私はセンクスフォトグラファーである。
独自の視点で美女を切り取り、世間も切り取る。
私の存在意義は、被写体になってよとカメラマン風に声をかけた美女と
レンズのブロワーなどをおもちゃにして全裸で遊ぶことである。

そんな中、私は現代の日本を象徴するような1枚を撮影してしまった。
それがこちらである。

セッブンイレブンイレブンにあったきったない喫煙所である。
私がカメラを取り出すのは、この被写体を誰かに伝える必要があると思う時だ。
私は心の中で燃え上がるシャッター切りたい欲を抑えることができなかった。
その理由がこちらである。

当店のイートインスペースはこちらです。
ベンチ(手書き)

こここのベンチは店内飲食なんスカ？
マジスカ？
スカシッペシマスカ？

軽減税率が実施されてから、
イートインとテイクアウトの線引きは色々と語られてきたわけだが、
外ですし喫煙所のベンチですがこちらはイートインスペースですのご案内は
なかなか痺れるものがあった。

しかもその手書きのご案内が、そのベンチ上にご丁寧に掲示してある。
隣の百花繚乱の何を伝えたいかわからないポスターも消し飛ぶ威力だ。

ちょっと不思議に思って、
いつも行くスターバックスのお姉さんに聞いてみたところ、
スターバックスでもテラス席はイートインに入るとのことだ。
うん、それは納得できるよ。

しかしこのベンチで納豆食う人々が納得する事はないと思うのだ。
席というかベンチ？
席っぽければイートインを認めて、ベンチだったら認めないということか。
なんとなく人間の認知バイアスを感じるわけである。

そこには内外問題も潜んでおり、
店内つまり屋内はイートインのイメージにつながるが、
テラスつまり屋外はなんとなくイートインのイメージにつながらない。
イン！が内！のイメージを引っ張っているからだろうか。
ちなみに私はイン！も好きだし隠！も大好きだ。

店内ではなく敷地内飲食は10%と言えばいいんじゃないと思ったのだが、
そうなるとコンビニの駐車場、車の中で美味しそうなスイーツを食べている
美女にも影響が行ってしまうわけで、その可愛い姿が見られるなら、
おじさんが2%払ってあげるよというオファーを出しかねないので却下する。

という事はなんだ。
お店が用意した何かに座ったら店内飲食ということか。
タバコを吸いながら小椋羊羹を食べる私はこのベンチに腰かけたら10%なのだ。
なんだこれは！

という事はあれか。
セブンイレブンのトイレに座って大福を食べたとしても10%か。
でも個室だからバレないか。
いやそもそもトイレで飲食する衛生的なアレを考えたらアレか。

基本的には店員さんも、お客さんの申告を受け入れる対応だろう。
テイクアウトだと言った人がイートインしているのを監視するほど、
店員さんは暇ではないはずなのだ。

しかしこう言った事例が多くなってしまうと、
偽イートインを取り締まるGメンのビジネスが流行ってしまい、
お店の経費を圧迫するので、こう言ったポスターで抑止力を利かせているのだ。

センクスフォトグラファーの写真は時代を切り取る。
この先1000年にわたり語り継がれていく事だろう。
もしこの写真を販売することになった際は、税込価格としたいと思う。