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白黒はっきりつける人の性格

「敵か味方か」「勝ちか負けか」「損か特か」「成功か失敗か」「白か黒か」といったものごとの見方を二分法と言います。「文系か理系か」というのもそうですし,「男性か女性か」というのもそうです。もっと他の表現で言うと,「結局それは何?」という言い方も,この考え方につながるものではないでしょうか。

そもそも,私たちは二分法が好きです。私たちは曖昧な状態を好みませんし,何かが中途半端な状態にあることはすっきりしません。よくわからないものを見ると,「結局何?」と感じてしまうものです。そして,たとえその回答が間違っていたり荒唐無稽なものだったとしても,「それはこうだ」と言われると気分が良くなります。

ところが,現実の世界はそれほどはっきりと区別されているわけではありません。

何でも相対化すれば良いというものでもないのですが,常にその可能性は残しておきたいものです。「結局は……」という言い回しをし出した時には,要注意です。

白黒つける人の性格

こういった,白黒つける人には何か特徴があるのでしょうか。どのようなパーソナリティに関連するのでしょう。

なんとなく白黒つけやすい人というのは,他の人を断定的に見るんじゃないかという予想がされます。すぐに「敵か味方か」「良い人なのか悪い人なのか」という観点で他の人を判断してしまうのではないかな,という印象です。

なんとなく,冷たい人物像が思い浮かびます。

二分法とパーソナリティ

というわけで,そもそも白黒はっきりつけるような考え方がどのようなパーソナリティ特性に関連するのかという問題を扱った論文がありますので,それを紹介したいと思います。この論文です(Dichotomous Thinking and Personality Traits: From the Viewpoints of the Big Five and HEXACO)。

調査対象者は221名の日本の大学生です。そのうち女性が181名と多く,平均年齢はだいたい20歳でした。

この研究では,ビッグ・ファイブ・パーソナリティとHEXACOモデルの両方のパーソナリティモデルを使っています。HEXACOモデルというのは,ビッグ・ファイブ・パーソナリティに1つの特性を追加(H因子:正直さ・謙虚さ)を加えたような形になっているパーソナリティモデルです。以前は,ビッグ・ファイブ・パーソナリティに置き換わるモデルになるとも言われていた時期があるのですが,最近では両方が併存しています。

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