政治家の政党への所属感は誠実な政治につながるか
政治家というのは身近でありながら,なかなかよくわからない側面も多い職業かもしれません。政治というのはダークなイメージも付きまといますし,政党や会派などグループに属している場合も多く,それがまた独特のイメージをもたらします。
集団
集団的ナルシシズム(自己愛)というのは,自分が所属するグループは例外的で特別扱いされるべきだ,そのような特権があるという信念のことを指します。
集団に対しては,もう一つ似たようなものがあって,集団アイデンティティと呼ばれます。こちらは,ある集団の一員であるということに由来する自己概念であり,集団に所属していることを好ましく,肯定的に感じることを指します。
政治家の皆さんが,自分が所属する政党のことをどう考えるのか,また所属することでどう感じているのか,さらにはその感覚が実際の政治活動とどのように関わっていくのかというのは,興味深いところではないでしょうか。
政治活動
今回は,実際に政治家を対象とした調査を行った,アイスランドの研究を見ていきましょう。
この研究では,政党に所属することでのアイデンティティ,ナルシシズム,そして3つの活動に焦点を当てています。
まずは政治スキルです。これは,政治活動の中で自分の目標を達成するのうりょくや技術のことです。
次に誠実さです。オープンで正直にコミュニケーションを行い,秘密や欺瞞を避けようとする態度です。
そして,正統派の献身度です。これは,他の政党に移りたいと思うか,また実際に映る行動をするかどうかを指します。
これらの関連を,実際に政治家に対して調査をするというのは,なかなか珍しい研究です。どのような結果が得られたのでしょうか。では,こちらの論文を見てみましょう(Party people: Differentiating the associations of partisan identification and partisan narcissism with political skill, integrity, and party dedication)
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