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【教えて!ロコ先生】vo.3 – 呼吸/prana – Part #3

AutHenticity yoga school メイン講師の
ロコがお届けする
ヨガにまつわる深〜いお話、
『教えて!ロコ先生』。
「呼吸」をテーマに、
3回シリーズでお話します。

今回は第3弾、シリーズ最終回です。
(第1弾はこちらから💁‍♀️)
(第2弾はこちらから💁)


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2回に渡ってプラーナ(呼吸)について
お届けしてきました。

プラーナは単に、
体に取り込む「空気」とは異なること。

さらに、
いわゆる肉体の生命維持と活性化に止まらず、
ヨガの3つの体と5つの鞘(コーシャ)という
目に見えない微細な体にも働きかけ
私たちの存在に影響を与えているということ

をお伝えしてきました。

今回の第3回、最終回では
【5種類のプラーナ 】について
ご紹介していきます。

前回の3つのからだ同様、
【5種類のプラーナ 】という分類もまた、
インド哲学「ヴェーダ」で示された考え方です。

–インド哲学「ヴェーダ」で考える5種類のプラーナ(ヴァーユ)

ヴェーダでは、
地球や宇宙、私たちの体を構成する要素を
5大元素(地・水・火・風・空)で表しており、
プラーナはそのうちの「風」に当たります。

5種類のプラーナは
ヴァーユ(vayu) と呼ばれ
ヴァーユ、という言葉自体にも、
「風」という意味があります。

以下が5つのプラーナ(ヴァーユ)です。
(括弧内)はエネルギーの方向・性質を指します。

  • プラーナヴァーユ (前方・中へ)

    • 吸気

    • 知覚

    • 食物摂取

    • 思考の活性化


  • アパーナヴァーユ (下へ・外へ)

    • 蠕動運動(消化)排泄

    • 生殖活動

    • 出産

    • 免疫

    • 思考の浄化


  • ウダーナヴァーユ (上へ)

    • 呼息スピーチ

    • 体の成長

    • 向上心

    • 心の成長、


  • ヴィヤーナヴァーユ(全方向・循環・広がり)

    • 筋骨格運動

    • 血液循環

    • リンパ

    • 神経伝導

    • ホルモン

    • 思考の柔軟性


  • サマーナヴァーユ (バランス・水平方向(胃腸エリア))

    • 食欲

    • 消化

    • 代謝

    • ホメオスタシス(恒常性)

    • 思考の消化

–5つのプラーナ(ヴァーユ)がもつエネルギー


プラーナヴァーユは、

外界からポジティブな刺激・情報や思考を
取り込む働きがあります。
私たちの、生命体としてのバランスを司る場所
でもあるため、このバランスが崩れると、
心身全体の不調につながります。

「火」(アグニ)の要素と共に、
思考・感情・感覚全体を活性化するエネルギーです。

アパーナヴァーユは、

ネガティブを追い払い、
マインドを安定させる働きがあります。

このバランスが崩れると、
エネルギーに停滞や衰退を起こします。
身体的には、排泄などの
下向きのエネルギーに影響を及ぼします。

ウダーナヴァーユは、

私たちの熱意や意思、モチベーションなどを
向上させる働きがあります。
一方で、このバランスが崩れると、
やる気のなさや鬱などに繋がります。

自分を世界で表現する力を司るエネルギー
でもあるので、
コミュニケーションや表現能力に関わります。
バランスが崩れると咳、不適切な発言、言葉の暴力
などとして顕れます。

ヴィヤーナヴァーユ

エネルギーを拡大し
外へと拡散させる働きがあります。
私たちの幸福感、自立心と関わりがあります。

一方で、バランスが崩れると
心身に動揺をもたらし、さらに、
疎外感や孤独感をもたらして、
他者とのつながりを妨げる要因にもなります。

サマーナヴァーユは、

平衡化させるエネルギーです。
ここのバランスが崩れると、
思考の調和が乱れます。

身体的には、消化器系が弱まり、
毒素を溜め込みます。この身体的症状は
心理的状態にも影響を与え、
心に混乱と停滞をもたらしたり、
人を依存的にします。

症状が悪化すると神経系を乱し、
長期的な精神の不安定につながります。


–5つのプラーナ(ヴァーユ)とアーサナ

では続いて、
それぞれのヴァーユと関連の深い
アーサナ(ヨガポーズ)をご紹介していきます。

  • プラーナヴァーユ (前方・中へ)
       ↓
    ガルダーサナ(わしのポーズ)


  • アパーナヴァーユ (下へ・外へ)
       ↓
    タダーサナ(山のポーズ)


  • ウダーナヴァーユ (上へ)
       ↓
    ナタラジャーサナ
    (ダンサーポーズ)


  • ヴィヤーナヴァーユ
    (全方向・循環・広がり)
       ↓
    スーリヤ・ナマスカーラ
    (太陽礼拝)


  • サマーナヴァーユ 
    (バランス・水平方向(胃腸エリア))
       ↓
    ジャタラ・パリヴァルタナーサナ
    (わにのポーズ)


それぞれのヴァーユのもつ
エネルギーの方向や性質に
今一度注目していただくと、
ポーズとの関連性がわかりやすいかと思います。

とはいえ、これはあくまでも一例です。
そもそも、ここで私たちが扱っている
生命エネルギー(プラーナ・小文字)と
それをさらに細分化した5つのヴァーユ
(*の内プラーナヴァーユは大文字)は
「風」と表されるエネルギーであることを
思い出してください。


目に見えない、
つかみどころのない風を
分解したり、方向を統制したり、
一定に固定させるのは不可能なお話。
分類化しようとする考え自体が、
そもそもの性質に反します。



「風」の要素である
生命エネルギー・プラーナは、
私たちのからだでいえば、
思考などの精神活動を司ります。


つまり、ヨガポーズを行う際に、


「私たちの意識をどこに向けるのか?」
「何を意図して、どんなイメージを持って、
同じポーズにアプローチするか?」


によって
呼吸や身体的経験を、
まったく別のものにする働きがあると言えます。


例えば上記の例で言えば、
タダーサナ(山のポーズ)は、
アパナーサナに分類されていますが、

背骨を天と地の両方向に伸ばす意識に注目すれば、
ウダーナヴァーユを経験できるでしょう。

また、内側の呼吸の動きに注目すればプラーナヴァーユ、
全身隅々へのエネルギー循環を意識すれば、
それはヴィヤーナヴァーユ的体験、と言えるのです。

さらに、シークエンスを作る時に
これら5つのエネルギーの性質から、
シークエンスの焦点を決めるのも、
面白いかもしれません。

アクティブにエネルギーを活性化させ
(プラーナヴァーユ)
    ↓
巡りをよくし、循環を促す
(ヴィヤーナヴァーユ)
ねじりのポーズなどで消化力を上げ
(サマーナヴァーユ)
    ↓
心身の解毒・浄化を促す
(アパーナヴァーユ)
逆転のポーズ
   ↓
体にも思考にも転換をもたらす
(ウダーナヴァーユ)

はたまた、

レストラティブなどの支えのあるポーズや
ウエイト(重り)等を使って
吐く息を促し(ウダーナヴァーユ)
   ↓
地に足をつけた安定感をもたらす
(アパーナヴァーユ)

など。

次回マットに乗る際にはぜひ!
ポーズのひとつひとつで
明確な意図とイメージをもち

あなたが動かす
【 5つのエネルギー 】を意識しながら、
練習してみてくださいね!
何か新しい体験や発見に繋がるかもしれません。




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最後までお読みいただきありがとうございます!
また次回の配信でお会いしましょう。

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