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あなたの身体は借り物です。

この話はフィクションです。

前編:生まれてくる前のあなた

あなたはこの世に生まれてくる前に神様から体を貸してもらいました。
あなたは初めてその体を見た時にきっとワクワクしたことでしょう。
生まれる時は小さいけど大人に成長したら身長はこれくらいになるんだね。
じゃあきっとこんな洋服が似合うかもしれない。髪の色、目の色、肌の色を見て、
こんな色が似合うかもしれない。こんな髪型が似合いそうだ。
こんなメイクをしたら素敵になるんじゃないだろうか。体つきがこんな感じだったら鍛えれば良い体格になりそうだ。

などと言ったかもしれません。成長した時のことを想像してあれやこれや楽しみにしたかもしれません。これからこの世に生まれて死ぬまで長く長く一番自分の近くにいてくれるこの体と、良いパートナーシップを築いていきたいと心に誓ってこの肉体を纏ったかもしれません。

後編:生まれてからのあなたの体の本音

私はこんなにあなたを愛しているのに、あなたはいつも私を批判してくる。
乱暴に扱われる。

目の大きさ。形が気に入らない。もっと痩せてよ。どうしてこんなに太ってるの?ねえもっと肌が綺麗ならない?どうしてこんなに言うこと聞かない髪なんだろう頭にくる。どうしてこんなこともできないの?寝てる場合じゃないよ!忙しいんだよ!もっと働けよ!食事?食えりゃなんでもいいだろう?贅沢するな!

休みなく働かされて、無理難題を押し付けられて、調子が悪くなって悲鳴を上げても薬だけで解決しようとして大切に扱ってもらえない。私はあなたの食べるものだけでできているわけではない。あなたが抱える感情も私を作る元になるのに、あなたは私に良くない食べ物だけでなく、ネガティブな重い感情を抱え込み、気の流れやチャクラの働きを悪くさせてしまうんだ。ストレスを溜め込み、病気に追いやるんだ。なぜ気づいてくれないんだ。
私はあなたを愛しているからこそ、こんなにも一生懸命あなたの要求に応えようとしているけれども、あなたは私を虐待するのだ。
あなたが寝ている間でさえも、私はあなたの心臓を動かし、寝る前に飲んだ酒も消化しようと懸命に内臓を動かし、怪我をすれば修復しようと頑張ってさえいるのに、私のその頑張りを理解してくれない。

あなたは私を憎んでいる。どうしてこんなに醜い体に産んだのだとあなたが自分の親を責める姿さえも私は過去に見てきたのだ。こんなにあなたを愛しているのに。どうしてこんなに憎まれるのか、私は一生あなたに愛されないのだろうか。


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