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京都、一年中味わえる「みその橋サカイ」の冷麺

京都では、冷やし中華のことを冷麺と呼びます。

上賀茂神社のほど近くに、その冷麺で有名な「みその橋サカイ」というお店があります。以前から気になっていたので早速行ってみました。

みその橋サカイは、京都市北区にある中華のサカイ本店から1982年に独立したお店です。
冷やし中華の発祥は諸説あるようですが、京都では中華のサカイ本店が1939年から冷麺という名でいわゆる冷やし中華を始めたそう。みその橋サカイはその味を受け継ぎ、30年以上冷麺を看板メニューとして提供しています。

お店に入り席に着くと、目の前の壁には「やっぱり 冬でも 冷麺」と縦書きで大きく書かれていました。
「冷やし中華はじめました」よりもストレートな、冷麺に対する確固とした自信を感じます。わくわく。

早速、焼豚冷麺を注文しました。


麺の上にはきゅうり、焼豚、刻み海苔のみとトッピングはとてもシンプル。

麺は太めのストレート麺でしっかり、もちもちっとした歯ごたえが特徴。
タレは濃厚クリーミーなごまだれで、マスタードのような酸味がたまらない。
そして、そのコクのあるタレが太めのストレート麺にしっかり絡み、
一口すすれば喉元まで一気につるるん!と口に入ってきます。

この麺がするっとした喉ごしでとても爽やか。そしてコクのあるタレをしっかりとキャッチし、麺をすすればタレも同時に一気に「あいよっ!」と連れてきてくれます。喉ごしがたまらない。

そして麺は氷でしっかりと締められていてとても冷たく、より美味しさのポイントアップ。あっと言う間に食べてしまいました。

もちもちの太めの麺がつるるっと喉ごし抜群、タレはコクがあってまったり。それでいて最後まで冷たいまま味わえるこの感じ、初めての美味しさでした。

「美味しい」というのは単に味覚だけではなく、のどごしや歯ごたえといったテクスチャーの要素も強いんだなあと改めて実感したのでした。

そういえば、冷麺と言う名の話になるのですが、わたしが子どもの頃は「冷やし中華」のことを「冷麺」と呼ぶのが当然だと思っていました。
しかし、夏になれば毎年テレビで「冷やし中華はじめました」の文字を見かけたり、約10年前にAMEMIYAさんの「冷やし中華はじめました」のネタが大きく流行したりして、どうも冷麺という呼び名は京都独特の方言で、全国的には冷やし中華と呼ぶのが一般的なのだということに気が付きました。

それからは、冷やし中華を「冷麺」と呼ぶことが間違っていたことのように思えて、田舎っぽい感じがして恥ずかしかったことを覚えています。
それまで自分が生きていた世界では当たり前だったことが、世間では当たり前ではないようだということに気付いた時に感じる、恥ずかしさ。

ですが、みその橋サカイの冷麺は本当に美味しく、昔の自分を思い出しつつ、そんなことを恥じていた自分が恥ずかしくなったのでした。

そして、今回は冷麺と一緒に唐揚げも食べてみました。


揚げたてアツアツ。衣はかりっと、肉はしっとりジューシーでとても美味しい。味付けは醤油ではなく中華風。クセになる美味しさです。

この他にも、みその橋サカイはラーメン、八宝菜、天津飯に酢豚と定番メニューも豊富に揃っています。シュウマイ、餃子も単品で注文することもできるのでビールを飲むのもOK。
お昼時は唐揚げ定食や焼肉定食もあり、冷麺以外にも美味しそうなメニューがたくさん。

街中にこうした中華料理屋さんがあるのって、嬉しいですよね。
高級中華でもなく家で食べる中華でもない、街の中華料理屋さんでしか味わえない味。たまに、無性に食べたくなるのです。

京都には他にも餃子の王将ハマムラを始めとした中華料理屋さんがたくさんあり、特にこの2つには幼い頃から大好きで、大変お世話になっています。

その中でも、みその橋サカイは冷麺を一年中味わえる全国的にも貴重なお店であり、冷やし中華好きの方にはたまらないと思います。

昔からの味を守り続け、一年中冷麺を出していらっしゃることに感謝し、お店を後にしたのでした。





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