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「赤ちゃん」が「おチビちゃん」になったら


 今回は「少し大きくなった子」のお話です。
 今まで2回ほど育児の話を書きましたが、ウチの娘はだいたい1歳半になりました。はいはいを始めるのが遅くて心配しましたが、始めたら一気に成長。わりと早くつかまり立ちして、その後は順調に歩きました。もはや小走りします。
 そういう親の心配(まして初めての子供ですから)をよそに、順調に育ってくれるものです。「時期の差こそあれ、障害がなければ放っておいても育つし歩く」と聞いた通り。だからこそ障害などは心配になるのですが、検診のたびに心配なさそうでひと安心。
 そんなわけで「赤ちゃん」から「おチビちゃん」になった、我が家の娘。
 聞いてはいたけど実際になってよくわかった「必要な対処作」をピックアップしていこうかと思います。真面目だな今回の書き出し(←いや別にいつもフザけているわけじゃないけど)。


(1). キッチンへの通路をふさごう

 まずは何よりコレ。はいはいして自由に動けるようになると、すぐにママやパパのところに寄ってきます。
 だからキッチンへの入口にベビーゲートなどを設置し、ふさがないと危険。何せキッチンはガスに包丁に水にと、危険がいっぱいですから。
「近くに来れなくてかわいそう……」と思うかもしれませんが、料理をやっていたらそんなこと言えません。怪我したり、場合によっては命に関わるわけですから。
 結果的に泣かせちゃったとしても、それは「守っている」証拠。パパでもママでも、手があいていたら相手をしてあげて、パートナーに料理を進めさせてあげましょう。
 ちなみに我が家では、セパレート式のソファを買っていたのでそれをキッチン入口に嵌めてみたら、見事にジャスト・イン。意外と高いのにこの時期しか使わないベビーゲートを導入せずに済みました……が、もりもり歩く最近はソファを力づくで引っ張ってどかして侵入してきます。


(2). ガス台のロックを忘れずに

 そのように、いずれはキッチンにも入ってくるもの。だからこそガス台の「ロック」は必須です。
 コンロはひねったり押したり、簡単に点火ができてしまうものが多いです。そりゃそうだ料理で多用するもの。あるいは力が足りないと、点火せずにガスだけ出る危険な状態にもなりかねません。
 でもロックは小さくて硬く、おチビちゃんには目につきづらいしなかなか外せない。
 我が家のおチビちゃんは最近スイッチ動作が面白いらしく、点火スイッチに手をかけることも多いのです。でもロックして動かないと「なーんだ」という感じで興味をなくします。この「興味をなくす」がポイント。興味があると、何でもかんでも手を出しますから「自然と遠ざけるには、興味をなくすことなんだ」と気づきました。


(3). その高さ、届きます

 歩くようになると、もちろん手の可動域も広くなります。
 そうなると、低めの棚やローテーブルにはもう物が置けません。何でもかんでもつかんで投げて、場合によっては口に入れます。
 そうやってリモコンも台拭きも何もかもなくなるわけですが、親が慣れてきたら、危険性の低いものは置いておくことにしました。たとえば台拭きは雑菌たっぷりなので撤去ですが、テレビのリモコンは舐めても感電しない。チャンネルが変わったり消されるのは、親がテレビ離れすればいいだけ(笑)。ただし録画データを消しそうな操作をしたり、電池のフタを開けたら止めます。
 おかげでテーブルに物がなくてサッパリしましたし、置き時計は見やすい掛け時計になりました。ポジティヴ思考!
 高い場所でも手が届くようになると、フチに物を置かないことも大切。10cmぐらい遠ざけておかないと、フチにある物をつかみます。
 以前、ウチの奥さんが「なんかもしゃもしゃ音がするなぁ」と振り向いてみたら、タッパに入れたナムルを落とさず器用に取って、手づかみで食べていたそうです。味つけも薄く、無事だったので笑い話になりましたが、落下して頭を打つとかナムルをかぶるとか、そんな事態が考えられたと思うと、コーヒーでも洗ったお皿でも何でも自然と「10cm奥に置く」ようになりました。


(4). コンセントまわりを安全に

 わりと早めに対策したほうがいいのが、コレ。
 子供にとって、コンセントは未知の存在。穴があると指を突っ込む習性もあるので、もし舐めて水を含んだ手でコンセントの穴に手を伸ばすと、感電しかねません。
 そこで空いているコンセント穴に差し込むフェイクのタップ「コンセントカバー」を導入。スライドしてロックもできるものにしたら、触っても反応がないため興味をなくしたようです。
 差し込んでいるケーブルも、力まかせに引っ張ります。そのためマスキングテープで壁に固定し、コンセント一帯を100均のプラスチックケースなどでガード。それでも剥がされたりしますが(笑)、そうしているうちに自然と興味をなくしたようで、最近はほとんど手を出さなくなりました。
 えっと、スマートフォンの充電はもう、あきらめています(笑)。本人もスマホを触って動かして遊んでいるだけでケーブルに興味はなく、危険ではないようなので。


(5). スマホのロックは必須です

 ちょうどスマホの話が出たところで。
 すでにやっている人も少なくないとは思いますが、スマホの起動画面に「ロック」は必須。
 子供には未知の存在で、触ると画面が何かしか変わるスマホは「絶好のおもちゃ」。かといって取り上げると泣いちゃうし、できれば気が済むまで触らせてあげたい。大きくなったら使いこなすだろうし(なのかなー)。多少のブルーライトまで神経質になることもないでしょう。
 僕も奥さんも特にロックはしていなかったのですが、奥さんが「知らないうちに電話をかけられたり、ショートカットがなくなったりしていた」ことからロックを開始。おかげで被害は「動画の再生中」などに限られました。
 僕はそれでも変えていなかったのですが、機種変をした途端、おチビちゃんは僕のスマホが大好きになり、出しただけで寄ってきて取り上げてしまう。仕方なくロックを開始して、事なきを得ています。
 それでも不思議なぐらい、スクリーンショットを撮られていたり微妙に設定が変えられていたりするのですが……確実に、電源ボタンの箇所は憶えました。すぐに。


(6). その戸、あけるよ

 観音開きの扉、引き戸も開けます。取っ手でなく本体を動かし、上手に。
 そのためこれらもロックが必須。ドアのようにノブが高い位置にあれば別ですが、棚やボードにはすぐに設置したほうがいいです。中を荒らされたり、入って「かくれんぼ」されます。重い扉に指を挟んだら大変!
 これもいろいろなものがありますが、我が家では取るのに力(というかコツ)がいるハメコミ式の2点留めのものをセレクト。赤子の力では開けられず、やはり興味をなくして触らなくなりました。でも戸棚への興味がなくなったわけではなく、ロックを閉め忘れると開けてしまうので、親の日々の行動にしましょう。


(7). 紙やビニール大好き

 新しいおもちゃを買ってきて、箱から出してビニールを開放!……したのに、おもちゃ本体ではなく箱に入ったりビニールをくしゃくしゃにして遊んだり。もはや「猫ベッドを買ってきたのにその箱の中で寝る猫状態」ですが、おチビちゃんはとにかく「クシャクシャ音がするもの」が大好き。
 投函されているチラシ、梱包材、ビニール……それらを与えると放っておいてもクシャクシャ遊んでいます。おかげで捨てられないビニールが増えています(笑)。
 でも、よく見ていなくてはいけません。紙を破るのも好きなので、気がつけば粉々にして、口に入れてしまう。歯が生えそろってくるとビニールも噛みちぎり、飲んでしまうかもしれない。
 特に歯が生えるとウズウズするのか、何でも噛みます。我が家ではローテーブルのフチや壁のコーナーはキズだらけです。特に危険でなければおチビちゃんが興味を失うまで、あきらめましょう! 全部を気にしていると、親がダウンします。


(8). とにかく口に入れる

 きっと、一番注意したいのはコレですよね。
 未知の存在があると、とにかく子供は「口に入れる」。それが食べられるものかどうか確認しているのか? 歯応えを楽しみたいのか? わかりませんが、何でも口に入れます。そして飲み込みます。
 どれだけ目を配っていても「ふと目を離したタイミングで」何かしてしまうことは、往々にしてあります。我が家のおチビちゃんも食いちぎった紙やビニール片を、何度口から強引に取り出されたかわかりません。
 もちろん危険なものはすぐに取り出しますが、すでに飲んでしまった小さいものは、ある程度のあきらめが必要。紙は消化されますし、飲み込めるぐらい小さい異物は、あとで「出てきます」。
 卓上のものを取り除き、おもちゃを口に入れても安全なものにして(積み木もお米成分のものにするなど)、ある程度の予防をしていれば、噛んだり破ったりしているうちに飽きてきます。そして親も、自然と「厚手の紙」や「切れにくいビニール」を与えるようになりますから。


(9). やわらかい物、見せない、絶対

 そんなふうに食感と触覚が敏感な時期。やたらと何でもつかむし、カシャカシャ音がするものが大好き。
 そこで注意したいのが「お菓子」。中身も入っていて、おせんべいなどは割れるので格好のおもちゃ。でもスイーツなどはやわらかいため、持たせたが最後、ぐちゃぐちゃになってしまいます。固いおせんべいなども「ま、いいか」と持たせていると、中身が欲しくて(または見たくて)噛みちぎってしまうこともあるため、目が離せません。
 だけど困ったことに、取り上げると「遊んでたのにー!」と泣きます。うまくあやして、もっと興味を惹く別のものを渡して、交換してもらえるといいのですが……大体は「渡したが最後」です。
 個人的には、ザクザクしたチョコ菓子の袋を渡してしまったら、ずっと離さず中身をバキバキ。そのうえチョコなのでおチビちゃんの指から伝わる体温で溶けてしまい、離してくれた頃には袋の上から触っただけで原型がなくなっているという事態になったことがあります。冷蔵庫で冷やし直しておいたら固まったのですが、食べた奥さんいわく「ただのチョコのカタマリだったよ」とのことで……いやはや。


(10). だっこ成分が不足します

 よく「抱き癖がつくから、だっこはあまりしない」という人がいますが、僕は結構すぐにだっこしちゃうほうです。奥さんにも「甘い!」と言われています(恥笑)。
 だっこを続けてわかったのですが「だっこしてほしい」という思いは、ある程度の時間をかけないとなくなりません。「だっこ成分」が不足して、それが充足するまでは離すと泣きます。だからおチビちゃんが両手を広げて寄ってくると「おお、だっこ成分が不足したんだね」と抱いて、片腕で持って片腕でできる作業をしたりします。ちょっとした苦行ですが。
 これは見ている番組や遊んでいるおもちゃも同様で、途中でチャンネルを変えたり片付けたりすると「まだ途中なのにー!」と泣いちゃいます。
 やはり「興味をなくすまで」がポイントなんでしょうね。だっこもできるだけ「もう離しても大丈夫そうだな」というタイミングを見てうまく終わらせたいものです。じゃないと朝の準備や夜の片付けもできないので……。


(11). 変化が苦手です

 おチビちゃんは記憶力も発達しているので「同じこと」や「安定」を求める傾向のように思えます。
 おもちゃを片付けたり、しまったりすると「あれ? あのおもちゃお気に入りだから、すぐに遊べるよう昨日ここに置いておいたのになー?」という感じで立ち止まったりします。
 お風呂のおもちゃも最初は日ごとにガラッと変えていたのですが、なんとなく「あれ? アレはないの?」という素振りを感じて、よく遊ぶ「1軍おもちゃ」は毎日出すことにしました。それにプラスで日ごとのおもちゃを追加して遊ばせています。安心して遊んで、入浴時間が伸びていきますが……。
「変化」が苦手だと痛感したのは、ヘア・カット。おチビちゃんではなく、パパの。
 僕は髪型をキープなどせず、ある程度伸ばしてから一気にカットする「お財布の省エネ散髪タイプ」なのですが、間違いなくおチビちゃんには「別人」だと思われるのでしょう。髪を切って帰るたび「知らない人が来たー!」なのか「パパがいつものパパじゃなくなったー!」なのかわかりませんが、めちゃくちゃ泣かれます。
 おそらく極端に切るからそうなるので、別人だと思われないスパンでこまめに切るしか方法がないのだと感じました。出費より機嫌です(泣)。


(12). 日々できることが増えるよ

 一緒に長く過ごしていると、これを強く感じると思います。
 もちろん、はいはいがつかまり立ちになり、歩き出して、小走りするようになるという大きな変化が軸ですが、その他にも小さな成長がたくさん見られます。
 ずっと一緒にいるわけではないパパ目線でも、お風呂遊びひとつとっても、浮かべているおもちゃを「見るだけ」だったのが「手に取る」ようになり、「桶に入れる」ようになって「桶から出す」ようになります。そうした小さい成長が、ほぼ毎日あります。
 100均などにもある「魚つり(金魚すくい)セット」を買って、お手本を見せていると、最初は「網(ポイ)の意味がわからない」のですが、見せているうちに「手で取って、網に乗せる」ようになり、「網に乗せた魚を落とす」「桶に入れようとするが、できない」「だから網に乗せて、網から手づかみで取って桶に入れる」「網から偶然、桶に入るようになる」「手首を返して、桶に上手に入れるようになる」「網で直接すくうことができるようになる」「それを全部の魚でできて、桶に出し入れできるようになる」……と、細かい成長が毎晩見られます。実はちょっとした感動です。
 その「小さい成長」に気付けたなら、きっと「親としてちゃんと見ている」ことになるのではないでしょうか。いや勝手にそう思っています。同時に我が家ではお風呂はパパ担当なので、ママはこの喜びを知らないんだと思って誇らしくなります。自信がつくよね。


(13). そんな感慨もこの時期だけ(らしい)

 前から書いている記事もそうなのですが、どうしてもこれらは「時期もの」。
 そのうち幼稚園、小学校、中学校と成長すれば、どんどん手がかからなくなり、このような感慨はどこかへ去ってしまうでしょう。同時に別の悩み・別の喜びが訪れるはずですが、こうした感慨は良くも悪くも、この時期にしか味わえません。
 だから、今は特別。
 こうした喜びを積み重ねて、自分の自信にもなってママとの会話にもなり、家族になっていくんだなぁ……と感じている次第です。
 よく「いちばん可愛い時期だねー」と言われるのですが、中には「その時期その時期で可愛さや悩みが変わるだけだよ」という声もあります。
 だから今の時期を、特別に育んであげたい。
 そう思えることこそが、親の幸せなんじゃないでしょうか。きっと。


 さてさて。
 ウチのおチビちゃんが、そろそろお昼寝からお目覚めです。
 一緒に寝てくれるママに、コーヒーでも淹れてあげましょう。
 ママはきっと、こうしたことより多くのことを感じているでしょうから。いたわってあげないと。
 家族になっても、夫婦は夫婦のままですからね。本当は。

 おチビちゃん、おやつ用意しておくよ!

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