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眠れぬ夜に海を泳ぐ

深夜、ふと思いついた時にネットサーフィンをすることが多々ある。

新しい自分好みのアーティストに出逢えた時はとても嬉々とした気持ちになる。

『ネットサーフィン』が趣味のひとつになったのは、軽音部に入部して、音楽に触れる機会がより多くなった辺りからかな。色々なジャンルの曲やバンドを知って、どんどん新たな扉を開いていた。

広く浅く色々なバンドを聞き漁っていたから、ある人には1度「全部にわかだよね、」と苦言を呈されたこともある。(結構ショックだった。)

自分でもにわかな自覚があって、本気でそのバンドを好きな人にとても失礼なことだと思っていたけれど、感情が音楽ひとつでコロコロ変わる感覚がとても新鮮で、色々なジャンルの曲を聴くのが辞められなかったんだよね。音楽の持つ力は凄まじい、とこの時からずっと思っている。

そんなこんなで新しいバンドをどんどん知っていった私は、みんなが知らないもっとマイナーなバンドと出会って、小さなライブハウスで生の音楽を浴びてみたい!ファンの熱気を感じたい!とどんどん欲が増していった。

その結果、定期的に寝付けない夜にネットサーフィンをするようになった。

YouTubeのおすすめ欄に出てきた、まだ出会ったことの無いバンドの曲を1曲拝聴し、その関連動画に出てきた音楽をどんどん聴き進んでいくのが私のスタイル。

私が友達にお勧めされたり、軽音部内の他のバンドが演奏していて知った曲以外に、初めて自分で聴いて出会ったのが、"Hump Back"。

Hump Backを知ったきっかけの楽曲は『星丘公園』だった。


永遠なんてどこにも無いんだろう
昨日なんて遠い昔話だろう
コンクリートかち割るようなアオい青春は
何処にも行けずに空を眺めてる

夢の半分は夢で終わるのさ
明日なんて遠い未来の話さ
制服の裾を掴むような淡い初恋は
ようやく居場所を見つけたみたいだ
Hump Back『星丘公園』より

「コンクリートかち割るようなアオい青春」
「明日なんて遠い未来の話さ」

当時高校生だった頃の私の心をガッツリと掴んだ歌詞。

ガールズバンドでもこんなアツく音楽を奏でられるのかとかなりの衝撃を受けたことを覚えている。

そこからは、アルバイトで稼いだお金を叩いてCDを買い漁り、300程の小さなキャパのライブハウスに1人で出向いたりもした。

あの時はかなりフットワークが軽かったな、と思う。高校生時代の自分の体力凄まじいな。


私たちの高校は、定期的に発表会みたいなのがあって、それぞれのバンドが練習した曲を部内で披露する機会が与えられていた。

私たちのバンドは、そこで星丘公園を演奏したこともあった。

今は邦ロック好きの中では知らない人は居ないくらい知名度があるバンドだけど、当時は名前を出してもあまり共感してくれる友人は少なくて、自分たちのバンドで演奏しても果たして盛り上がるのかと少しだけ不安だった。

それでも私たちは演奏した。

すると、『私たちのバンド = Hump Back』と覚えてくれる人が増えて、Hump Backを聴いてくれる人も沢山増えた。

臆せずにどんな曲も挑戦していたあの頃はとてもキラキラしていたし、○○の曲をやりたい、という私のわがままを聞いてくれたバンドメンバーには心底感謝している。


今でも私は時たま眠りに付けない日はネットサーフィンをしている。

みなさんも、眠れぬ夜に"ネット"という広大な海を泳いでみてはいかがだろうか。

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