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肩関節専門医が大切にしているMRI画像

こんにちは。
肩関節の画像シリーズの続きです。少し前にレントゲン撮影でお話をした『肩関節前方脱臼』後に撮影が必要となってくるMRIの撮影方法について解説していきます。

https://note.com/azuazu0508/n/nb48d545a7d1a


・ABER撮影

ABER撮影とは、abduction、extranal rotationの頭文字を取っています。
そのため撮影姿勢は、以下の画像のようになります。

こちらの姿勢は、一般的に肩関節前方脱臼が起こりやすい『外転・外旋位』の姿勢を模していることから、受傷肢位と同様な状態での肩関節の組織の評価をすることができます。
では、肩関節専門医の先生方はどのような点を見ていらっしゃるのでしょうか?

肩関節前方脱臼では、骨頭(ボール)が関節窩(受け皿)に対して前方に逸脱します。この際に、肩関節の前面を支持している『靭帯・関節包』などの組織が破綻します。
この支持をしている組織がどの程度壊れているのかを評価することが重要なポイントとなってきます。

評価されるのは『AIGHL』

ポイントとしては、前面にある靭帯、『AIGHL=前下上腕靭帯』と呼ばれる組織です。

※骨頭が前方に脱臼することで起こる、関節窩側の骨欠損(骨性Bankart病変)や、前方の関節唇損傷(Bankart病変)も評価しています。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/katakansetsu1977/25/3/25_439/_pdf

こちらの報告を参考にさせていただくと、MRI所見と関節鏡所見の一度はかなり高く、感度・特異度ともに高い数値を示していました。

ぜひ、ご参考に調べてみてください!!

ちなみに脱臼後は、基本的に3週間の三角巾固定が一般的で、3週が過ぎた後から可動域訓練を開始していました。
近年では、肩関節を内旋位で固定するか、外旋位で固定するかの意見に分かれているようです。(あまり成績に差はなく、再脱臼するときはしてしまうようですね泣)


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