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シチリアの旅③ ~ラグーザ ドゥオモ・リストランテ編 ~

ノートで朝食をとった後、昼食はラグーザに移動してミシュラン2つ星レストランを予約していました。
シチリアの交通機関はあまりあてにならないという情報が、事前に仕事の同僚から入っていたので心配していたのですが、15分遅れてノート発ラグーザ行の電車がちゃんとやってきました。

約1時間くらいでラグーザ到着

ラグーザの街は複雑な構造になっています。
駅に着いた後、しばらく歩くとまず大きな谷と長い橋が見えてきます。
そこを渡って中心街へと向かうのですが、この街は険しい山の斜面に作られているので、「上の街」と「下の街」に分かれています。
「下の街」はイブラ地区と呼ばれ、昔からの古い街並みが残ります。
「上の街」は1639年の大地震で壊滅的被害を受けたラグーザが新しく再建したものです。

主要道路は全て坂道
イブラ地区

ドゥオモ・リストランテは「下の街」にあります。
しかし「上の街」から「下の街」へ行くのに、長い階段と迷路のような狭い路地が続き、予約時間ギリギリになってしまいました。
予約時間を念のため、かなり遅らせておいて本当に良かったです。

長い階段
旧市街のドゥオモが見えた。もうすぐ。
到着

オーナーシェフのチッチョ・スルターノは、シチリアでは2件しかないミシュラン2つ星を長年維持し、2020年にはガンベロロッソでお店がイタリア年間最優秀レストランにも選ばれた実力派。
今回は非常にコスパの良いランチコースを選びました。

お店の中はモダンな雰囲気で、少し暗めの大人な雰囲気。接客も含めてとてもきっちりしたレストランです。
ランチコースは小さな前菜・パスタ・メイン・小さなドルチェの4品と2種類のワインペアリング。
僕はそこに乾杯のスプマンテとドルチェを追加しました。
コースには他にパンが2種類、グリッシーニ2種類、ジェラートもついて100€弱なので、このクオリティにしてはかなりお得に感じます。

カリッカンテ100%
ミネラル感の強い辛口のスパークリングで、熱い夏の導入にはベスト。

前菜の一品目はオリーブの実の中にブロンテ産のピスタチオのペーストを詰めたものです。食べると中にカリッとした種のようなものが入っており、実はこれはインゲン豆のクロッカンテで、オリーブの種を真似て作られ、食べてもいい種として表現したものでした。オリーブの葉を真似たサルビアも味のアクセントになります。

二品目は小さなパンのクッションの上にレモンとカラスミを乗せたものです。一口ですが上質で濃いカラスミの味と、レモンの酸味が口のなかで混ざり合い、とても後味の良い美味しさでした。

カリッカンテ80%、カタラット20%
カターニャで美味しいエトナ・ビアンコが飲めなかったので感謝!
パスタ

パスタはバジルなどのハーブを練りこんだスパゲットーニにマグロのカラスミと生マグロのスライスを乗せて、レモンの皮を削り、後からカメリエーレが人参のソースを注ぎに来ます。
温度は熱すぎないティエピドでした。
最初は「人参?」と思ったのですが、カラスミと人参の相性がよくてビックリ。どの素材同士も違和感がなく美味しい組みあわせでした。

キアラモンテ・グルフィのネーロ・ダーヴォラ
お肉にぴったり。かなり美味しい。
メインの前に出てきたシチリア産トリュフのジェラート
夏トリュフなのに結構香りがよい
メイン

メインはシチリアが誇るネブロディ黒豚のローストでした。
しつこい脂っぽさは一切無く、味が濃くて、それでいてこんなに上品な豚は食べたことがありません。
食べ物ではありませんが、映画の「紅の豚」を思い出しました。(笑)
コントルノもソースも茄子だけで構成されており、飾りすぎない一皿に哲学を感じます。

ドルチェ

ドルチェも料理に全然負けないくらいめちゃくちゃ美味しかったです。
「カフェ・シチリア」でカンノーリを食べれなかったので、ここでたまたま出てきて嬉しい限り。
右にピスタチオのジェラート。
ソースは気になっていたフィーコディンディアです。(サボテンの実・シチリアの至るところに生えている。写真下)

フィーコディンディア

最後はgersi(桑の実)のソルベとチョコレート菓子、カフェで締めました。

イタリアでの高級店にあまり期待はしていませんでしたが、ここは本当に美味しかったです。僕の好みでもあったからかもしれません。
奇をてらった料理はなく、シチリアの食材の良さを十二分に堪能できました。
想像力も掻き立てられる本当に素晴らしいお店だと思います。

この後軽く酔った状態で、長い階段と迷路と急な坂を上って、「上の街」にある宿に何とか着いたので、バタンキューでした。
携帯の電池も0%になりました。
ラグーザの徒歩移動は体力があって、心臓の強い方だけにお勧めします
もう少し、イブラ地区を散策してみたい気持ちもありましたが、行く気になりませんでした。(きっとバス移動もできると思います。)
世界遺産に登録されている街で、バロック建築の建物も綺麗ですし、今回のシチリア旅行で一番印象に残った街かもしれません。

明日は朝からヴィットリア、午後はキアラモンテ・グルフィに向かいます。

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