見出し画像

これはD2Cのお手本かも知れない

 日経電子版の記事【6期連続で売上高減 転機はユーザーとの対話だった
スノーピーク「楽しいまま! 」成長を続ける経営】は、ユーザーと社員が本音で語るイベント「スノーピークウェイ」を通して経営改革が進んだ、というリポートです。



 この記事を読んで真っ先に思い浮かべたのは、①SNSなどを通じて消費者とコ・クリエーション(価値共創)しながら、②自社で企画・製造(ファブレスも)したプロダクトを、③中間流通をなくした自社サイトなどで直販する(販売価格を抑えられる)『D2C(ダイレクト・ツー・コンシューマー)』です。

 ユーザーと社員が本音で語るイベント「スノーピークウェイ」という場は、キャンプという非日常の場で、ユーザーと社員が立場を超えて交流する、もはやフィードバックというレベルを超越したコ・クリエーションの場であると考えられます。それを生かした商品開発、中間流通の排除、流通マージンを抑えたリーズナブルな直販体制は、まさに『D2C』のお手本のようです。



 そもそも、消費者一人ひとりが各々の体験価値を追求するコト消費の時代に、細分化されるスモールマスな市場を見極め、ユーザーのインサイトに肉薄したイノベーティブなプロダクトを作ろうとすれば、それは、プロダクトアウトなモノの売りっ放しであろうはずはなく、プロダクトの入口である消費者のインサイトと、出口であるフィードバックにおいて、『消費者との密接な関係性のあるエコシステム』=『コ・クリエーションのエコシステム』が不可欠である、と考えられます。「スノーピークウェイ」とは、まさにそのエコシステムではないでしょうか。

 このことは、消費者の側から見れば、3Dプリンティングなどのテクノロジーの進化によって出来る事の幅が広がりつつあるカスタマイゼーションや、消費者自らが積極的にプロダクトの開発に関与するコ・クリエーションなどに現れた消費者の『プロシューマー(生産消費者)』化の潮流とも符合しています。

 自社のビジネスモデルを『D2C』にメタモルフォーゼ(変身)させることは、コト消費の時代、プロシューマー化の時代の一つのソリューションである、と言えそうです。



(追記:スノーピークとプロシューマーの関係については、下記でも考察しています。)



#COMEMO #NIKKEI

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?