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「公立中学校社会科教師」という仕事

こんにちは。
公立中学校で社会科教師をしているアスパラガスtです。
今年で14年目になります。

私の仕事って何なんでしょうか…

「教師」という一言では片づけられません。

小学校でもなく、高校でもなく、大学でもなく

中学校の教師

です。

そして、私学ではなく

公立の教師

です。

さらに細かく言うと、

国語でも、数学でも、英語でも、理科でもなく、
音楽でも、保健体育でも、美術でも、家庭科でも、技術でもなく、

社会科の教師

です。

つまり、僕は

公立中学校社会科の教師

ということになります。

教師10年目を過ぎたあたりから、
自分の仕事の存在価値について
ずっと考えるようになりました。

新任の頃は余裕が無かったので、
そんなことを考えることも無かったですが、
なんとかいろんな経験をさせてもらって、
今ではそんなことを考えられるようになっています。


ということで、この機会に
僕の仕事に向き合ってみたいと思います。

<中学校の教師である僕>

小学校は義務教育の真っただ中。
次の進学先は、公立中学校か私立中学校かという2択。
つまり、進路指導がありません。

中学校は義務教育の最後のステップです。
高校進学が当たり前みたいになっていますが、
別に高校に進まなくても良いわけです。

高校は義務教育ではありません。
極端な言い方ですが、学ぶ・学ばないは
生徒の決断に左右されます。
退学という決断ができるわけです。

こうやって考えると

中学校の教師って本当に大切な仕事だな

と感じます。

だって、
子どもたちにとって絶対に学ばなくてはいけない義務教育であるから。
行かないという手段もなければ、退学という手段もありません。

子どもたちは必ず中学校に行かなくてはいけないんです。

そんな場所の教師なんですから、とても大切な仕事です。


さらに、最も大切だなと感じる部分が、

子どもたちが義務教育という段階を卒業し、自ら進路選択をして自分の人生を切り拓いていく最後の3年間だから

です。

多様な生き方、多様な働き方、多様な学び方がある現代社会。
進学校に進むことだけが、良い進路選択ではありません。
専門学校、通信制学校、就職、留学…
子どもたちのこれからの人生をあげればきりがありません。
どの道が正解かもわかりません。

自分の人生の分岐点となる選択を、子どもたち自身がしていけるように教師が支えていかなくてはいけないんです。

そんな3年間を担う教師なんですから、とっても大切です。

<公立の教師である僕>


公立中学校は地域に密着しています。
アスパラガスtが属している自治体は
中学校区が設定されています。
ですので、
自宅がある場所で、
進学する中学校は
必然的に決められているわけです。

だから、公立の教師はある程度、

地域の歴史とか
そこにある観光施設とか
そこに住んでいる人とか

その他いろいろ地域のことについて知っていたり、つながっていたりしておく必要があるのかなって思っています。

そんなの教師の仕事じゃないって
考える人もいるかもしれませんが、

公立か私立かっていう対立軸で考えた時に、
もちろんお金の問題とかあるんですけど、
公立の価値ってそこじゃないかなって
思うんですよね。

公立中学校って、

「地域密着型」

なんです。

僕は、初任の6年間全然知らない土地で中学校教師として働いていました。
でも、やっぱりその土地を知らないと公立中学校教師としての役割が半減してしまう気がするんです。

だから、とても悩みましたが、最初の転勤で、
自分の自宅がある自治体に異動希望を出しました。
運が良かっただけですが、その希望が叶って、2校目からは自分が住んでいる自治体で仕事をすることができています。

<社会科の教師である僕>

社会科は暗記科目でしょうか?
もうそんな時代は終わっています。
知識の暗記なんて、インターネットの世界で出来ちゃいますから。

反論もあると思います。
「高校受験対応できないじゃん」
とか。
でも、進路に関しても
「進学校進学=良い進路選択」
の時代ではなくなっています。

だから、僕は社会科教師として、
別のことに価値を置くことにしています。

それは、

中学校で学んだことを「新鮮な活きた知識」にすること。

新鮮な魚、新鮮な野菜って

ピチピチで
みずみずしくて
いつでも使える状態

じゃないですか。

僕は、子どもたちに学ばせたことをずっとそんな状態で置いておきたいんです。

授業では、現実世界にあるリアルな課題に向き合わせる時間を、出来るだけ多くとるようにしています。

地理の授業では、観光資源を見つけ出して、それを全国展開する方法を考えさせてみたり…

公民の授業では、1000円を10000円にする方法をリアルに考えさせてみたり…

授業は「これが正解」っていうものはないんですが、
今の僕はこんな機会を多くとることで、
卒業後も役立つ「新鮮な活きた知識」でいてくれる
と信じて実践しています。


ということで、

僕は

「公立中学校社会科」の教師

なんです。

なんでこんなことを考えているかっていうと、
これまで何度も転職を考えました。

異なる業界へ転職する
私学教師に転職する
高校教師に転職する
小学校教師に転職する

いろんな道を深く深く考えましたが、
どれだけ考えても、

公立中学校社会科の教師

に戻ります。

「公立教師の価値×中学校教師の価値×社会科教師の価値」

この組み合わせが、僕には合っているんでしょうね。

定額働かせ放題

など、暗いイメージがどんどんと強くなっている教師の世界。

実際働いていますが、
そんな悪い世界では無いと思ってるんです。

もちろん大変です。
休みもほとんどありません。
だから、働く環境は変わってほしいし、
自分でも変えようと努力しています。

でも、

この仕事に潜んでいる根本的な価値は本当に素晴らしいな

って本気で思います。


「公立中学校社会科の教師」

これが ”#私の仕事” です。







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