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「こうあるべき」が呪いとなる

「水を縫う」で第9回河合隼雄物語賞を受賞した、寺地はるなさんの今回本屋大賞候補作を読みました。

読んだ本の紹介

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出版:2022年10月20日双葉社
単行本:224ページ

あらすじ

カフェの若き店長・原田清瀬は、ある日、恋人の松木が怪我をして意識が戻らないと病院から連絡を受ける。松木の部屋を訪れた清瀬は、彼が隠していたノートを見つけたことで、恋人が自分に隠していた秘密を少しずつ知ることに―。「当たり前」に埋もれた声を丁寧に紡ぎ、他者と交わる痛みとその先の希望を描いた物語。

Amazon内容紹介

感想

謎を解くというプロットですが、登場人物たちの心の揺れが細やかに描かれています。

彼らのあるがままを描き、誰の人生も否定せず、修正もされない、怖くても厄介でも、目の前のことと向きあえば、強さに、愛になるという、主人公清瀬の成長とも重なっています。

川の底の石がわからないように、他者の気持ちはわからない、受け入れるしかない、というタイトルもうまく比喩されていました。

寺地はるなという作者の力を感じる作品です。

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