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アトピーと日光浴〜紫外線を毎日浴びたアトピー患者の記録〜

「アトピーは紫外線なんか絶対ダメ!」
「日光浴をしたらアトピーが良くなった」

このように意見が分かれています。しかし、医学的にも一般的にもおそらく「アトピーは紫外線が大敵」というのがポピュラーなのではないでしょうか。事実、紫外線を浴びたら汗をかいてアトピーが悪化する人はたくさんいます。特に「夏の日差しなんかアトピーの人は絶対にNG」というのは耳慣れた言葉です。

しかし、私は紫外線を浴び続けました。しかも真夏です。あえて「絶対ダメ」ということを自己判断でやり続けました。そしてアトピーの劇的な改善に成功しました。もちろん日光浴だけが要因ではありませんが、日光浴がアトピー改善の重要すぎる要素であったことは絶対的な事実です。

そのことについて書いていきます。これはあくまで私の体験記です。もちろん推奨するものではありません。その上で読んでいただけたら嬉しいです。

紫外線で肌がツルツルに

熱中症、皮膚癌、紫外線によるシミ…夏の照りつける日差しは百害あって一利なし、そんなイメージかとおもいます。そしておそらく医学的にはそれは正解です。

けれど私は太陽の殺菌力、ビタミンDの生成、免疫力、そして何よりセロトニンを十分に摂取することによる心の安定を求めました。昔の人がそのさらに昔の人から受け継いできた「日光浴」の力を信じたのです。非科学的だな、医学的根拠なし、と冷笑されたことでしょう。それでもいいのです。なぜならアトピーは医学的になにも解明されていないのですから。自分なりに試行錯誤をする、試行錯誤の先に自分の体質に合った治療方法がある、それこそが確立されていない医学の基本だとおもったからです。

毎日、毎日、近くの河川敷に足を運びました。しかも最も暑い時間、「熱中症に注意しましょう」と散々呼びかけている14時にです。14時から15時までの1時間、私は肌に日差しを浴び続けました。

人がいない場所を選び、思い切って上半身裸になる。とても人には見せられない上半身。短パンで膝から下の肌も剥き出しに。青い空と風で揺れる木々、そこにある色は青と緑だけ。

こんな世界、久しぶりでした。
ずっと閉じこもっていたから。

直射日光が容赦無くボロボロの皮膚を照りつける。傷や赤みのある箇所に汗が滲みる。汗は塩。つまり文字通り「傷口に塩を塗られる」状態となる。耐え難い苦痛が体を駆け巡ります。部屋の中にいたら発狂していたことでしょう。しかしここでは耐えることができたのです。青い空と緑の木々が私を落ち着かせてくれたのです。

涙が出てきました。涙が止まりませんでした。

水筒に入っていた1リットルのポカリスエットをすべて飲み干し、大量の汗をかき、私は帰りました。すぐに水のシャワーを浴びたい、体を擦りたい…ソンビのように家路につきました。確かに苦しかった。しかしそれ以上に異様な肌の再生を感じました。

アトピーの素である皮膚の内外にはびこる雑菌をすべて滅してくれたような気がしたのです。そして何より…ずっと青い空と緑の木々を見つめていたことにより、自然と何度も腸腰筋を使った深呼吸を繰り返していました。そのことで心が安定していったのです。

部屋の中でもがき叫ぶ私はそこにはいませんでした。

近年、アトピーと日光浴、紫外線の関係が見直されています。緻密に計算された適量の紫外線は皮膚の改善につながる、という考えが少しずつ浸透しています。紫外線療法を取り入れている皮膚科も少なくはありません。

つまり、日々の研究や報告で昨日までの「アトピーの常識」などコロっと変わってしまうということです。昨日までは「医学的には間違い」だったことが今日には「研究で分かり…見直され…医学的に効果があることがわかった」と常識が一瞬で変わってしまうのです。

それがアトピー性皮膚炎という難病の現在地です。

だから私は今現在「絶対にダメだ」と言われている14時という危険な時間に紫外線を浴び続けることに抵抗はありませんでした。16時から日光浴をしても中途半端にジトッと汗をかき肌がむず痒くなるだけだという「自分だけしかわからない皮膚の状態」文字通り肌感覚を自分で判断したのです。

そして私の皮膚は蘇りました。艶々の、見たことのない、張りのある肌になりました。もちろん日焼けしたのでシミになるでしょう、色素沈着もするでしょう、もしかしたら皮膚癌にもなるかもしれません。けれど私は、私はただ…

私はただ痒みなくぐっすり眠りたいだけなのです。
今はぐっすり眠れています。

幸せです。当たり前のことが幸せすぎるのです。

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