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「ありがとう」の吃音

フォロワーさんが吃音についてちょっと触れていたので、わたしもその話を少し。

わたしが20歳の頃から、本格的に悩んでいたことです。
とは言っても、世間一般的に吃音と言われる部類に入るのかどうかも分からないのですが、わたしは本気で悩んでいました。
それこそ、一晩中泣いてしまうくらい。

わたしはずっと接客業だったので、けっこう致命的でした。
特に接客用語の基本の基本、「ありがとうございます」が言えなかったんです。
言えなかったのは「あ」の一音。そこから口が閉まってしまうのです。
言えて「ありと」くらい。「が」も抜けます。

普段、友達や家族と話している時は吃りません。ただ、お仕事となると途端に言えなくなります。
電話もそう。だから電話に出るのが苦痛で苦痛で仕方ありませんでした。

職場の先輩や友達に打ち明けてみても、
「誰にでもあるじゃん」
の一言。
分かってもらえませんでした。

こんなに悩んでいるのに、わたしは独りなんだ。当時はそう思って、心の中でますます孤立していったのを覚えています。

ネットで調べてみると、「ありがとう」が言えない方が結構いて、わたしと同じように電話に出るのが苦痛、接客業が苦痛、その相談内容を見て、少しホッとしました。

「同じように悩んでいる人がいるんだ、どうやって解決しているんだろう」

解決方法を見てみると、ありがとうございますの代わりの言葉で誤魔化す、そんなところでした。

でも接客業って、ありがとうの代わりの言葉ってないんですよね。
どうしても言わなければいけない。むしろ、お世話になったとても素敵なお客さんには「ありがとうございます」が言いたい。なのに言えない。感謝の気持ちをどうしても伝えることができない。

苦痛。涙が出てきます。毎晩毎晩調べてた。

今は仕事を辞めているので困ることはないですが、なんで今まで言えなかったんだろうって考えた時に、わたしが出た結論はやはり精神的なものだと思うのです。
追い込まれてたんですね、お仕事にも人間関係にも。素直でいられない、正直な自分でいられない、偽った時間をずっと過ごさなければいけない。
辛かったなぁ。何年も。

そんな経験があるので、接客業の人がありがとうございます」を「あざーっす」って言ってるのも、多分ただ単に接客態度が悪いのかもしれないけど、もしかしたら人知れず悩んでいるのかなぁなんて、余計な気を回してしまいます。

ちなみに他にもいえない言葉があるんですけどねん。

日本語って代わりになる言葉の種類が多いから、誤魔化すことはある程度できます。
そして今は、そんなしがらみから解放されているので、ゆっくりゆっくり自分の言葉を言うことができます。

もし、身近にそんな方がいたら、話を聞いてあげて欲しいな。
病院に行くほどでもないグレーな部分で、○ぬほど悩んでいるかもしれないし、それは大袈裟だとしても、その人の世界は辛いのです。

『何言ってんだこいつ』って思われることのしんどさ。
特にね、接客業なんて、お客さんの反応が如実に出るのです。お客さんは正直だから。

ってことで、すごい長くなっちゃったけど、少しでも気持ちが分かってくれる人がいたらこれ幸い!

関係ないけど、今日は晴れている!ということは買い物がてらチキンナゲットを買ってもいい日なのさ。
バーベキューソース・・・。いや、今日は大人にマスタードだな。
黄色いソースに包まれた外側がカリッと中はジューシー、そしててんいんさんのえがおをついてくるという至福の一品。