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我が子に好きなことしてもらいたい一心で、自分の好きなことがわからなくなった母

 息子が11月から学校に行かなくなって約3ヵ月。ずっと息子のことばかり考えている。とにかく楽しく生きてもらいたくて、本当にやりたいことは何かを探したくて、あれはどうだろう?これはどうかな?って頭の中そればっかり。息子に提案して「やる」って返事が来ると嬉しくて、「楽しかった」っていう言葉が出たらバンザイ涙。

 最近旦那の仕事がひと段落して家にいて、娘も学校閉鎖になったり学級閉鎖になったりで家にいて、私と息子だけの世界が家族の世界になり、家族単位で楽しもう!って空気が生まれてきた。
 スノーボードしに行ったり麻雀したりワカサギ釣り行ったり、それはそれで私も楽しんでいたと思う。だけど何せ私の脳みその楽しむ部門だけ息子になっちゃっているものだから、息子が楽しんでいないと私も楽しめない。ちょっとだけやる気になってる息子と旦那が小さなことで喧嘩して息子の気持ちが冷めてしまったりすると、私は旦那に「息子のやる気返してよ!」ってブチギレた。

 家族といても息子脳な私は家族の中でバランスを崩し始めた。

 気づくと私は動けなくなっていた。

 ソファーの上で家族が何かしているのを眺めているだけ。最低限の家事を何となくしてあとは何をしていいのかわからない。お母さんの姿をしたハニワみたいになった。私は何だかおかしいぞって思った。動かなくちゃ、何かしなくちゃと思うんだけど、何も思いつかない。

 我が子が参加しているスキークラブの日に、行かないと言っていた息子が突然「行く。」と言い出した。息子が行く気になって私はすごく嬉しかった。参加できる親は見守りで一緒に滑ることになっていて、その日は家族全員で参加した。「やっとスキー場まで来れた。」私はまるで呪縛から解かれたかのように思えて、このチャンスを逃すなとばかりに張り切った。家から10分で行けるスキー場。毎朝今日は行こう、今日こそ行こうと思いながら一週間行けなかった場所。
 だけど昼には「帰ろう。」と言い出す息子(想定内)。その日は雪もカリカリで良くなかったし、風も強くてリフトも減速だったのでお昼で帰ると言う子も結構いて、仕方ないかなと諦めたのだが、珍しく息子は「父ちゃんと帰る。」と言い出したので私は残っていいことになった。

 午後は動いているリフトは短いの一本だけになってしまったけど、久々に同級生のお母さんと沢山おしゃべりして、コースの途中に作ったジャンプ台を次々飛んでいく子供達を眺めて、そんな時間が楽しくて、「帰りたくない。」って思った。

 そんな時間も終わり、満足で家に帰った私。久しぶりにたくさん動いて疲れてはいたけれど気持ちは晴れ晴れとしていたはず。なのに、子供達とそのお友達が家中を走り回っている様子を見た途端また心がどんどん重くなっていくのを感じた。そのうちに娘と息子が喧嘩を始めた。息子が怒っていて娘が夕ご飯を作る私のいる台所に入ってきた。「喧嘩中に入ってこないでよ!」私は怒鳴って娘を追い出した。そこに息子が来て娘をグウで叩きだした。私は息子を強く掴んで「暴力はやめてって言ってるでしょ!」と怒鳴った。そして「もう、やだ!」と言って上着を着てバックを持って、

 私は家出した。 続く。


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