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奪われた話

休日に会社を休むのはいつ以来だろう。
健康診断で精密検査を言い渡され
とうとうその日を迎えたのだった。

いつも通りの朝
しかしいつもと違う朝
アバ郎に乗って向かったのは
カンパニーではなくクリニックである。

ミスターセンクスが精密検査となったのは
腸腸腸いい感じ
腸腸腸腸いい感じ!
モーニング娘。腸である。

腸の精密検査といえば内視鏡。
胃カメラは上から入れるが
大腸カメラは下から入れることになる。
つまりANALである。

健康診断を受ける数ヶ月前は
こんな形で奪われる
そんなこと全く想像していなかった。

そう思いながらクリニックへ向かった。

到着するや否や
ポカリスエットみたいな下剤を飲む。
10分・15分おきに
200mlを飲むことがタスク化されている。

それを繰り返し繰り返し
ミスターセンクスは1.8リットルの
ポカリ下剤を飲むことになったのである。
なんたる極刑だろうか。

しかしこれをしないと
腸が超綺麗にならず
つまりSHITまみれだということで
甘んじてこの極刑を受けるしかないのだ。

腸が綺麗になったところで
検査着に着替える。
ANAL部分にANAが開いた
ペーパーパンツである。
いくら変態なミスターセンクスであっても
この姿は誰にも見られたくない。

診察台に横になる。
これは診察台じゃない。
処刑台である。
横たわった時の冷たい感触で
センクスの思考がネガティブになる。

そこからの記憶はあまりない。
お医者さんが指でぐいっとAFしたかと思えば
次の瞬間にはおぞましいカメラが挿入されていた。

挿入時こそ痛みがあったが
入ってしまえば後は何の感覚もない。
これがロストバージンというものか。

そんなわけで何もなく笑い話に
という話にもならず
結果的には3つのポリープが見つかった。

比較的健康な生活をしているつもりだが
世の中何があるかわからないものだ。
数人に報告したが
相手の顔に「意外だ」という文字を
しっかりと読み取ることができた。

3つのポリープは内視鏡のついでに
ついでにと言っては何だが
きちんと切除してもらうことができた。

今回のブロギネタは
センクスとしては格好のネタであり
本来ならばもっと面白く書けたと思う。

ミスターセンクスは初期のうちに対策を取れたが
発見されなかったり放置しすぎていたら
確実に癌になっていたと先生に言われ
背筋が凍る思いをした。

大腸については神経が通っていないのか
痛いという感覚がない。
つまり大腸がSOSを出していても
自覚することは難しい。

だからこそ何もなかったとしても
検査は受けた方がいいと思う。
ネタでもなんでもいいから
ANALバージンをすすんでロストすべきである。

健康診断で何事もないとしても
40歳になったら一度は受けた方がいいらしい。

何もなくてもロストバージンの武勇伝が残る。
何かあれば武勇伝と健康な体が残る。

どちらにしても良いことじゃないか。
ANALを恐れてはいけない。
ANALを差し出す勇気を持って生きていくべきだ。


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