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患者さん視点からみたICU その1

こんにちは。プロジェクトメンバーの上田です。

今回は、ICU入室経験のあるTさんから聞いた、患者さん視点からみたICUをお伝えしたいと思います。
思い出すには辛いご経験もある中で、患者視点でも何かお役に立てればと、闘病中の状況や心情まで細かく教えていただきました。

Tさんは、術前と術後ICUで過ごしたそうです。

ICU入室時特に印象にのこっていることは何ですか?――――――――――

術後、目が覚めると拘束されていて、その直後にスタッフが駆け寄ってきました。
そのあとは、とにかく痛みに耐える日々です。長くても2時間しか眠れず、眠れないことの辛さ、睡眠の大切さを実感しました。

痛みで他のことを考える余裕は、あまりありませんでした…

しかし、それと同時に、術前に医師から言われた「もしものことがあったら、痛くないようにするからね。」という言葉を思い出し、痛みがあるということは「成功したんだ!」「生きてる!」と考えていました。

照明や音、空調など気になることはありましたか?―――――――――――

胸に付けている心電図の貼り直しが多く、20代女性ということもあったのか、ブラインドは閉めてくれていることが多かったので、朝・昼・夜が分からなくなることがありました。術後は照明が眩しいなとも思っていました。
空調もしっかり管理されていたので、暖房か冷房か区別がつかず、季節は看護師さんとの会話で把握していました。

隣の病室から、ドラマの音や、演歌、ポニョの音楽が聞こえてきて、あまりにも違うジャンルだったのでクスッとしたことを覚えています。
どんな状況でも、脳と耳はしっかり働いていたなぁ…と思いました。


ICUではどのような思いで過ごしていましたか?――――――――――――

術前は、とにかく「いつ手術が受けられるのか?」「そもそも成功するのか?」を考えていました。長期間、ICUという特殊な環境で過ごすうちに、諦めにも似た覚悟のようなものが生まれていったように思います。

術後は、痛みは激しいものの回復に向けた前向きな日々を過ごしていました。1日のスケジュールやリハビリ内容など具体的に教えてもらえていたのはすごくよかったです。

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患者さんの言葉は、とても重く、胸が締め付けられる思いでした。なかなか当人になって考えることは難しいですが、寄り添い考えることだけはできます。できるだけ多くの患者さんの声を集め、皆さんにお伝えしたいと考えています。

今回のインタビューについては、まだまだお伝えしたい内容があるので次回に続きます。

私たちは、本来あるべきICU環境は患者さんを中心に考えるべきだと、このプロジェクトを立ち上げています。
患者さん、ご家族にとって少しずつでも改善されていくことを目指し、医療者の皆さんと取り組んでいきます。

上田

アスクレピオスは医療環境の未来について、一緒に考え、カタチにしていくラボでもあります。
医療者のみなさんのご協力なければ、医療環境は変えられません。少しでも興味ある方のお問い合わせ、ご意見やご感想お待ちしています。

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