見出し画像

『24時間営業』とは何か?~その基準と落としどころ~

 日経電子版の記事【セブン、時短営業を実験 FC店の24時間見直し探る】は、人手不足による24時間営業見直しの動きが、ついにセブンイレブンにまで及んできた事をリポートしています。見直しの実験には相当の日数を要するようですが、業界トップの動向は、営業時間に関する新たなスタンダード形成の契機となるのでしょうか?

 

 改めて考えると、24時間営業とは一体何なのでしょうか?特殊なケースを除いて、24時間営業問題は、イコール深夜営業問題である、と言えそうです。ならば、深夜とは何か?何時から何時までの事でしょう?

 記事では、「営業時間を午前7時~午後11時までに短縮する」実験とありますが、仮に、『深夜=午後11時~午前7時』とすると、率直に言って、ユーザーにとってはかなり厳しい、と感じられます。残業や飲み会で終電ギリギリで最寄り駅まで帰って来た時に、夜食を買おうと思ってもアウトです。逆に、早朝便で遠隔地に出張する時など、朝7時開店ではちょっと遅すぎますね。

 立地によってかなり変わってくると思われますが、コンビニのような文字通り『コンビニエンス』の要求される業態では、最寄り駅の始発電車の『発車時間』と最後に到着する電車の『到着時間』が一つの基準になる、と考えるべきではないでしょうか?いくら人手不足であっても、この基準まで割り込むことは、コンビニとして許されることではなさそうです。そこまで営業時間を絞り込んでは、ユーザーへの影響が大きすぎて、もはやコンビニとは言えないのではないでしょうか。その部分は、デジタル化などあらゆる施策でもってカバーすべきだと思います。


 このように、仮にコンビニの営業時間の一つの基準として『最寄り駅始発‐終着時間』を取ると、例えば始発が5時で終着が1時と仮定すると、そこからの徒歩時間と買い物時間などを加味して、『深夜閉店タイム=2時~4時』といったところでしょうか……。これでは、実質閉店時間2時間で、あまり意味はないのだろうか?それともこの2時間が大きいのか?

 朝の買い物は「すいません、移動途中、行った先でお願いします」とするなら、例えば『深夜閉店タイム=2時~7時』という数字がギリギリでしょうか?これなら、実質5時間店を閉めている事になり、人手不足対策として実効性がありそうです。


 24時間営業を止めるとなると、どうしても一部の人には不便が出る事は避けられません。夜間が活動の時間である夜型の生活パターンの人にとっては、残念な状況になりそうです。24時間営業をどこまで絞り込むのか、個々の店舗の立地・与件と相談しながらの、ぎりぎりの決断が迫られています

 もちろん、デジタル化による無人店舗化という最終手段もありますが、深夜の無人店舗、怖くないですか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?