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やさしいヒーロー

先日、僕と僕の1歳の女の子が外出した時のこと。電車に乗ると、何かに触発されたのか、我が子は突如大きな声を出して笑い始めた。そう、人々が静かに時間を過ごしている中で、我が子が音の洪水を解き放ったのだ。

ああ、きっとこれが父親の試練なんだな、と私は思った。私の中で波が起き、恥ずかしさと同時に、これは育児の一部だという覚悟が芽生えた。でも、その瞬間、見知らぬ女性が微笑んで「かわいいわね」と声をかけてくれた。そのやさしさに救われた。

うるさいと思っている人もいるかもしれない。でも、僕らを微笑ましく見てくれる人がいるだけで、僕はずっとホッとする。我が子の声は僕にとって最高の音楽だけど、それがみんなにとってもそうだとは限らない。だから、その優しい声をかけてくれた人に感謝の気持ちでいっぱいになった。


社会は複雑だ。みんな自分のことでいっぱいいっぱいで、一生懸命頑張っている。一方で、子どもは社会にとって重要な存在。子育ては、それ自体が社会にとって不可欠なもの。だからこそ、子育ての困難さをちょっとでも共有してもらえると、僕らは社会からはみ出していないと感じることができる。それは孤独感を薄める素晴らしい薬となる。

残念なことに、世間では子連れやベビーカーにぶつかる人が増えていると聞く。でも、そんな中でも、優しく声をかけてくれる人がいる。そんな人たちが実は、僕たち親にとって、そしておそらく社会全体にとって、本当のヒーローなのかもしれない。

「大げさかな?」と思うかもしれないが、僕は彼らに救われる。彼らの存在が、僕たちの子育てを少し楽にしてくれる。だから、少しでも優しさを分けてくれる人に、我々は感謝の念を持つべきだ。

子育ては喜びもあれば、困難もある。でも、その中で出会う優しい一言や優しい笑顔が、僕らを支えてくれる。そして、それが僕たちを救ってくれるんだと改めて感じた。

こんな日常のエピソードこそが、僕ら親が子育てを頑張る原動力だ。そう、この小さな幸せを、一緒に共有できる人たちがいることこそが、僕らが社会の一部と感じられる理由だ。

だから、今日も僕は頑張る。頑張る理由はたくさんあるけど、その一つは、優しさに救われてきたからだ。優しさに救われて、そして優しさを経験して、僕たちはさらに優しさを広げていく。だって、僕たちも社会の一部だからだ。

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