それとも避けるようになってしまうのかというものが存在すると思われます、気にしないと表では言ってても、人生にかかわってくるのならば、やっぱり気にしなくてはいけません。

どういった経緯で、関根摩耶さんが起用されたかは知る由はありませんが、もししっかりとご自身のことばで話してたのなら、とても素朴で素敵な方だなというふうに感じました。

そうじゃなかったとしたら、この広告そのものがお蔵入りせざるを得ない事態だけど。

広告としてはいたってシンプル、その背景を踏まえると複雑に絡みます。

なんでも、そうだけどね。

2年間、果たして完走できるでしょうか。

電通北海道の制作でお届けしております。

東北・とうほく6健!お祭り体操

難しい話題の次は、箸休め。

お次は東北、肥満体質の方が多く、平均寿命もほかの地方に比べて低めに推移しているという現状を踏まえて少しでも健康にしたいという考えのもと、此度のウイルス感染拡大によって、中止や延期が相次ぐ東北6県のお祭りを軸に彩木エリさんが振り付けを担当しました、という感じの内容になっております。

東北博報堂の制作だそうですが、なんというかあんまりACジャパンらしくはない、最後でハッとするくらいかな。

順番は宮城(青葉まつり)→山形(花笠まつり)→岩手(盛岡さんさ祭り)→秋田(竿燈まつり)→青森(ねぶた祭)→福島(相馬野馬追)というメドレー形式。

テレビと新聞では、振り付けを交えた放送、ラジオはお口で祭りでの掛け声をベースにしたものが中心となっております。

東北大学大学院教育学研究科も監修しているとのことでした。

東日本大震災以降、東北それぞれの県が一つになってさまざまなことを行うケースが増えているなぁという薄い感想を述べて、次に参ります。

まともにはねぶた祭しか拝見してないんですよね、事態が落ち着いて通常通り開催されるときには、それぞれ物見遊山したいものです。

名古屋・想い鶴

いまとなっては依然としてACらしさのCMを制作している電通中部支社は、今年度はとりあえず地元から(来年度はまたどこかで現れるとは思いますけど)

福井市の中学校が最前線で働いている医療従事者に向けて34万3149羽の鶴を折って届けたというエピソードをベースにフジパンのCMでもお馴染みの松下由樹さんがナレーションを担当したという内容となっております。

おもいやること、つながることがとても大切であることを伝えております。

この折り鶴は希望した医療機関に寄贈されたものだとのこと。

福井新聞によりますと、折り鶴の羽数はギネス記録を上回るそうですが、申請には多額の費用が掛かるため申請してないとのことでした。

まあ、それが主たる目的ではないし、したらしたでなんだか醒めてしまいますし。

想定の倍以上の鶴が持ち込まれたということはおおよそ15万羽を想定していたのかな、いずれにしても2020年8月のお話で、その頃はなんとなく来年の今頃は通常の状態に戻ってるんじゃないかなという認識だったからこそ折れたのかもしれませんが、そうじゃないということを突き付けられた今年はまた同じように鶴を折るのか、それともまた異なるアプローチで来るのか、否定的な意見もあったことでしょうから、やめてしまったのか、どうなのでしょうか?

ひとたび注目されると、以後がどうなるかというのは気になってしまいますが、取り上げられた側にとっては、得体の知れぬプレッシャーを感じているに違いありません。

そのこともしっかりと考慮していきたいと思います。

大阪・お金の話はゆ~っくり

関西圏ではたびたびキャンペーンが行われている傾向のある詐欺被害防止の案件、電通関西支社の制作でお届けしております。

わかりやすく、しかもキャッチーに戦場カメラマンの渡部陽一さんが歌っております、ゆ~っくりと。

タイトルにもある通り、「お金の話はゆ~っくり」という部分はしっかりと歌い上げており、急かす時ほど、じっくりと確認してしっかりと検討するように、そして周囲と相談する、お金にまつわる案件は大事なことなので、焦らずに。

そういえば、渡部陽一さんって最近戦場に行ってましたかね?

という疑問が湧いたため、彼のサイトを見たところ、しっかり伺っているようです、ただ現在は海外渡航もままならないために相席食堂などで拝見する機会もあるわけなのですが、情勢が落ち着いたらまた海外に赴くのでしょうか。

中四国・いのちを守る切り札

お待たせいたしました、奈々様です(そういうことではない)

今年も心配が増幅してしまう豪雨が降り注ぎました。

近隣住民との協力なしには、犠牲者を減らし、0人にすることは不可能です。

2018年の西日本豪雨では岡山の真備町を筆頭に様々な場所で被害を及ぼしたというのは記憶に新しいですし、これからも毎年のように大雨特別警報級の災害がやってくることが確実になっていきそうな予感がしてなりませんので、防災を軸にしたキャンペーンは非常にタイムリーなものです。

中四国はここ最近は、地域での近隣住民との交流促進など、そうした「つながり」こそ、大切であることを訴えかけるキャンペーンが多いような気がします。

ここから2年間も、まさにそう。

広告の内容といたしましては、愛媛県大洲市に三善という地区がございまして、その地区では西日本豪雨でもひとりの犠牲者も出すことなく事態を乗り切れたとのこと。

その理由は?

それは、避難ルートや家族、気になっている方が記載されている災害・避難カードを持っていたから。

事前に打ち合わせて持とうと決めたその結果、災害の際にいのちを守る切り札として、役に立ったということです。

平時にも防災訓練を行い、災害・避難カードを持っているかを確かめる様子がCMからもわかります。

ナレーションは、水樹奈々さん。

新居浜のご出身だそうですが、大洲はどのくらい伺ったんだろうか。

そんなことも考えながら聞いておりました。

高松に本社を構える東証2部上場企業、セーラー広告が制作したそうです。

一つ懸念があるとするならば、災害・避難カードが広告に表示されていてるのですが、思いっきりモザイクなく住所と電話番号が記載されているのですけれど、大丈夫でしょうかね?

まあ、そこはしっかりと考慮してるんでしょうけれど、ちょっとひやひやしました。

都市部になればなるほど、近隣との関係は希薄になっていきますから、おんなじことを都市部に流用するのは難しいでしょうな・・・、徹底する方はするけど、そうでない方はぜったいにしないでしょうし。

ただ、いのちをまだまだこれからとお思いの方は身元になるようなものを用意したほうがいいのかもしれません、個人情報の兼ね合いからして障壁はあるかもしれませんが、ほんとの有事にだけ使う切り札として、密かに。

できることならば使いたくはありませんが、なにかあったときに少しでも慌てないようにしていきたいものですね。

九州・被災の声を、日々の備えに。

中四国と同じく防災がテーマ、関西以西ではやっぱり災害多発地域が目立っておりますし、必然的に重点となっていく分野にもなりますかね。

ひとくちに防災・減災と言いましても、誰に言われたらそう行動するようになるのか、一つの答えとして実際に被災された方々の声ではないかという着想を基に熊本地震、九州北部豪雨、令和2年7月豪雨で被災されたみなさまからの声やメッセージを三遊亭小遊三師匠のナレーションで2019・2020年度と同じく、大広九州が手掛けております。

避難所の確認や非常食の備蓄、早めの避難など当たり前と言えば当たり前、でもほんとに災害が起きて避難指示が来た際に冷静にその当たり前を実行できるかと言われれば、そんなに自信がないのも事実。

気づいたときにしっかりと確認していくことが大切なのだろうなとは思ってはいますが、それじゃ慌ててしまいますかね、なんとか努力はしてみます。。

沖縄・おじぃになっても釣りがしたい

少年は、おじぃになっても釣りがしたい。

釣りをしている以上海辺にあるごみを放ってはおけない、少しでも拾って海に漂流せず、海の生き物を守る、沖縄の宝を守るために.

ごみの分別や持ち帰りは基本、ポイっと捨てるのはもちろん言語道断。

そういうことを伝えるCMとなっております。

ナレーションは沖縄で活躍する芸人、ありんくりんのひがりゅうたさん。

アドスタッフ博報堂の制作でお送りしております。

基本中の基本です、でもできてない方、最近増えてきているのかな・・・とは思いました、沖縄県の問題なのかもしれないんでしょうけれど。

そんなことを思いました。

以上で、2021・2022年度の地域キャンペーンを締めくくります。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

あした・の・β<ベータ>

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ここまで読んでいただいてありがとうございます(人''▽`) 間髪入れずに言ってみますか・・・ よろしければ!でもまさかね・・・