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朝ドラ「ブギウギ」第二週

第二週「笑う門には福来たる」

 ブギウギ #06
 ストーリー
 ついに梅丸歌劇団に入団した鈴子は、そのフレンドリーな性格から大金持ちの白川と仲良くなるが、つっけんどんな桜庭を白川は嫌う。梅丸歌劇団は設立5年目で実績がなく、いまは映画の合間にレビューするだけだがいつか単独公演を目指していた。その花形スターには大和礼子がいた。さっき本番をしたばかりなのに練習を欠かさない彼女を見て白川は、彼女が両親に入団を反対され、学費免除と引き替えに家出同然にここに来たことを教えてくれる。また白川も、乾物屋には芸事など不要という父親に反対されていることを告白するのだった。

 コメント
 風呂屋と乾物屋というのでは、おなじ商売でも儲かり方が違うんでしょうね。卵焼き食べて大感激してる鈴子が可愛い。
 梅丸歌劇団のモットーは宝塚歌劇団とはまったく違っていて、「強く、逞しく、泥臭く、艶やかに」。人に夢を与えるのに、泥臭かったらまずいでしょうが……。さすが大阪地元の歌劇団だわ。
 いつもつんけんしている桜庭が気になります。おなじ団員でも、スターを目指すんだからライバルだから当然かもしれないんですけどねー。鈴子が空気を読んでないだけだという気もしてきた。朝ドラらしいけど。

ブギウギ #07 

 ストーリー
 厳しい梅丸歌劇団の訓練に、六名いた候補生はいまや三人。残ったのは白川、桜庭、そして花田鈴子。いつもドジを踏む白川に、桜庭はイライラをぶつける。鈴子は上司から、桜庭の苦しい家庭事情を聞き同情するが、桜庭は心を開かず白川とささいなことで大ゲンカになる。

 コメント
 貧しい中でも夢を追いかけると言えば聞こえはいいけど、桜庭はまさに背水の陣なのであります。彼女から見ると白川の歌劇団生活は、金持ちの道楽にしか見えないんですね。鈴子は間に立ってやるせない気持ちになっています。こういう場面でのお約束としては、
「ケンカするほど仲がいい」がパターンなので、いずれ桜庭と白川は無二の親友になるにちがいないなどと思うのは勝手な予測かも知れません。

ブギウギ #08
 ストーリー
 ケンカしてばかりの二人は、いつも洗濯物を鈴子に押しつけて帰ってしまう。一人残った鈴子は、居残りで練習している大和礼子を見て話しかける。礼子は、「あなた、なぜ踊るの?」と問いかける。鈴子はオマケで入ってきた梅田歌劇団に恩があり、それを返すのが人情だと気づくが、いきなり練習中に倒れてしまう。

コメント
 いよいよ梅丸歌劇団の単独公演が決まりますが、デビューできるのは三人のうちひとり。ただでさえ険悪な白川と桜庭の仲は最悪に……。デビューを目指す白川の目的は周りを見返すため、桜庭は金儲けのため。そんな中、鈴子は自分の本当の目的を見出します。
 このエピソードで印象的だったのは、鈴子たちのミスでいちばん迷惑をこうむったのはお客さんである、お客さんは一時でも現実を忘れるために劇場に来ているのだと礼子が鈴子に諭すシーンでしょう。その言葉がきっかけになって、現実を越える力を鈴子が手に入れたんだとわたしは解釈しています。小説やエッセイを書く上でも、現実を越えて行く力が必要なのだろうとも思いました。日常は退屈で無味乾燥ですが、その中になにか新しい発見をしていくことが、力になっていくのだと思うと、日ごろの訓練の大切さが身に沁みます。

ブギウギ #09
 ストーリー
 鈴子の病気は、風呂屋に入り浸っているドクターの見立てでは「百日咳」であった。命の危機にさらされているのに、アホのおっちゃんは鈴子と弟の六郎の血がつながっていないなどと言い出す。鈴子はママに、「桃が食べたい」と言いだし、その願いが記憶喪失のゴンベエによって叶えられたとたん、病気が治ってしまう。ドクターいわく、「もしかしたらただの風邪だったかも……」それを聞いた鈴子は、一計を案じる。

 コメント
 厳しい先輩の橘さんによって、鈴子が大事な同期だとさとった白川と桜庭が鈴子を見舞うんですが、その際鈴子は死にそうな顔して二人を仲直りさせようとはかるんです。
 このエピソードで一番わらえるのは、その「ニセ臨終」に動転した桜庭と白川が、必死で仲良しになっていくというシーンですね。それを外から聞いて涙ぐんでるママとパパも人が悪いが、鈴子は輪を掛けて人が悪い(笑)しかし、ウソがばれてしまって三人で風呂に入り、大笑いするのをママが聞きつつ、「笑う門には福来たるやな」というところは、ちょっと感動しました。梅丸愛は誰にも負けないが、白川・桜庭のデビューへの熱意は尊敬する、と率直な鈴子の素直さには、どんなひねくれ者でも心がまっすぐになるでしょう。

 ブギウギ #10
 ストーリー
 ついにデビューする人間の名前がわかる。たったひとりがデビュー可能と言われていた三人組だが、三人ともデビューが決まった。単独公演で三人とも「雨のしずく」役をもらい、鈴子は、ママから福来スズ子の芸名をゲット、初舞台を前に緊張する。大和礼子は彼女に、「なんのために踊るのか?」と再度問いかけ、答えは色々だ、お客さんに現実に立ち向かう力を与えるためでもあると教える。初舞台は大成功を収め、六年後スズ子は一人前のレビューガールになっていた。

 コメント
 現実を忘れさせること、現実に立ち向かう力を与えること。すぐれた芸能には、そんな力があるといいます。たしかにそのとおりですね。マンガでもアニメでも本でも、それに没頭している間は時間を忘れています。しかし日本では、芸能って軽く見られています。湯山先生は、日本では外国ほど芸能に理解がないと嘆いていました。日本では現実の方が大切なんです。きっと、日本に四季があって変化のある現実があるからかもしれません。A

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