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"昭和レトロ"な喫茶ボタン

東武東上線の東武練馬駅に程近い「喫茶ボタン」(東京都練馬区)は、"昭和レトロ"という言葉がピッタリくる喫茶店だ。看板を掲げていなければ、どこぞのキャバクラにも見えないこともないが、紛うことなく喫茶店である。だから、扉を開けてカランカランと呼び鈴が鳴っても、ギャルの「いらっしゃませー」という黄色い声は一切聞かれない。

トップ写真:喫茶ボタンは1964年に創業。テーブル型ゲーム機に置かれたアイスコーヒー=阿形撮影の画像を素に阿形作成

戸惑い

吽形(妻)と散歩の途中に立ち寄った。「入る?」と、自信なさげにこちらに判断を求めてくる吽形。これまで行った喫茶店とは印象が違い、気軽に入って良いものやら戸惑ったようだ。確かにそんな雰囲気がある。

ただ、入ってみると、そんなことはない。いわゆる純喫茶と言える。暖色系の照明は、明るさを抑えていて落ち着きがある。一つのテーブルごとにボックス席になっていて、年季の入ったソファーが置かれリッチな感じだ。

テーブル

昭和レトロを一番感じさせるものはテーブルだ。ゲームセンターにあるようなゲーム機をそのままテーブルとして使っているところが実に渋い。タイトーがインベーダーゲームを発売した1978年以降、「ゲーム喫茶」が流行ったという。そのころの名残なのだろうか。

阿吽コンビが座ったボックスのテーブルは、麻雀ゲーム。勝負に勝つたびに、画面内の女の子が一枚ずつ身に付けている服を脱ぐという内容だ。現在に比べて画像が荒く、リアリティーの欠けらもない。ただ、そのおかげで随分と微笑ましいものになっていて面白い。

安心感

ゲーム喫茶と言えば、違法賭博を連想しないこともないが、この店は一切関係なさそうだ。というのも、この店の客層が老若男女、幅広く利用していたためだ。さらにメニューには、およそ喫茶店らしくないうどんや肉野菜炒めなどまであり気取り感がない。その代わりに大きな安心感がある。

「何だか面白いね」と吽形。入店前の戸惑いは和みに変わっていた。(あ)

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