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牛すじ煮込み

小さい頃よく食卓に並ぶ煮込み料理といえば「牛すじ煮込み」だった。

父好みの醤油が効いた甘くない味付けで、トロトロの牛すじと旨味が強い脂身、そして味が染み染みのちぎりこんにゃく、たっぷりの青ネギを掛けて。
父はそれをつまみにビールを飲み、子供らはご飯にぶっかけて食べる。

大人になって居酒屋で食べる牛すじ煮込みは大根が入っていたり、みそ味だったり、甘味が強かったりするので、やはり自分の好みの牛すじ煮込みは家で作るのが一番である。

美味しんぼの落語の回で牛すじ煮込みを作る話があり、落語会でお金をかけず振る舞える美味しい料理として紹介されていたが、確かに昔は安かったと思うが最近はめっきり値段が高くなった。
しかも牛すじは少量買って作るより大量に使って作った方が何故かうまいのは、やはり肉の量がないと煮汁に旨味が染み出さない気がする。
あまり脂ばかりある牛すじでは味がくどくなり過ぎるので、ぜひ自分の目でしっかり部位を確かめてから購入したい。

牛すじ煮込みのコツは、とにかく気長にじっくり煮ることである。
3、4時間ほど煮て、いったん冷まして固まった牛脂を除き、再度温めてからが味が染みて食べ時なので、食べたい日の前日から仕込んでおきたい。

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