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『非日常』でオーバーツーリズムを乗り越える

 日経電子版の記事【京都観光が過熱 共生への知恵 IT活用や混雑分散】や【歴史建築 ホテルに変身 愛媛の城や京都の古民家】を読むと、オーバーツーリズム(観光公害)の最大の要因である『混雑』を克服するには、観光資源をより多角的に深掘りして『非日常』体験を演出する施策の優位性が見えてきます。



 そもそも、観光客の増大による『混雑』などに起因する移動のストレス、接触事故などの交通安全のリスク、閑静な雰囲気などの毀損、様々なマナーの問題、等々の『オーバーツーリズム』の課題は、観光地という名の生活圏に住む『住民』と観光スポットを訪れる『観光客』の双方にとっての共通課題です。

 これを乗り越えるには、『混雑』に真っ向から正攻法で挑む、交通機関の増便や、マナーのプッシュ通知、外国語に堪能な巡視員の配置などの施策も必要かも知れませんが、そうではなく、『混雑』を搦め手から攻めて、そもそもの観光スポットを地理的にも時間的にも多角化する『分散観光』に活路があるのではないでしょうか。

 観光体験をより深く心に残るものにするには、一極集中の『観光資源』ではなく、その観光地周辺も含めた地域全体に根付いた多彩で奥の深い『文化』・『自然』を、『非日常』の体験として紹介することが何よりも大切であると考えられるからです。

▶観光における『非日常』体験の例

(1)『自転車観光』・・・移動のストレスなく、空気感を満喫しながら、
           自分のペースでじっくりと地域を見て回れる。

(2)『トレッキング』・・・その地域の文化を培った自然を味わいながら、
            観光地間を移動できる。

(3)『時間帯の分散プラン』・・・お城での朝食プランや、ナイト
               プログラムなど。

(4)『異空間での宿泊』・・・古民家への宿泊、天守閣などの城泊、
             寺泊など。



 深く心に刻まれ、印象に残る『非日常』の観光体験は、ありきたりな一極集中のもたらすオーバーツーリズムから脱却し、より多角的で深掘りした体験へと分散していく、と考えられます。


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