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大坂 美紗子(sop) & 林 菜月(pf) ゲーテ/シューベルト『糸を紡ぐグレートヒェン」&『グレートヒェンの祈り』(2023.11.26 かふぇ あたらくしあ)

シューベルトの『糸を紡ぐグレートヒェン』は、ゲーテの『ファウスト』 第一部を基に1814年に作曲された。
この曲はシューベルトにとって初めてのゲーテ歌曲であり、この曲をもってドイツ・リートが誕生したと評されるほどの重要作品。
『ファウスト』の中で、グレートヒェンは紡ぎ車を回しながら、ファウストとその口車を思い浮かべて口ずさんでおり、シューベルトはここでそのシーンを音楽化していた。
ピアノ伴奏の反復リズムは、歌詞に応じて紡ぎ車が速まったり遅くなったりするさまや、グレートヒェンの気も狂わんばかりの昂奮を描写し、恋する娘の動揺や悪魔の誘惑を効果的に暗示している。

また、シューベルトは1817年に『ファウスト』第一部より、『グレートヒェンの祈り』への作曲を試み、第5節までは作曲したが未完に終わっている。残りの第6節~第8節までは後にベンジャミン・ブリテンが作曲して完成させた。
内容はファウストとの愛欲の末に罪の意識に苛まれるグレートヒェンのモノローグである。

大坂 美紗子(おおさか みさこ)
福島県郡山市出身。
洗足学園音楽大学声楽コース卒業。卒業時に成績優秀賞を受賞、卒業演奏会に出演。
同大学院音楽研究科(声楽専攻)修士課程修了。
第6回東京国際声楽コンクール第1位、チェコ音楽コンクール2023第2位。
『フィガロの結婚』花娘役でオペラデビュー後、『リゴレット』ジルダ、『仮面舞踏会』オスカル、『ラ・ボエーム』ムゼッタ役などを好演。
また『キングダムハーツ』をはじめとするゲーム・アニメ・映画音楽のオーケストラコンサートや、松任谷由実、ゆず他、著名アーティストのバックコーラスを務めるなど、活動は多岐にわたる。
藤原歌劇団・日本オペラ振興会 準団会員、横浜シティオペラ会員。

林 菜月(はやし なつき)
神奈川県立弥栄高等学校芸術科音楽専攻卒業。洗足学園音楽大学卒業、同大学院研究科を修了。
在学時にはウィーンでの演奏会、ピアノ室内楽オーディション合格者による室内楽コンサートvol.23に出演。又、第90回読売新人演奏会では声楽伴奏で出演。大学院ピアノコンチェルト研究演奏会にてグリーグピアノ協奏曲を演奏。
現在は多数の演奏会で主に声楽曲、オペラ、合唱などの声楽伴奏を中心に多くの演奏家と共演を果たしている。
声楽伴奏は森島英子、富平恭平、服部容子、アレクサンダー・シュマルツからの指導を受け、室内楽を清水 将仁に、ソロを江崎 昌子、谷川明の各氏に師事。
Gruppo Kappa 第7期受講生。洗足学園音楽大学演奏補助要員・ピアノ伴奏員。

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