見出し画像

10:Kauai② アプローチ

 ヨーロッパ行直行便と比較して往路の6時間半から7時間の飛行時間は苦痛にならない。機内食と映画を2本も観るとホノルルへ到着する。
 ホノルル行成田発飛行機はいつものように満席。その席はほぼ日本人で埋まっていたが、これまでのハワイ旅行と同様トランジットで向かった次の搭乗口での日本人は私たち二人だけだった。あれ程いた日本人の殆どがホノルルが目的地とは、あまりにもハワイ旅行はステレオタイプになってはいないか。*マウイ島、ハワイ島でも同様を経験

 ホノルルからカウアイ島への移動は飛行時間40分。搭乗を待っている時間の方が長く、シートベルトを締めたり外している内に間配られるジュースを飲むともう着陸態勢アナウンスという呆気無い移動。こうした搭乗経験が後押して「airbus」とは言い得ていると納得する時間でもある。

 マウイ島、ハワイ島と違いホノルルよりも北に位置するカウアイ島は一旦上空を通過しホノルルへ向かう。スーツケースは後からで良いからここで降りられたなら良いのにと思わされるほど、島全景が眼下に展開する。
 それはさながら映画でいう予告編のよう。
 上の写真は正確には帰路窓から撮った1枚。往路では「ワイメア渓谷」が雲に隠されもせず見事に見えてしまった。とても楽しみにしていた場所だけに上空から見えたことはうれしいのだが、プレゼントの包装紙がアクシデントで破れ、渡される前に中身を知ってしまった感に似て素直に喜べない。

 日本に居て「ガイドブック等」をどれ程精読しても行先の実態は掴めない。一方、こうして眼下にその旅行先が姿を現しても、まだ、旅は始まらない。
 全て準備が整い、目的に到着し、「一歩」自らの足で歩き始めた時に血液が流れ始めるかのようにイメージだった旅が形を作り始める。言葉を変えると帰国までのカウントダウンがその瞬間始まりながらも同時にこの旅が自分のものになっていく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?