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9. トム・ケリーとWugularrビール物語


トム・ケリーの印象

G : トム・ケリーからマーゴを習えたっていうのは「いいな~」って単純に思いますね

H : トム・ケリーはなんかすごいいい感じの人だったっていう印象で、オレもうトム・ケリーにもけっこうお世話になっちゃって。バーとか行ったよね?ビール飲みに。

M : 行った行った。

H : 行ったら、トム・ケリーが横にビタって来て、「俺から離れんな」って言ったの。「なんで?」って言ったら、「あそこに悪いマジック使うやつがいて、おまえのこと狙ってるみたいだから、俺から離れんな。目を合わせるな。」って。「目見たらマジックかけられるぞ」って。

それが一番アボリジナルの文化の怖いところで、ビビるよな。気が付かないところでなんか仕掛けられてる可能性があるっていうのは。


Wugularrビール物語

G : 彼らとお酒一緒に飲んでる分には楽しーく飲めたんですか?

H : あっもうお酒飲んでる分にはもう暑いし喉乾いてるし、飲みたいみたいな感じでみんなで飲んでた。あの人たちけっこう飲むし。6缶とかまだあるのかな?

M : あん時6缶しか買えなかったよね。

G : じゃぁその場で飲むんじゃなくて、ビールを買って帰ってくるみたいな感じ?

M : ザァーっと並んでるから買いに来る人たちが。「1本だけ買うと次買う時もう一回並ばなあかんぞ」って言われて。 で、「ちょっと多めに買っとったら?」って言われたんやけど、ぼくはもう2本飲んだら十分かなって思っとってんけどな。みんな6缶づつ買っていくんやんか。

H : 一人6缶までか?

M : 6缶までやねん。普通にみんなその場のアボリジナルの人たちにビールをあげに行くから、ぼくももう一回買いに行ってん。

G : ヘェー!! けっこう並ばされるんですね。

M : みんな並ぶもんねぇ?ザァーっと。

H : 行列、うん。

G : ビールのチョイスはVB(Victria Bitter)だけですか?

M : 緑の缶(VB)のしかなかった。

G : いやぁ~、おもしろいなぁ。それって、一緒にお酒飲めるっていいですよね。

M : 怖かったよ~ぼく、2回目の時は。ダリルが。「酒持ってんねやろ、おまえ。酒出せー。酒出せー。」って言われて。 

G : そん時もう結構飲んでたダリル?

M : けっこう飲んでたよ。もう販売終わってるからさ。

G : けっこうあの人酒癖大変やったみたいですね。ぼく別のタイミングでWugularr行った時、バーの入り口の出入り禁止の張り紙に「Darryl Dikarrna Brown」って書いてましたよ。

一同爆笑

[Kunborrk(dance) in Wugularr 2001]

H : すごいなぁ~。マーゴのマスターなのに。今誰が吹いてるの?

G : 今なんか聞かないですよね。でも、和歌山のりょうくんが何年前かな。コロナの前にBarunga FestivalにWhite Cockatoo出てたらしいんですよ。「だれがマーゴの演奏やってたん?」って聞いたら「名前忘れちゃったけど、年輩のおじいさんがやってた」って言うてました。

だから誰か代わりにマーゴをやってる人がいてるんでしょうね~。

H & M : ふ~ん

G : そういうなんかのフェスとかには出てくるけど、前みたいな活動はしてないっぽいですね。マニングリダではBongolinj-bongolinjのグループをアートセンターが中心になって作ってるっていうのは聞きました。

>> 10. マーゴ関係者揃い踏みの時代


 このインタビューに使われている写真は全て三上賢治によって撮影されました。無断転用はお控えください。All photos were taken by Mikami Kenji. Unauthorized use is prohibited.

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