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【中学生でも分かるニュース解説!2023/7/27(木)】「ガソリン、10週連続値上がり 原油価格が高止まり 経産省」

今日のニュース

アスパラガスtのニュース解説。
今日は、「ガソリン、10週連続値上がり 原油価格が高止まり 経産省」

について解説します。

今日の復習教材

地理・・・化石燃料
     OPEC(石油輸出国機構)
     日本の原油輸入先のグラフ
公民・・・需要と供給
     為替

<地理の復習>

車が動くガソリンの原料が原油になります。
みなさんも知っての通り、原油はいろいろなものを動かしたり、いろいろなものを作ったりするために、必ず必要になるものです。私たちの生活は原油なしでは成立しません。
この原油ですが、日本ではほとんど採掘されません。
では、どうしているかというと、
原油が大量に採掘される国から輸入しているんですね。
日本は以下のような国から原油を輸入しています。
このグラフ、中学校社会科では超重要グラフなので、必ず覚えておきましょう。

経産省のHPより 原油の輸入先(2019年度) 
経済産業省「資源・エネルギー統計年報」を基に作成

原油などの化石燃料は限りがある資源です。
ですので、原油を輸出する国同士で相談し合いながら、安定的に世界へ供給していく必要があります。
この目的を達成するために組織されたのが、OPEC(石油輸出国機構)です。ある国が突然原油を大安売りしだしたり、逆に、とても高い価格で売り出したりしだすと、輸出する側も輸入する側もとてもやりにくいですよね。
原油を輸出する国々は、ほとんどの国がこの機構に属し、原油の価格などを話し合って、決定しています。

<公民の復習>

日本は原油のほとんどを輸入に頼っています。
この輸出入に大きく影響を与えるのが「需要と供給の関係」「為替の動き」です。
ここからは少し難しいですが、出来るだけ簡単に解説しますね。

~原油の需要と供給の関係~

私たちが原油を欲しいという気持ちはいつもあります。
だって、原油がなければ私たちの生活は成り立ちませんから。
さらに、夏休みなどになると原油が欲しい人が増えます。
旅行などで車を使う人が多くなるからです。車にはガソリンが必須ですからね。
このように、私たちが原油を欲しいと思う量を「需要量」と言います。

それに対して、原油自体はどうなっているんでしょうか。
このままのペースで原油を使い切ってしまうと、あと50年ほどで世界の原油は無くなってしまうと言われています。
その対策のために、現代は様々な新エネルギーの開発が行われています。
いずれにしても、原油自体の全体量は減少していくということです。
これを言い換えると、「供給量」が減少していくということになります。
日本の場合は、もともと原油がない国なので、供給量は国際関係に左右されます。
たとえば、上のグラフの2019年時点では、ロシアから原油を4.8%輸入していますが、現在はロシアのウクライナ侵攻の影響もあり、ロシアとは関係が持ちにくい状態です。そうなると、4.8%分の供給量が減少することになりますよね。

原油の需要と供給に関して一言でまとめると、

需要量は多くなっているにも関わらず、供給量は減少しているということになります。(需要量より供給量が少ないグラフの下側の状態)

ベネッセ教育情報HPより

こうなると値段は上がっていきます。
原油が少なくなっているということは、日本にとって原油は希少で高価なものになりますからね。

~為替の動き~

もう一つ、輸出入に大きく影響するものがあります。
それが「為替」と呼ばれるものです。
為替とは、外国の通貨と日本の通貨の両替のことです。

 円高 ➡ 円の価値が高い
 円安 ➡ 円の価値が低い

  1㌦=80円 ➡ 1㌦をたった80円で交換できる。円の価値が高い=円高
1㌦=120円 ➡ 1㌦を120円もかけて交換する。  円の価値が低い=円安 

といった感じです。

例えばアメリカの原油を輸入する時は、
アメリカはドルなわけですから、日本の輸入会社はドルでアメリカの会社に原油代金を支払うことになります。

100㌦分の原油を輸入すると仮定すると、

1㌦=  80円の時(円高) ➡   8000円の支払い
1㌦=120円の時(円安) ➡ 12000円の支払い

同じ100㌦分という量なのに、為替の動きで支払いが4000円も変わってしまいます。
つまり、輸入に関しては、円高の方が商売しやすいんですよね。

ちなみに、現在は、

1㌦=140円(円安)

と、円安の状況が続いています。
輸入するのに多くのお金を支払わなくてはいけないわけですから、
その分、価格を上げないと商売できませんよね。

原油価格の高騰

さて、ここまで解説すると、原油価格の高騰のニュースについて
みなさんは深く考えられるようになっています。

記事によると、

経済産業省が26日発表したレギュラーガソリン1リットル当たりの店頭小売価格(24日時点)は、全国平均で前週比80銭高の174円80銭で、10週連続の値上がりです。

この原油価格の高騰には、いろいろな背景があります。
原油がない日本にとっては、貿易をしてくる国際関係も重要であるし、経済的な面でみると為替の動きなどにも敏感になっておかないといけないんですね。

まとめ

アスパラガスtも先日ガソリンをいれましたが、1リットル177円でした。
「高いな…」
と思いながらも、車は絶対に使いますのでガソリンをいれました。

今日は触れていませんが、このガソリンに関しては、価格が上がりすぎないように政府が税金を使って補助を出したりしています。

先日、岸田首相はサウジアラビアなどエネルギー資源輸入国を訪問し、これからのエネルギーについて話し合いをしていました。

こうやって日本の政府もエネルギーに関しては真剣に考えて、動いているんですね。

1つのニュースを違うニュースへとつなげていくこのような考え方が出来ると視野が広がっていきますよ。 

さて、今日は「ガソリンの高騰」について考えていきました。
ガソリンの高騰の背景には、国際関係や経済のしくみが関わっているんですね。
みなさんはその基礎を中学校の社会科授業で学んでいます。

地理・・・化石燃料
     OPEC(石油輸出国機構)
     日本の原油輸入先のグラフ
公民・・・需要と供給
     為替

みんなが学んでいることは、実際の社会とつながっています。

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