ラジオとの再会と最近よく聞くラジオについて
郊外に引っ越して、初めてクルマを買い、そして久方ぶりにラジオを聞くようになった。クルマがもたらしたのは、ラジオとの再会だった。
小学時代はNHKFMの《青春アドベンチャー》を聞いては想像力をたくましくさせたものだ。
中学高校時代は同じくNHKFMの早朝の古楽番組が目覚ましだった。
大学時代は、それこそ金はないが暇を持て余す幸福な日々だった。四六時中、おしゃべり中心のネットラジオを聞いては孤独を慰めていた。
生まれてこの方、自分はずっと郊外に住んでいるという根拠のない自覚があった。実家時代も、下宿暮らしの大学時代も、社会人になってからも、常に自分は中心部からは離れたエリアに住んでいる、つまりは郊外に住んでいるという認識でいた。
いざ本当に郊外に引っ越してみて気づくのは、クルマなしでは生活できないということ。今までは公共交通機関だけで生活が成り立っていた。それはもう十分すぎるほど都会的と言って差し支えないのだろう。
同世代の中では、クルマやモータースポーツを特に愛好しているほうだという自覚がある。一台目のクルマはSUBARUインプレッサ。気持ち良く吹け上がる水平対抗四気筒エンジンの美音は他のなにものにも代えがたい。
また、ドライブしながら聞くラジオは、実に心地よい。ドライバーにとって、ラジオはまさに心の友である。
クルマとラジオは歴史的にみてもおおむね同時代現象と呼べるのだろう。ともに技術革新によって20世紀初頭に大衆化への歩みを進め、前世紀の大衆社会ないし高度消費社会の成立要因および象徴として君臨することになる。
さて、最近、好んで聞いているラジオがある。いずれもNHKFMの番組で、リアルタイムで聞くこともあれば、らじるらじるで好きなときに聞くこともある。
1.ウィーンエンドサンシャイン
2.ジャズ・トゥナイト
3.ワールドロックナウ
4.洋楽グロリアスデイズ
レコード屋に行くことも減り、またレコード屋そのものも減り、未知なる音楽を「足で稼いで知る」ということが圧倒的に少なくなった昨今、ラジオはなおも我々に知らない音楽を教えてくれる。