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ペアリングイベント2024のはなし ⑤

はい、二皿 / 二杯目のモクテル行きます。まったく構成力と要約力がないな。
まずレシピいきましょうか。

No name
<build / champagne glass>
スパークリンググレープジュース (ポールジロー)60ml
京番茶 20ml
昆布出汁 10ml
オレンジピール(香りのみ)

いちばん最初のスケッチではシャンパンの古酒をイメージをしていたけど、思考を重ねて行くうちにカクテルと同じような景色を見せる方向に落ち着いた。
実はカクテルも当初は同じイメージをしており、カクテルに引っ張られる形で変わったのだと思う。
つまり「近づけるペアリング」を意識していたわけだ。
見返してみると確かに今回は全部その方向性。

当初のコア(スパークリンググレープジュース)はそのままに、周りを変更した設計。
スパークリンググレープジュースは定評があり、個人的にも好きなポールジロー。
極論、コレまんまでも出来ないことはないが、それをやるのは手抜き以外の何物でもない。
活かしつつ別物に昇華させてこそ「バーテンダーの仕事」である。

ガトーショコラはスパークリンググレープ単体で既に対応できるので手入れは必要ない。
繋ぐのは鰹節のアイスクリーム。
ここにフォーカスするとスパークリンググレープはちょっと重く、ニュアンスを潰してしまうと感じたので少し軽くしたかった。
そこで紅茶を使ってみるもイマイチ。バランスの問題もあるけど、あっちを立てればこっちが立たないみたいな状態。
そこを、カクテルにボウモア使用が決まった時点で寄せる意味も含めて京番茶に変更した。
これでスモーキーさは加わったものの、アンダーが足りない。水では当然薄まるだけになってしまうから…と考えていたら昆布出汁が良さそうと思い浮かぶ。
鰹節アイスクリームだから合わせ出汁になるのが面白く思えたし、出汁の旨味は日本人にとって抗い難いものがある。
骨格も太くなり、ちょっと「はじきぶどう」(※)的なアプローチとも言える作りになった。
最後に全体のバランスを調整して完成。

はじきぶどう
江戸時代の料理。ぶどうと大根おろしという、現代でいうフルーツサラダ的なもの。酢醤油などで食べたらしい。

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