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なんか、知らない人からもらう優しさって、新発売の肉まんみたいに温かいな。


帰り道の渋谷はいつも混んでて、ここの横断歩道はギュウギュウになる。でもそのおかげで渡るときに、運よくイケメンなお兄さんと肩が触れたりすると、申し訳ないと思いつつも、やっぱりちょっとドキドキしたりする。

赤信号を待つ間に、自分の正面にいる人はなんとなく雰囲気を掴める。真面目そうなサラリーマンとか、イライラしてる主婦さんとか、早く友達の家に行きたくてウズウズしてる小学生とか。

今日の人は、正直ちょっと苦手なタイプ。
年齢は大学生くらいで、髪は茶色で、ダボッとしたTシャツに、大きなヘッドホン。
怖いな。

信号が変わった。
テクテク。

うわ、しかもあの人、すごく音漏れしてる。教えた方がいいかな?でも怖いな。
テクテク。ドキドキ

ぶつからないようにできるだけ肩をすぼめてッと。
ドキドキドキ。

ふう。良かった、何事もなく通り過ぎれて。
テクテク。

え?

なんか、後ろから音楽が聞こえるのですが?
ドキリ。

足音っぽいのとセットで、音もちょっとずつ大きくなってるのですが?
ドキリドキリ。

低い声が聞こえた。

 「あのー」
 「はっ、はい?」

落ち着け自分。

 「このハンカチ、あなたのですか?」

あ。
 
 「わざわざすみません、そうです、私のです。ありがとうございます。」
 「いえいえ、それでは。」

そっけなかったけど、親切な人だった。ごめんなさい、心の中で怖いとか言っちゃって。

なんか、知らない人からもらう優しさって、新発売の肉まんみたいに温かいな。



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よし!よくやったぞ俺!
バクバク。

別の人だったらどうしようかと思ったけど、でも勇気を出してよかった。
バクバク。

俺ももうハタチだし、こういうところから、自分を変えていかなきゃ。
バクバクバク。



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最後まで読んで頂きありがとうございます!!
ここだけの話、僕はとても恵まれているので、毎日とても不安です!

生計を立てるのにも、友達をつくるのにも、勉強するのにも、大した苦労をしてきませんでした。時間をかけずに手に入れてきたので、毎日モヤモヤとした虚しさと戦ってます!

そしてある日、もしかしたらそんな虚しさに追われてるのは僕だけではないかもしれないと思い立ちました。SNSによって、「すぐに手軽に」楽しめるよう社会になったからです。
そこで僕は、一瞬で消費できるコンテンツではなく、読み終わりに問いが生まれたり、美しい表現に思わず惚(ほう)けてしまったりといった、「余韻」が残る作品を作っています!

しかし、読み終えて下さった方がどう感じたのかを知るのは難しいので、もし余裕があればコメント等のリアクションを貰えると嬉しいです!

それでは改めて、読んで頂きありがとうございました!
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