見出し画像

Azur rosé Galerie 【自分を嫌いにならないために】 #あの選択をしたから (マイナビ×note)

今、私は大きな分岐点に立っている。
東京都のチャレンジショップ創の実に応募し、今年の1月から自由が丘の店舗に入れることになって、あっという間に8ヶ月。
これまでのオーナーが別にいる場所での企画とは違い、自分がオーナーというポジションで運営することは想像以上に体力的にも精神的にも大変だと実感するのに、そんなに長くはかからなかった。
それでも、100%自分のハンドリングで動かせる空間は、これまでにない充実感があった。
チャレンジショップ卒業後の新店舗を探すうちに、自分の中のやりたいことがより鮮明になり、形になっていくのは、大変さや疲労を補って余りあるものである。
美大生の時、ギャラリーをやりたかったわけではなく、様々な流れがあり、「自分にあっているのはこの仕事だ」と思うようになった。
思い返してみると、いくつもの分岐点があったなと最近考えるようになり、今回、書いてみようと思う。

  • 最初は美大に行くつもりはなかった

  • 今の感覚の基盤にある「ヨーロッパ世界遺産の旅」

  • 安定した財団職員を辞めて、ギャラリーに転職したとき

  • チャレンジショップ創の実を知ったきっかけ

最初は美大に行くつもりはなかった


私が子供の頃、夢見ていたものは「漫画家」になることだった。
三姉妹の真ん中の私は、姉や妹の好きな漫画や、従兄が男性だったこともあり、少年漫画も読むことに恵まれていた。
小説も書いていて、公募ガイドを読むことが好きで、ある時、小説を応募したこともあるほど、今は絶対読み返せないけど(笑)

小説を読むことも好きで、小学生の時はホームズ、ルパン、ナルニアなどを読み漁り、中学生に入ると図書館にあるアガサ・クリスティー(「そして誰もいなくなった」の結末は秀逸だった)を読破し、高校に入ると、吉本ばなな、村山由佳、唯川恵等、恋愛小説に移行した。友達から村上春樹の「ノルウェイの森」を借りて読み、あの世界からしばらく抜け出せなくなったりしたり。

絵は子供のころから好きで、高校も宮城県で初めてできた美術科のある高校に行き、油絵をずっと描いていた。
でも、ある時、自分の技量の限界を感じてしまい、自分の中でどこかあきらめてしまった時があった。
進路も最初は美大に行くつもりはなく、姉のいる美術の専門学校に行こうと思っていた。そんな時、学校の先生に学芸員という資格のことや、その資格を取るための美大を教えてもらった。
美術館への漠然としたあこがれはずっとあり、そのことがきっかけで美大を受けることに。
今思えば、このときの選択はのちの自分に大きな影響を与えたと思う。

今の感覚の基盤にある「ヨーロッパ世界遺産の旅」


大学一年生のとき、行内の掲示板で「ヨーロッパ世界遺産の旅」という張り紙を見つけた。なんとも魅力的な言葉ではないだろうか?
2月~3月にかけて、一か月近くヨーロッパの国を周れるという大学の教授が主催した旅行。費用は40万ちょっと。期間を考えれば安いが、大学生にとっては大金。美大でお金もかかるので親には頼らず、一年かけてアルバイトしてため、2年生の時に行くことができた。
でも、そのときは観光気分が大きくて勉強にはあまりならず、3年生の時も参加し、2回目の旅行で美術館の展示の仕方や、ホワイトキューブではない古い建物を使用した美術館等、たくさんの資料を買い、帰りの飛行機の荷物チェックで「石みたいだ」と荷物検査の男性に言わせたほどだった(笑)。
でも、その時買った本は今でもとても役に立っている。

この旅行で得られたものは、日本との違いをわかることができたこと。
建築物や、自然や人、ありとあらゆることが異なる感覚を肌で感じることができた。
自分が日本人である、ということ。
それは日本にいるだけでは本当の意味では理解できない。

また、社会人になると、一か月という長期休みはまず取れない。
学生の時でないと、いくつか国を旅行する長期的渡航も難しいので、大学の頃行けてよかったと思っている。
この記憶は何十年たった今でも記憶の根底にあって、私の美的感覚の一部になっている。
子供の頃、十代の時に体験したことはのちの人生の基盤となる大事な時期。
受け取る側の取り方によって、その役割は大きく異なる。
私は、体験に無駄なことは一切ないと思っていて、楽しいことはもちろん、つらかった体験すら、のちの自分の栄養=肥しにしてしまえばいいと思っている。

安定した財団職員を辞めて、ギャラリーに転職したとき


美大を卒業して、いくつかの美術館アルバイトや派遣勤務を経て、文化財団に勤めることになり、10年近く勤務した。
そこでは情報誌を作成する広報から、事業運営、記念館の展示や区の所蔵する作品の管理のお手伝い、施設管理から経理まで、ありとあらゆる業務を経験することはできた。
長くある程度勤務することで、組織全体の動きを把握することができた。
そこをなぜやめたのか、というと仕事にたいして文句ばかりを口にする自分に嫌気がさしたからだ。
社員というポジションは、収入に見合った責任が伴うものだ。
それは甘んじて受けるが、いろいろと問題は生じる。
私が昔から気をつけるように努力をしていること。それは
「失敗を他人のせいにしないこと」
だ。人間はAIではないし、ミスもする。自分が完璧とは思ってはいけない。
ミスがあったら、他人の可能性が高くてもまず自分を疑った。
それは、出来ている人もいるが、できていない人もたくさんいる。
自分のミスを受け入れず、他人のせいにする人は、大抵成長しない。

これまで、たくさんの仕事を見て、体験してきて思うことは、仕事のやりがいも大切だが、もっと大切なのは「人とのかかわり」である。
ようは、同じ職場の人たちとのより良い関係が仕事へも影響するのである。
私はこれをヒューマンスキルと呼んでいる。ヒューマンスキルが高い人ほど、どこに行ってもうまく溶け込むことができる。
それは能力とは別のものだ。

私も十代の頃から、たくさんのアルバイトを経験してきた。
コンビニバイト、カフェ、居酒屋、単発、美術館などなど
その一つも無駄だったものはない。
アルバイトの良い点は普段知り合えない人と知り合えること
たくさんの人と関りあることでヒューマンスキルも磨かれる。

様々な場面において、自分が決断するタイミングがある。
私はそれを他人のせいにはしたくない。
「あの時だれだれさんがああいったからそうしたのに」
と他人の言葉に自分の人生をゆだねたりはしない。
財団を辞めた時は私にとって、とても大きな決断だった。
けれど、自分を嫌いになりそうな仕事はやめるべきだと思ったのだ。
この選択は今でも間違っていないと思っている。
この選択をしたからこそ、ギャラリーという世界に飛び込み、
今自分が自分のギャラリーを持ちたいと思うにいたるまでの
スタートラインに立った瞬間だった。
その後、たくさんの作家さんと話す機会に恵まれ、現存する作家さんたちの素晴らしさを伝える存在=ギャラリーという仕事が自分の中でストンとはまっていったのである。

チャレンジショップ創の実を知ったきっかけ


ギャラリー勤務を経て、フリーのアートコーディネーターとして、銀座の画廊での企画をしているころ、大学時代からの友人が吉祥寺でカフェをオープンすることをSNSで知った。
SNSを見ているとあっている感覚になっているが、何年も会えていない友人だったがコメントすると、私もよかったら手伝ってと連絡があり、定期的に展示をすることになった。

そこは、曜日ごとに店主が変わるおもしろいカフェ
Cafe Bar ひととてま
何度かめの展示の時、お客様と展示についてお話していると創の実についてお話が出た。吉祥寺の創の実を卒業して、吉祥寺でお店をオープンした作家さんがいるというお話だった。
そのころ、オーナーがいるスペースで企画することの難しさ、
例えば、空間に合わせた作家さんを選ぶことなどを実感し、
自分のスペースを持ちたいなと思いだしていたころだった。
いきなりスペースを持つことはかなりの出費のため、すぐには難しいかなと思っていたら、創の実の存在を知り、思い切って応募することにして、今に至っている。
これもひとつの大きなご縁。
この友人をやっているカフェはいろいろな人たちが集い、知り合えるおもしろい空間だ。

今でもたくさん迷うこともあるし、悩むこともある。
人に相談することもしばしば。
それでいいのだと思っている。
でも大切なのは、最終的な決断は自分ですること
そして、自分の決断に責任を持ち、他人のせいにしないことだ。
一度きりの人生。
後悔をしないために、私はこれからも進んでいきたい。

#あの選択をしたから

↓今後のギャラリーの展示です


【9月の企画展】

黒の肖像~思考の夢
Portrait noir~Rêve de pensées

林明日美 Asumi Hayashi × 山口茉莉 Mari Yamaguchi

2023.9.10(Sun.)-9.24(Sun.)

月木  11:00-17:00(*火水定休)
金土日 11:00-19:00(企画展中のみ)

黒を思い浮かべるとき、人は何を思い浮かべるだろう。対極的な白か、または夜空なのか
物質、情景、感情など「黒」には他の色にはない奥深さがあるのではないだろうか
今回は「黒の肖像」というテーマを作家に投げかけ、作家の思考を探るギャラリーとして初の試みである

銅版画のメゾチント技法を用い、鳥の羽のように柔らかな黒から、夜の海に広がる深淵なる黒まで
黒と対話し、闇に光を与えていくように独自の世界を作り上げる林 明日美

「空想建築」を主軸に、自然現象から受けるインパクトや風化した時間の累積を表現する山口茉莉
今回は BOX = 函という圧縮された小さな世界に「黒」の宇宙を創り出します

両作家の思考によって生まれた、珠玉の「黒」の世界をお楽しみください

#林明日美 #メゾチント #版画 #黒の肖像 #黒の世界
#山口茉莉 #空想建築 #ミクストメディア #宇宙 #boxart

*目黒区号外ネットにも記事を掲載いただきました✨→こちら



【9月の企画展Ⅱ】

寺門孝之 Boutique
Takayuki Terakado Boutique

@t.terakado.boutique
@tterakado

2023.9.28(Tue.)-10.16(Mon.)

月木  11:00-17:00(*火水定休)
金土日 11:00-19:00(企画展中のみ)

柔らかな色彩と独自のスタイルで天使を描き続ける画家/寺門孝之。
今回の展示では、新作ドローイング、ミニアチュール、絵葉書やポスター、Tシャツ、トートバッグ等ここだけのオリジナルグッズが並びます。小さな空間に宝物が詰まったような期間限定アーティストブティックで、あなただけのお気に入りを見つけてください。

【特別企画】
TERAPICA DESSIN SALON:寺門孝之があなたの似顔絵デッサンを対面で描きます。
ご予約・お問い合わせは
@t.terakado.boutique
プロフィールから下記メールにてお申し込みできます。

t.terakado.boutique@gmail.com

#自由が丘アート
#寺門孝之
#azurroségalerie
#天使
#犬天使
#猫天使
#犬も猫も好き
#似顔絵デッサン
#天使絵葉書
#寺門孝之グッズ
#アートグッズ
#アートtシャツ


Azur rosé Galerie(アズールロゼギャラリー)
〒152-0035
東京都目黒区自由が丘2-17-6
THE FRONT 1階 創の実自由が丘内
営業時間/11:00~17:00
*企画展開催時のみ、金土日~19:00まで延長営業
定休日/毎週火水
公式Instagram:@azurrosegalerie
公式LINEはこちら
Webショップはこちら

◆常設展示作家◆ 2023.8月現在
青木愛弓/絵画 @_ayumi.aoki_
アトリエ翠花/翡翠ジュエリー @atelier_suika
岩田圭音/版画+装身具 @suiginnoneko
上田剛央/FLANGE plywood/合板家具 @flange_plywood
kaorin(秋に取り扱い再開予定)/テキスタイル  @kaorinrin0203
小林真理江/絵画・モザイクガラス(立体・ジュエリー) @marie0511
坂本沙於里/墨アート @kpukumy
さとうしのぶ/絵画 @momorinpiccu
タカハシトモコ/バック @tomocotakahashi_t.t.tokio
高橋まき子(追加時期未定)/ガラス @makikotakahashi2020
額賀苑子/陶(web販売のみ) @nukegechang
はぐはぐソックス屋/創作靴下 @haguhaguya
Pink Giraffe/ステーショナリー等 @pink_giraffe45
林彩子 At home works/陶器  @athomeworks
松村淳/ガラス @jun__matsumura
山本晃代/和紙絵画  @teru1980
RIO UMEZAWA/ミクストメディア @artist_rio_umezawa

#自由が丘 #ギャラリー #アズールロゼギャラリー
#アート #クラフト #伝統 #感性を磨く
#アートで癒しを #アートで癒しを届けたい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?