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私の講義✧♡人間と色の不思議な関係③

②人間の体のどこが何色なのか(色鉛筆で作業)
 
ここで、お母さんたちに色鉛筆で作業をしていただく。
 実は、カラーセラピーの勉強でわかったことは、人間のカラダには虹の7色がついているということだった。人間のカラダの輪郭線のついたプリントを渡して、好きなように虹の色を塗っていただいた。
 それが当たっているかどうかは、講義で確かめてください、という訳だ。
 ちなみに虹の七色というのは、赤、橙、黄、緑、青、藍色、紫の七色だ。アメリカは藍色を除いた6色。日本では日本人の好きな藍色がはいって7色となっている。皆さんが自分なりの考えで色をつけたところで講義に入った。

③人間と色の不思議な関係(講義)

 これは授業でやっていた生徒用講義である。
 そこで、生徒の好きなアニメを説明に使うことにしたのだ。これはオトナにはマイナスになるかもしれないが、作り直している時間も無いので、そのまま行わせて頂くことにした。
 しかも「黒子のバスケ」、色を勉強するにはなかなかなのである。

登場人物の色々な髪の色が気になる!

 この漫画の粗筋を簡単に言うと、彼らは皆、同じ中学校のバスケ部のチームメンバー。あまりに才能のある選手が集まっているので、キセキの世代と言われている。
 高校生になり、全員がバラバラの高校に行くのだが、試合で、このキセキ的に才能のある強敵たちと試合で出会い続けるという物語である。

 主人公の黒子君は、真ん中の水色の頭の最も影の薄い主人公。

 黒子と言う名前の通り、その存在感の無さを活かして、敵が気づかないうちにパスを渡せるという技を持っている。シュートをアシストする存在なのだ。
 生徒はいったいどんな漫画を読んでいるのか?という好奇心で、アニメを見始めたのが、この黒子のバスケから、である。
 生徒が描いてくるこの色とりどりの頭の色が気になったのだ。

 しかも、実は、このキャラクター達、色の性格にめっちゃぴったんこなのである。

 黄色の黄瀬涼太くん。
 頭の回転が速く、どんなに強い相手の技も模倣できてしまう。コミュニケーション能力が高くおしゃべりで、人懐っこく楽しい性格で誰とでも友達になる。自己表現に長け、カッコいいのでモデルもしている。
 黄色の性格は、自分を表現するということ。黄色を見ると、おしゃべりになる(講義する私もみなさんがおしゃべりになるように、黄色を着用していた)、頭の回転が速い、子供っぽく楽しい。

 緑色の緑間真太郎くん。
 女生徒はこの知的でクールなメガネ男子が好きな人が多いようであった。(最も描かれていたw)努力家で勉強家で慎重派の彼。黒子君の敵ではあるのだが、時には味方のようなアドバイスもし、バスケの獣じみた肉弾戦のイメージはなく、彼の技は、コートのどこからでも繰り出される3pシュート。(それ、有り得る?)
 は、バランスをとる色。敵だか味方だかわからないはずである。中間色なので目に優しく、落ち着いていて穏やかな癒しの色。

 黄色、緑と、登場順にアニメを観ていたが、次の人は青の人が出てくるだろう!と思ったら、当たっていた。青峰くん紫原くんと続く。
 このアニメは、色相環順に、敵が登場しているのだ。


 このペースで説明して行くと、これだけで記事が終わるので、残りは省略する。
 ラスボスの赤司くんまで観てわかったことは、作者は色のことをよく知っていて、キャラクターに、最大限、利用しているということ。
 青峰君のバスケ部の色っぽいマネージャーは桃井さんというが、なんとピンクは、青のサポートカラーなのである。

 子供たちには色の性格に対する善きアプローチになるだろう。

 ところで、黒子の作者が、ラスボスに赤司くんを決めたところが最もすごいと私は思ったのである。

 赤司くんは、赤と名前についているが、絵を見ると赤ではない。
 赤司(あかし)⇒赤紫(あかし)⇒あかむらさきなのである。

 ところでこの赤紫と言う色、かなり不思議な色である。

 詩人であるゲーテは色彩論という本も書いているが赤紫色のことを「見えざる色」と呼んでいる。その理由をこれから説明しよう。
 色相環では、赤と紫の間に、赤紫が普通に存在している。

色相環とは、色相(何色っぽいかという色みのこと)が環になっているもの。


 現実はどうかというと、虹の端は紫と赤なのである。

 写真では分かり辛いので、ニュートンが発見したスペクトルで説明しよう!

ニュートンは白色の太陽光がプリズムを通るとき、色の波長が違うため、
光の帯に分かれることを発見した。その光の帯をスペクトルという。
虹も同じ原理で現れる。虹の七色を目に見えるので可視光線と言う。

 我々がよく言う赤外線は赤の外にあり、目には見えない。
 我々が同じくよく言う紫外線も紫の外にあり、目には見えない。

 太陽からは目に視えない電磁波がつねに地球に降り注いでいる。

 赤から紫までの間だけが、目に見える可視光線(目に視えるのが可能な光線)なのである。では、赤紫はどこにあるのだろうか?

 上の図で見るように、赤の波長の値は大きい。赤を見ると人は興奮する。
 反対に紫の波長は小さく、紫や青は人を鎮める色だという事がわかる。

 絵具の世界では赤と紫をパレットで混ぜて作ることはできても、光の世界には、赤と紫を混ぜた色を作ることは理論上不可能である。
 波長の大きいものと小さいものが打ち消し合って0になるというのか。
 赤と紫の外はすでに、目に視えない色なのであるから、その存在があるということはかなり不思議なことなのである。

 ゲーテが「見えざる色」と言ったのも無理もない。

 そして、その色を、最後のラスボス(私がアニメを観たのはシーズン1までです)の赤司征十郎くんという赤紫のキャラクターにしたことが凄いと思ったのである。

 省略したつもりが、意外に長くなったので、カラダのどこが何色なのかは、次回にて。(つづく)
 

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