冬の森でカブトムシに出会うには
冬といいつつ3月ですが。
生き物や昆虫が好きな方、冬って自然を散策しても出会える対象が少なくて萎えた経験はありませんか?
そんな冬でも、実は野生のカブトムシに出会う方法があります。
「カブトムシって夏しか生きれないのでは?」
そう思った方もいるんじゃないでしょうか?
そう思わんといて。
確かにカブトムシは夏の虫ですが、秋〜春は幼虫・サナギの状態として土の中でしっかりがんばって生きています。
つまり、冬に会えるカブトムシとは「幼虫」のことです!
「なんだ、幼虫ならスコップがあればそのへん掘ってれば見つかるでしょ」
そう思った方、甘いですね。
ここで書くのはスコップも何もいらない、手ぶらで幼虫を見つける方法です。
手順は言ってしまえば簡単。
①カブトムシのいそうな森に行く
②幼虫が眠ってそうな場所を歩き回る
以上です。
ただ大事なのは条件。
その条件とは「雨が降った直後」です。
子どもの時、水槽でカブトムシの幼虫を飼ってたらなぜかある日幼虫が土の上に出ていた経験はありませんか?
なぜそんなことが起きるかというと、それは幼虫にとって土の中が酸欠状態だからです。
他にも土の再発酵による温度上昇や、エサとなる良質な腐葉土の不足、衛生環境の悪化、他の幼虫との過密など、いろいろ考えられる要因はありますが、一番多いのは酸欠ではないかと思います。
幼虫にとって理想の土の湿度は約60%程度と言われています。
これは手で握ったらしっとりしつつパラパラしてて、泥団子みたいに固くならない状態。
飼育下ではケージが狭く湿度が高まりやすい上に、つい霧吹きのかけ過ぎで湿度が上がりがちです。
そんな時に幼虫は「こりゃたまらん」って感じで土の上に出てきます。
幼虫は見るからに無防備なので、当然土の上に寝っ転がってたらカラスや哺乳類などの天敵にあっと言う間に食べられます。
それでも土の中にいられないから、決死の覚悟で土の上に出てくるんです。
それを自然下でも応用したのが今回の方法。
雨が降った直後は森といえど土の中はそこそこ酸欠状態。
特に日が当たらない木陰の場所など土が乾きにくいところは狙い目です。
夏には樹液が出ている紅葉樹(クヌギ・コナラなど)の下の柔らかそうな土には、多くの幼虫が眠っています。
そんなポイントを練り歩いていると、、、
いた!
寒そう…
「そんな無防備なことある?」
ってくらい何の対策もなしに転がってます。
あまりにじっと動かないので、つっついてみると「やめて…」「ほっといてください…」という感じで小さくもぞもぞする。
探すとすぐ近くにもう1匹。
(写真に写ってはないけど同じ木の根本)
合計2匹ころがってました。
樹液の滲み出た大きなクヌギの根本なので、きっと下にはもっとたくさん眠ってるんだろうなぁ。
すぐそばを散歩中の犬が通り過ぎたり、頭上の枝にはカラスがとまってたりで、このまま放置するのは気が引けたので軽く土や落ち葉を被せておきました。
食べられないといいな。
生きものに会えなくてストレスを抱えてるそこのあなた。
この冬は無防備な幼虫を探して土を被せてみるのはいかがでしょうか?
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?