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半年

彼と付き合って半年が経った。

初めは私たちが別れるとしたらどんな理由で別れるのだろうか、とか、何に対しても不安を抱いている私が愛想を尽かされてそのうち別れを告げられるのではないかという無駄を極めた考えを脳裏に潜めるなどした。そんなこととは裏腹に、彼に会えることを楽しみに日々をなぞっていたら、いつの間にか半年が経っていた。

一カ月記念の時は、それまでの日々が過ぎ去るのが酷く遅く感じて、多くの数字を重ねているカップルに敬意の念を抱いていた。冒頭につらつらと記した不安は”体感では異常に時が進むのが遅かった”という理由から来ていたのかもしれない。

彼と良く話すようになった時期は漠然と、何処か似たような部分ばかり探していたように思う。なんとなく波長が合うなあ、と思っていた。浪費癖があるところ、感受性が豊かなところ、人には軽々しく言えないような事を持ち合わせていること、引き延ばし癖があるところ。こう考えてみるとあまり良くないことばかりのように思えるけれど(笑)、自分の欠点だとしていた部分を誰かと共有できることが純粋にとても嬉しかった。

でも実際に半年一緒に居て、似ている部分よりも正反対な部分が多いことを実感している。私よりも遥かに楽観的でポジティブ思考なところ、ご飯を沢山食べるところ、アクティブなところ、海のような広い心の持ち主であるところ、誰に対しても接し方を変えないところ。

正反対だからこそ、私は彼からポジティブな影響ばかりを受けている。彼のひとことのおかげでひとつの事柄に対してうじうじ悩まなくなった。ちっぽけだと思っていた自分自身を受け入れてあげられるようになった。日常の中で沢山笑うことが増えた。

私が四月に心を病んでいなかったら、履修登録の曜日を直前になって変更していなかったら、私が五月に彼の地元へ旅行に行っていなかったら、彼と話す時間を大切にしていなかったら、私たちはきっと同じゼミの友人から関係が発展することはなかっただろう。

今までずっと身近にいたゼミの友人は、私の考え方や在り方を変えてくれる、お日様のような人だった。

私も彼に良い影響を与えられているだろうか。
私たちにしかわからないふたりの空気感を宝物に、私は”今”を大事に生きていきたい。

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