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立派な法があることと、法が機能することは違う

日本の刑法は時代に即した対応を取ることができるようになってはいる。
誹謗中傷に対しては侮辱罪が成立し「一年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」(刑法第231条)となるし、
セクハラに対しては強制わいせつ罪が成立し「六月以上十年以下の懲役」(刑法第176条)となるようにできている。

しかし法は飾り物。なぜなら、告訴に実効性があると思えないからだ。
告訴があったとき「調書を作らなければならない」(刑事訴訟法241条2項)が、被害に遭って司法警察員に調書をつくってもらえたという人を聞いたことがない。録音、録画という証拠能力の高い証拠があってもなおである。

顔が利く弁護士に警察署への付き添いを頼めば告訴まで進む可能性があるとしても、殆どは民事で解決するか否かである。
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こうなると被害者の理不尽な思いはどこにいくのだろうか。

性被害を受けたときに司法が加害者を適正に処罰すれば、
被害者はお金と時間をかけた上、被害者バッシングに遭う民事訴訟を選ばずに済んだはずだし、
マスコミに売る必要もない。

ネットに大量の誹謗中傷を書かれたり、
見逃せないほどの陰湿な悪口を言われ謂れのない評判が流布したときに、
法でサッと取り締まれたら、被害者は知らない人に悪口を言われる苦しみもない。

それが実現できないから、被害者は犯人を特定し、裁判をし、民事訴訟内で加害者がいう「被害者が悪い」理論を聞くという苦しみを体験する。こうして裁判がハラスメントになっていく。
告訴の受理と早期の逮捕によれば、こんな理不尽な争いはなくて済んだのに。
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「政治力で加害者が肯定されれるのではなく、行為に対して犯罪が成立するように法が機能して欲しい」と思うが、それは出来ない。法が機能するには誰かの「働き」が必要だが誰も組織と衝突し得る「働き」をしたくないからだ。

結局、解決出来るのは、法の裁きでも弁護士でもなく自分なのだ。
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解決方法は、
お金にモノを言わせても良いし、
権力に頼るのもある。
誹謗中傷に誹謗中傷で立ち向かうのもあるし、
どこかのお姫様のようにアメリカに行くのも良い。
マスコミに売ったところで味方をしてくれるかは別物だが、売るのもあり。
被害者バッシング覚悟で法に訴えるでもよい。法で真っ当に闘って人からの称賛や信用を勝ち取った人をみたことがないが。例えばあるジャーナリストの美しい女性がテレビ局員にレイブされた結果、被害者バッシングに遭ったように。
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これらのことを考えると、ベストは政治力を駆使し加害者への悪評で被害を解決すること、すなわちハラスメントをハラスメントで解決すること。しかし、政治力が一方的に加害者にあるからハラスメントが起こっていて、この手段は困難。

じゃあどうすれば良いの?と思うが、私は、それこそが生きることだろうと思う。

自分も仕事で「問題」に携わるが、動けるのは本人だけ。しかし、本人が頑張れば動く人はいる。証拠は自分で集める。証言は自分で取る。人に頼らない人だから助けたくなる。
そうすると、なかったはずの政治力が少し身に付く。

そうやって声をあげて、周りが自分に付くのを待つ。付かないなら付ける。弁護士保険でも使い弁護士を雇うのだ。
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簡単なことではない。一歩目は多数のヤバい奴相手に一人なのだから。
声が大きいやつに人が従う世の中は変わらないから、そんなものに期待したり、不平不満をいうより、自分の力でハラスメントに「NO」を言ってみる。
きっとその積み重ねこそが周りの人の心を打ち、仲間ができ、誹謗中傷を許さない雰囲気を作り得る道なのだから。


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