創造するAIとの共生

 この記事「人の限界超える 設計はコンピューターに任せる時代」は、AIの活用が、人間の定型的な作業のみならず、創造的な作業にまで確実に拡大してきている事を改めて認識させてくれます。初めに、コンピュテーショナルデザインとは何なのか、この記事などから整理してみると――

●設計(デザイン)の作業面をコンピューターに任せる(図面描きなど)=コンピュータライズ(CADなど)●設計(デザイン)の創造面をコンピューターに任せる(デザインの創造など)=コンピュテーショナルデザイン(AI) 【仕様(コンセプト)】・・・相反する複数の要件が含まれる。     ⇓ 【コンピューター】・・・何通りもの検討案を生成し、シミュレーションして最適案を提示。     ⇓                          ⇑ 【設計者(デザイナー)】最適案を評価して設計案として【採用】するか【再検討】(洗練する事)を指示。                         ⇓                       【設計案】 (註)シミュレーション=仕様通りの機能・性能を得られるか検証すること。

このようなコンピュテーショナルデザインの主な特性は――

①人間では追いつかない何十通りもの検討案を生成できる。②シミュレーションすることで最初から要件をクリアした案を提示できる。

つまり、コンピュテーショナルデザインは、『短時間で思いがけない・見過ごしたかも知れないアイデア』を設計してくれる可能性を秘めているのです。この特性は、コモディティ化のスピードが加速して、モノ(製品)にコト(サービス)を融合させることが要求される第4次産業革命の時代に、まさにピッタリの、うってつけの特性と考えられます。一つには、開発競争に打ち勝つために、コンピュテーショナルデザインのスピード感が必要です。二つには、複雑化・高度化するサービスを実現するためのモノ(装置)を開発するために、コンピュテーショナルデザインの生み出す斬新なアイデアの助けが必要です。

このように、コンピュテーショナルデザインは、否応なく、これからのIoT時代において産業にとってますます必要なテクノロジーとなっていく事が予測されます。問題は、そうした時代に、設計者(デザイナー)は何をなすのか、という点です。相反する要件をクリアするデザインを知恵を絞って創造するのが、今までの設計者(デザイナー)の一番喜びを感じる部分、設計の醍醐味であったなら、これからはどうなのか?一つ確かなことは、どんなにコンピュテーショナルデザインが進化しようとも、産業のあらゆる領域で全てがAIに丸投げされるような事態にはならず、AIと人間のコラボレーションの形を模索する時代が来るのではないかという事です。設計のコンセプトをアルゴリズムにして、そのプログラムをコンピューターに実装することから始まり、AIと設計者(デザイナー)がコミュニケーションを取りながら次々と斬新なアイデアを生み出していく、そんなポジティブな未来を想像したいと思います。

デザインに携わっている友人にこの話をした時、彼女がもらした一言がとても印象に残っています――

「デザイナーは、自分のあり方をリデザインする必要がある、ってことね……」

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28731010Z20C18A3000000/

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