フードコラムの読み解き方
世代や性別、雑誌のカテゴリーを問わず共通して存在するのが「フードコラム」。
巻末近くのコラムものを読み飛ばしてしまう方も多いと思うんだけど、私は無下にすることはできず、適宜噛み締めながら読んでしまいます。
今回は、ひっそりと生息しているフードコラムをかき集めて、まとめてみました。
出合えるのは、料理本と異なる自由な表現。
フードコラムの良さは、力んでいない自由なところ。
食の表現はもともとは多種多様なものだけど、ある程度「伝わりやすい」ルーティーン的なものが成立してくると、企画や演出がマンネリ化してくるのも事実。
その点で雑誌のフードコラムは、自由で遊びのある形容詞を使ってくれる。教えてくれる先生も、お店や食材も新しくて好きだったりします。
同時に雑誌ターゲットのフードに対する受け取り方や許容度、編集長のグルメ趣味(編集長って会社のお金で美味しいもの食べまくってそうだから)が透けて見えるようで楽しい。
機会があればぜひ読んで見てほしい。WEBでも紹介している記事もいくつかあったので、載せておきます。
▶︎GINZA/小さな料理 大きな味
7年ぶりのリニューアルした「GINZA」は、フードコラムが充実していて、地味に感動してしまった。
忙しい日々でも簡単でおいしいレシピを、平松さんが教えてくれる。さすが平松さんなんだけど、ピーマンの塩炒めとか、絶対に写真映えしない一品。着飾るファッションマガジンの引き算も感じさせてくれました。
でもさ、きっと平成生まれの人々は、平松洋子さんのこと知らないんだろうなぁ。凄みをしらない人のコラム、読んでくれるのだろうか。
WEB限定の「枯れ飯レシピ」も最高。
枯れ飯というぐらいだから、カラフルでもない滋味深い料理が並びます。
見た目を優先せず美味しいものを伝えたい、料理家の気持ちが端的に伝わってくる。
レシピもパラパラで見せてくれて。うん、レシピってこういう感じでいいよねって思う。お願いだから一回読んでいただきたい。
▶︎SPUR/美味しいひと皿、あります
こちらはファッションカルチャーらしく、魅せたいお皿起点で長尾先生が料理を教えてくれている。
レシピは、タイのひき肉炒めレタスのせや、新じゃがのガレットなど。
手慣れた手つきじゃなくても、気軽に作りたくなるレシピを選んでくれている。
▶︎メンズジョーカー/グルメンズジョーカー
なかなか有益な情報といえば、こちらの連載。予約殺到店の男メシ(チャーハンなどのがっつり系メニュー)のレシピとお店を紹介してくれるコラム。
男たるもの、ここぞと言う時に料理ぐらい作れなきゃ!の気風らしくて、見ていて心地よいです。
▶︎& Premium/揚物クラブ月報・手土産のネタ帖
これぞカルチャー誌のフードコラム!
遠藤一樹さんが各地の揚物をお値段ふくめて紹介する揚物クラブと、
p(ぴい)さんの手土産ネタ帖。今半のメンチカツを教えてくれたり、読んだ瞬間から、ちょっとフーディーな気分になれる。
両方とも、本当に小さいコラム欄。探してみてください。
独特の愛着もわきます(私だけかな、しっかり読んでいるのは?的な)。
▶︎JJ/#JJ週末グルメ部
当たり前だけど、20代のコラムは、だいたいが外食の紹介。いわゆるインスタ映えのフードを教えてくれている。
大学・会社員駆け出しでこんな高価なものを…と思ってしまうが、週末グルメなら良いのかも。
▶︎CREA/今月のおいしいもの よかったら、行ってみて
文藝春刊行のカルチャー誌「CREA」。おとりよせ特集とか人気ですよね。ゴージャスとは異なる、品の良さが滲み出す雑誌(お店で言うと、フルーツパーラーなイメージ)のフードコラムは、複数のリコメンダーが気になるお店を紹介するスタイル。
フォーリンデブさんはっしーさんや小宮山雄飛さん、渡辺P紀子さんが回している。
▶︎GINGER/BEAUTY FOOD
ファッション誌としてわかりやすく、美容系レシピを紹介。
登場食材が地味で(しらたきなど)、雑誌とのギャップがまた可愛い。
https://gingerweb.jp/lifestyle/slug-n0b89a83715f1
▶︎HERS/岸本恵理子の世界一幸せな出張料理
50代女性のファッション誌のHERS。
円熟した女性へのフードコラムもまた、かなり玄人めで美しい。出張料理人の岸本さんが料理にまつわる仕事人の自宅で、世界各地の料理をふるまう。
きっとこの連載もいつか書籍化してくれるだろうけど、いつもワクワクしながら読んでしまう。岸本さんのセンスの良さと、料理人×食関係者が交わすトピックも浅くなくて良い。
これまで様々な料理本やエッセイを読んできた可能性があるターゲットも、きっと肩透かしにはあっていないだろう。
私も死ぬまでに一度、出張してもらえるように頑張るゾ。
以上、私の日常茶飯メモでした。
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