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能力があることとチャンスが与えられることは違う〜能力を評価してもらい、WBCで使ってもらえることは奇跡

目の前を中田翔選手のホームランが通ったとき、「やっぱり中田翔選手が1番大好き」と思った。同年代で大阪桐蔭高校のときからずっと応援していたから、プロで活躍されている姿は感慨深く、見た目もキャラも全てタイプだった。

そんな贔屓目で見ても、4番バッターは大谷翔平選手か、近藤健介選手だと思った。とりわけ、近藤選手は、4割近い打率という驚異的数字も残している。ピッチャーとの二刀流から打順を選ばなくて良いのなら、能力主義からは、近藤選手であるべきなのに何故と疑問であった。
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話は逸れるが、チャンスがすぐに巡ってくる人は、華のある人のことが多いと思う。目に付く華のある人は、野球にかかわらずどこの組織にでもいる。普通の職場にもいる。
その人達は若かろうと誰かの部下には不適切で、先頭を切った大将になる。脇役ではなく、主役必至。
そして、平等な社会、同一基準の人事評価と言いながら、現実は、華のある人には常に機嫌良く、人々に率先して話しかけることが求められる。なぜなら華がある人の雰囲気が悪いと、組織全体の雰囲気が沈むから。そのため華ある人に活躍してもらいたいから、能力にかかわらずチャンスが早くにくるのだろう。

他方で、目立たない人に求められる役割は違う。積極的に人を引っ張ることは期待されない半面、静かに、淡々と仕事を熟すことが役割。自身の仕事に集中できる半面、人気者へのご褒美的ポディションたる大将には選ばれにくいのだ。

結局のところ、見た目や雰囲気によって望まれた役割があり、
与えられた役割を卒なく熟したかによって評価が決まる。
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ファイターズにいた頃の近藤選手は、積極的に盛り上げるムードメーカーというよりは、確実に仕事をし、間違えなく成果を上げる選手だった。野球以外の点では、短い期間、選手会長ではあったが、チーム内で目立つ役割を与えてもらえなかったから、知名度はそこまで高くなかったかも知れない。しかし、パ・リーグ随一の逸材だったと私は思っている。
これ程までに、球にフィットした処理が出来る選手はなかなかいない。

ムードメーカーや人気者は、観客を喜ばせるために能力以上のチャンスが巡ることがある。その点からは、彼には能力に見合うだけのポディションとチャンスはなかったかも知れない。

特に新庄監督が、「日本一は目指さない」と言い、本人も「選球眼やつなぎ役を意識してチームのリーグ優勝、日本一を目指してやっていきたい」と語っていることからも、涙をのんだ不遇の日々があったのだろうと思う。
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それでも近藤選手は、腐ることなく一流であり続けた。私は彼が不調な時を見たことがない。最下位に沈んでいたチームで1人ヒットを打ち続けていた。

毎回変わる打順
勝ちを求めない野球
能力に見合うポディションをもらえなかった不遇

しかし、近藤選手は全てを超えてWBCの代表に選ばれた。能力があっても評価されることは、難しい。にもかかわらず、評価され選ばれたのだ。
おそらく試合では、上位打線に入るだろう。11年もの長い時をかけて、実力で勝ち取った代表選手としての地位として相応しいポディションである。
これまでは組織づくりのため、能力に合うチャンスをもらえなかったかもしれない。しかし、その分の好機はWBCで返って来るに違いない。
選ばれたあとのチャンスは、試合での巡り合わせなのだから。
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近藤選手のホームランが目の前をアーチしたとき、私は「間違えない実力者」と感じた。
そんな実力に非がない近藤選手ですら、栄光への道は11年かかっている。途中、不満で心が浮き沈みすることもあっただろう。
しかし、やりつづけ、結果を残し続けた。

野球選手を見ていると学ぶこともある。日常生活は、無法地帯で政治力が勝敗、正誤をきめる理不尽で溢れかえる。しかし、腐らず、やり続けないといけないと思う。天才さえ、栄光を手にするまでやり続けているのだから。
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何年もきっちり仕事をこなしてきた蓄積は、揺るぎない土台となり、彼の活躍の後押しになるだろう。
私は、近藤選手が日本を世界一に導く瞬間が楽しみでならない。

単なるファンレターにも見えるかもしれないが、こちらの記事は私がハマっていること。それは、才能ある選手が、不遇にも理不尽にも飲み込まれず、勝ち取ったチャンスで栄光を掴み取る瞬間を応援できる、WBC。
勝利はすぐ目の前にある。

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