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人々はなぜ「プラダを着た悪魔」に魅了されるのか

Netflixを漁っていたら、プラダを着た悪魔が見れるようになっていた。もちろん以前から好きな映画の1つだったが、久しぶりに見ることにした。
そしたら、この感情をどこかに書き記したい、そして頭の中を整理したい感情でいっぱいになったので、今日は感情のままに書き記していきたいと思う。

なぜ、人々は「プラダを着た悪魔」に魅了されるのか。

ジャーナリストを目指す主人公アンドレアは、大手ファッション雑誌“ランウェイ”の敏腕編集長、ミランダの秘書を務めることに。
ファッションに疎いアンドレアだったが、ミランダの第一秘書エミリーの「ここで1年働けばどこでも通用する」という言葉を信じて業務に徹する。

しかし、編集仕事とは関係のないミランダの身の回りの世話を押し付けられるアシスタント業務や、ファッションに敏感な他の社員たちの冷ややかな目にさらされる過酷な生活が続く。

そんな生活に嫌気が刺したアンドレアは、アートディレクターのナイジェルに泣き言を言うが、彼は「甘ったれるな」と喝を入れる。
そこで閃いたアンディは、ナイジェルにファッションコーデを無理矢理頼み、これまでの無頓着な着こなしとは別人のような姿に。

無理難題を突きつけるミランダの要求にも応えるように努力を始めたアンディは、心身ともに変わっていく…

エンタミート

多くの人が魅了されているこの作品。公開は2006年と約20年も前であることに驚く。
華やかな衣装や業界に、仕事を頑張っているアンディの姿に心を撃たれる人は多いだろう。そして私もその1人だ。

見終わった今の感情としては「仕事を死ぬほどやりたい!!!」に尽きる。

私はアンディほど仕事にかけていない。22:30に雑誌を自宅まで届けたくないし、休日に上司から連絡が来続けるのは嫌だし、無理難題を毎日押し付けられたら嫌になるだろう。

どうしてそんなアンディを見て、「仕事をしたい!」という気持ちになるのだろうか?

身も心も変わっていく姿に心を打たれた。

ナイジェルに怒られたアンディは、仕事だけではなくファッションにも気を使うようになる。ここからアンディの快進撃は始まる。

仕事ができるようになる。これはまず大前提だろう。だけど最初はファッションに全くもって興味を持っていなかったアンディが、仕事での経験を通して、(ファッション雑誌の会社だからこそ)ファッションの重要性を認識し、そして成長する姿に憧れを持った。
単純に私も誰に会うわけでもなく、自分のためにオシャレをして仕事をしたいと思ったし、とりあえず明日は春服を買いに行こうと思った。(ハイブランドなんか買えないけど。。。)

きっとこのファッションに魅了されている女性は多いだろう。最初は垢抜けない素朴な女の子だったアンディが、徐々にニューヨーカーとして染まっていく姿は女性の憧れそのもの。
毎日ハイブランドに身を包み、誰もが憧れる会社で働くアンディは女性たちを魅了することだろう。

仕事に対する姿勢に魅了された。

最初は仕事を嫌々行うアンディ。ミランダに言われたから仕方なく。頑張っても報われないことに嘆くことも。(そりゃそうだという無茶ばかりだが笑)

だけど、ファッションを気にするようになってからというもの、アンディの仕事ぶりも変わってくる。ミランダに言われる前に全て行動。手配済み。流石のミランダも何も言えなくなる。そして、入社して1年も経たない頃にミランダから認められ、第1アシスタントの座を勝ち取る。

これって簡単そうに見えて、誰にでもできることではないですよね?しかも相手はあのミランダ。誰もが予測不可能な彼女の行動を予測して行動。

まずは自分に余裕を持つこと。目の前の仕事に手いっぱいになっている時に、未来の行動なんて予測できるわけがありません。
そして、どんな仕事も言われたことを実施するのではなく、一度頭で考えている。どうしてこのタスクを依頼されたのか、なぜ遂行する必要があるのか、それはどんな状況の時なのか。過去の傾向をもとに、対策をしているからこそできる行動ですよね。

私が心を打たれたシーン

ナイジェルに泣き言を言って、怒られるシーン

アンディがファッションに目覚めるきっかけになったシーン。
正直言って、あの嵐の中飛行機をチャーターするのは無理だし、仕方ないと嘆きたくなりますよね。私でもなりますw
それでもナイジェルからの言葉をしっかりと受け止めて、自分が努力が足りてなかったと気が付きます。

そして、ここからのアンディがきっとみんなの憧れの姿。
もちろん、ミランダの無茶振りに答えられなかったアンディを責める視聴者はいないでしょう。なのに、どうしてここからはみんなの憧れになるのでしょうか?

まず1つはファッション。
やっぱり女性たるもの、身なりをきれいにしている点。そしてブランド物に囲まれた生活に憧れを持つ方も多いでしょう。
だけどなんとなくそれだけではないような気がしています。
最初に面接に来た時の、髪の毛がボサボサなアンディと、ファッションに目覚めたアンディ。どちらが魅力的な女性かは一目瞭然ですよね?
メラビアンの法則では、人は見た目で55%を判断していると言われています。もちろんどちらもあの有名なアンハサウェイが演じていることには変わりないのに、印象に違いを持つのはこのせいでしょう。
私も普段リモートワークばかりで、ファッションには疎い方です。最近は仕事の日は着替える習慣ができただけマシな方です。(ガチでパジャマのまま仕事してた時期もありましたw)
それでもアンディの姿を見て、見た目にもこだわりを持つようになりたい、そんな自分でありたいと思うようになりました。

2つ目に仕事に対する姿勢
先ほどにも述べていますが、ここから仕事に対する姿勢がすごく変わった印象ありませんか?どちらのアンディもすごく頑張っているんです。嵐の中チャーター機を探せって、久々にあったお父さんとのディナー中に言われても必死で対応しようとしています。

だけどここから印象が大きく変わったと思う理由は、「愚痴」がなくなったんだと思います。以前のアンディは、何かあると彼氏にミランダや職場の愚痴ばかり。だけどこの頃からは仕事にのめり込んで、彼氏や友人からも呆れられてしまうレベル。

どちらが良いのかは判断しづらいですが、働く女性としてはこれ以上魅力的なことはないですよね。

ミランダへの裏切りの計画に気づき、それをミランダへ知らせた後の車内

ミランダはアンディが、必死に裏切りを自分に伝えようとしてくれていたことに感動した、あなたは私に似ているとアンディは伝えます。しかし、アンディは自分にはナイジェルにそんなことはできないと言ったところ、あなたも同じようなことをエミリーにやっていると言われてしまいます。

本当はエミリーがパリに行くはずだった。エミリーは数週間もダイエットをして、すごく楽しみにしていたのに、アンディが行くことになりました。
アンディは仕方ないと言い続けていましたが、「あなたの決断」とミランダから言われてしまいます。
だけどそれは自分の望むことではないと気づいたアンディは、車から降りた後のミランダからの電話を無視して、携帯を噴水に投げて退職します。

このアンディの仕事を辞める潔さ。誰もがミランダ、そしてアンディにも憧れているのにも関わらず、自分の大切にしたいことに気がついたアンディは、突然会社を辞めることになりました。
きっとこの先彼女は、こんな華やかなファッションの世界にいることも、もしかしたら世界中の女性たちから憧れられる仕事に就くこともないかもしれません。それでも自分の信念を大切にできていないと気がついた彼女は本来の自分に、そして本来以上の自分に生まれ変わったのだと思います。

アンディが会社を辞めた後、ミランダと会った際、ミランダがタクシー内で微笑むシーン

ミランダが車内で一瞬微笑んで、すぐにタクシーに早く移動するように指示するシーンがあります。

普段なかなか笑うことのないミランダ。だからこそ意味があるシーン。
きっと、アンディが自分の新たな道を歩んでいることに嬉しく思っているのではないかな。
アンディが見えいるところでは笑わないのがミランダらしいですよね。だけど推薦状からも分かる通り、過去の"エミリー"の中で一番優秀で、アンディが新たな活躍を応援してくれていることがひっそりと伝わる素敵なシーンですよね。

アンディからエミリーに、「パリでの洋服を受け取って欲しい」とかけた電話

エミリーは泣きそうになりながらアンディからの電話を受けます。電話口では「サイズ直しが必要だから面倒だ」とか言いながら、新しい第2アシスタントには「前任の穴は大きい」と発言をしています。
きっとエミリーは、自分が見下していたアンディにパリ行きのチケットを取られて悔しかったはずなのに、それでもアンディのことを認めていることがわかるシーンでした。

最初は見窄らしい服装のアンディをバカにしているエミリーでしたが、その努力した姿に悔しさもありつつも、彼女なりにきっとアンディを仲間として認めていたのかと思うと心が熱くなります。。。!

アンディは世の女性の理想である

全ての女性が仕事を全力でしたいわけではないと思うんです。それでもプラダを着た悪魔が世代を超えて注目されているのは、そんな女性をも魅了する魅力があると思うんです。
それは、彼女が世の女性の理想の姿だからだと思うんです。

何も持たない私が、みんなが憧れる会社に就職し、上司や同僚から認められて出世、最後には自分の夢や信念を優先して全てを投げ捨てる。
きっと、「自分にはできない」そんな魔法を自分にかけている女性たちが、夢を見ることができるのがこの映画なのではないでしょうか?

きっと、この先は編集者としてアンディは第一線で活躍することになると思います。だけど、少しだけ、ファッション業界で上り詰めて欲しかった、元カレと戻らずに新たな人生を歩んで欲しかったな、とそんな気持ちもあります。もちろん映画のラストとして、不満はありません!アンディの良さが詰まっていると思っています。ただ、仕事を頑張りたいとモチベーションを与えてもらってるからこそ、そんなアンディを見てみたいなあと思うのでした。

まとめ

書きたいことをただ書いていたら、4000字にもなってしまいました。読書感想文が嫌いで、毎年使いまわしてたあの頃の私に見せてあげたい。。。(これも大したことは書いてない)

だからと言って、自分がここまで仕事詰になったらそれが理想なのか。ファッションにお金をかける姿が理想なのか。正直そこはつかめてません。
本当に今がやりたい仕事なのかも分からない、とも思いましたが、そこはアンディもきっと同じだな、と思ったり。

とりあえず、理想の生活目指していきましょ!(締め方雑w)

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