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好きなドラマが次々と終わる

フランスのドラマ「アストリッドとラファエル4」が終わってしまったので日曜の夜が淋しくなった。
字幕版は、昨秋に一足早く全部録画して見ていたのだが、文字数に限りのある字幕とはニュアンスの異なる感覚もある。
字幕も吹替もどちらも好きだ。
一部で賛否のあった貫地谷しほりのアストリッドは、私には違和感がない。
人気映画などで、ろくに経験のない下手くそなタレントを知名度だけで起用するのはやめてほしいと思っているけれども。

小説や漫画のドラマ化では、最初に刷り込まれた原作が自分の基準となって映像に違和感を抱くことが多い。
字幕と吹替も似たように対比されることもあるが、このドラマに限っては私は両方受け入れて楽しんだ。
だから、シーズンの終わりは知っていたのだけれど、それでもあらためて「えー、ここで終わるの?」と思ってしまった。
アストリッドもラファエルも、どうするのよ。

すでにシーズン5の撮影は始まっていると聞いた。
フランスで放映されるのは秋くらいだとしたら、妊娠と遠距離恋愛の行方を私が知るのは来年になるのだろう。

このドラマを、事件ものとして楽しんだのは最初のシーズンだけ。
これは、私の好きな「自分が変わっていき、それにともなって意図せず人を変えていく物語」だ。
二人の女性の関係性はもちろんのこと、アストリッドと社会力向上クラブの仲間たち、フルニエ医師、ニコラなど警察署の人との関係性。

事件ものとしては、回を重ねるごとに展開が不自然だったり、やたらオカルトっぽくてリアリティに欠けるようになっていて「ネタ切れなのか」と思うけれども、登場人物たちの私生活や人間関係の変化への興味がそれをしのぐ。

テツオとの恋や、腹違いの弟との出会いと別れはドラマチックだが、それ以外の日常のちょっとした言葉やまなざし、ふるまい(ストーリー上はどうでもいいような)も、以前のアストリッドならけしてしなかった(できなかった)と感じて、静かに感動する。
人って大人になっても変われるのよなと思って、希望になる。

「厨房のありす」は2回目の途中で離脱。
門脇麦ちゃんも、サラ・モーテンセンに負けないほど演技力があると思うのだけれど、設定や脚本で逆作用となることもあるような気がする。
きっと、ありすも変わり、周囲を変え、関係性も変化したと想像するが、見続けられなかったことがもったいないかどうかはわからないままだ。

今季、一番楽しみにし、期待を裏切られなかったのは「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか」と「お別れホスピタル」が同率1位となりそうだ。
どちらも関係性とその変化の描写が際立っている。

「光る君へ」への傾倒は突出しているが、「ブギウギ」への興味は最近下降気味。

次の日曜23時のNHKドラマは「なぜエヴァンズに頼まなかったか」。
こちらも、BSですでに視聴済み。
しかし、私は犯人やトリックがわかっているミステリーも結構繰り返し見る。
すべてがわかっていて「またやるなら見たい」と思うか「もう見たからいい」と思うかが、私にとってのいいドラマの分かれ目。

「あなたの心の中に 傷ひとつも残せなくて 愛と呼べるはずもない」
と歌ったのは、野口五郎。
ドラマの主題歌だったが、そのドラマ自体は記憶にない。
「不適切にもほどがある」の 阿部サダヲもきっと歌える。

変わろうとか変えたいとかは思わないけれど、傷つくことを恐れて愛を遠ざけたことは一度もない。

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