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書評 人生相談を哲学する ニーチェを読んでねぇ奴と・・・

五十路のおじさん、ばっどです。

人生相談を哲学する
森岡 正博

 「ニーチェを読んでねぇ奴と話ができるか!」
 正確ではないかもしれないが、研究者・クリエイターとして活躍する落合洋一氏が、中学生ごろに父君から浴びせられた言葉だったかと記憶する。
 (情報ソースは確か情熱大陸。)
 父君の正体は、国際ジャーナリスト・作家の落合信彦氏。氏の作品もスゲーたくさん読んだので、そのうちご紹介したいが、それはさておき。

 ニーチェと言えば哲学。ソクラテス、プラトン、カントなどなど、読んだこともなく敷居の高そうな印象が先立つ。
が、新聞書評のヒキで読んだこの本を読めば、ちょっとチャレンジしてみようかと思える、哲学を考える入り口に相応しい一冊である。

 本の構成は、著者が新聞で過去担当した人生相談の回答について改めて考えなおし、哲学的思考のきっかけから第一歩くらいまで踏み込んでみようぜというそんな建付けです。
 哲学がわかった気になれる+人生相談の実用的回答も得られる、一石二鳥的な良書。
 物語読書に慣れていれば、中学生くらいからでも読める哲学書として重宝するはずです。
 また回答を出そうとするアプローチは人間的で思いやりのある内容。
 生きる意味を見出したい人にも良いヒントになりそうです。

 紹介される著者のエピソードで、所属する研究室のボス(知の巨人と言って差し支えない大先生)の論を、自著で真っ向から批判を自著で全否定(3/10訂正)するという、若かりし頃の暴挙を告白されています。
 所属する研究室で騒ぎになるのは良くわかりますが、その本の編集者がよくそのまま出版したな~というのが自分としてはポイント高かった。
 森岡氏と心中するつもりだったんだとすると、大したものである。

 この本を読んで、一度ニーチェでも読んでみるかと思い、西尾寛治訳の文庫に挑んでみたものの、無残に敗れ去ったのは苦い思い出です。
 憧れの落合信彦氏とお話しできる日は来そうにありません。

 原著を書いた人も、翻訳した人もどーかしてるよ・・・

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